富士キメラ総研、コンテンツ配信ビジネス市場の調査を実施
コンテンツ配信ビジネス市場の調査を実施
―音楽系コンテンツ配信ビジネスは2010年に855億円(対05年比 245%)―
マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研 (東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役社長 表 良吉 03-3664-5841)は、コンテンツ配信ビジネス関連市場における参入事業者の事業展開、市場環境などの調査を2006年5月~7月にかけて行った。その結果を報告書「コンテンツ配信ビジネス関連企業総調査2006」にまとめた。
コンテンツ配信ビジネスは、ネットワーク環境の整備が進み、インフラや技術面でビジネスが可能なレベルとなっている。インターネットを用いたコンテンツ配信サービス事業に参入する事業者およびサービス事業者向けにコンテンツ配信プラットフォームを提供する事業者数は拡大している。
<調査結果の概要>
■コンテンツ配信ビジネス/サービス市場全体
対象 2005年 2010年予測 対05年比
BtoC市場 2,727億円 5,722億円 210%
BtoB市場 260億円 405億円 156%
合計 2,987億円 6,127億円 205%
デジタルコンテンツ配信ビジネス/サービス市場は、一般コンシューマー向けに提供される「映像」「音楽」「書籍」「オンラインゲーム」といった配信サービスのBtoC(Business to Consumer)市場と、それらのサービスを行うために必要となる配信プラットフォームの構築や配信機能の提供といったBtoB(Business to Business)市場に大別される。
BtoC市場は、「映像配信」を中心に、デジタルコンテンツ配信ビジネス/サービス市場への新規参入が増加してきていることから拡大基調となっている。また問題となっていたコンテンツの著作権保護の対応に関しても、技術的・法律的な対応策が進んできているため、今後もBtoC市場は拡大していくと予測される。
BtoB市場は配信プラットフォーム機能をASP*(Application Service Provider)型のサービス利用で調達するケースが増えることで、金額ベースの伸びは鈍化するものの、ASPサービスによって市場への参入が容易となることでサービス事業者が増加し、コンシューマー向けサービス市場規模が拡大すると見込まれる。
*ASP・・・インターネットを通じてビジネス用アプリケーションを顧客にレンタルする事業者
■BtoC市場
カテゴリー 2005年 2010年予測 対05年比
映像系 750億円 1,210億円 161%
音楽系 349億円 855億円 245%
書籍系 68億円 207億円 304%
ゲーム系 1,560億円 3,450億円 221%
合計 2,727億円 5,722億円 210%
「映像系」は、映像配信サービス専門事業者やテレビ局各社が映像配信サービスへの取り組みを強化したことから注目が集まっている。インターネットにより映像をパソコンで視聴するサービスは、すべて無料で利用できるものや一部もしくは大半が有料であるものなど、様々なビジネスモデルが混在している。また携帯電話向けでは利用の大半が待受け画像の配信サービスとなっている。
「音楽系」に関しては、インターネットでMP3形式などの音楽ファイルをダウンロードするという方法自体は以前から行われており、これまでも著作権保護に関する問題が指摘されてきた。デジタルオーディオプレーヤーメーカー各社もプレーヤー端末とインターネットを用いた音楽配信サービスを組み合わせた新しい用途提案を行ってきたが十分な需要拡大を進められなかった。しかし、2005年8月にアップルコンピュータ社がプレーヤー端末「iPod」と音楽配信サービスサイト「iTunes Music Store」、デジタルジュークボックスソフト「iTunes」を組み合わせたサービスを日本で本格的に開始し、短期間に多くの利用者を獲得している。また、「着うた」を始めとして携帯電話ユーザー向けに楽曲をインターネットで配信する用途も広がりつつあり、音楽配信そのものの認知率、利用率は近年急速に高まった。
「書籍系」サービスも専用端末やパソコン、携帯電話を用いてテキスト系のコンテンツをダウンロードするという方法自体は以前から行われてきたが、特に携帯電話でのサービス利用が広がりつつあることで市場は拡大している。今後も通勤、通学など移動途中に書籍などのテキストデータを随時ダウンロードして利用できることを訴求力として、携帯電話での「書籍系」サービスの利用が特に拡大してくと予測される。
「ゲーム系」はこれまでマニア層を中心とした需要に支えられてきた市場であったが、一般家庭のブロードバンドアクセス環境が広がったことでゲーム端末やパソコンのインターネットアクセスも容易となり、「ゲーム系」を利用できる環境が急速に拡大した。パソコンを用いた「オンラインゲーム」では数千人以上が同時に接続できる大規模なMassive Multi-Player Online(大規模多人数オンライン)ゲームが広がりつつある。プレーヤー同士でのコミュニティサービスやアイテム交換など、ユーザーニーズも多様化が進んでいる。また操作端末として携帯電話を用いるモバイルゲームに関しても単純なテーブルゲームからRPGなど需要が拡大しており、今後も市場を拡大していくものと見られる。
■BtoB市場
カテゴリー別 2005年 2010年予測 対05年比
SI 200億円 270億円 135%
ASP 60億円 135億円 225%
合計 260億円 405億円 156%
コンテンツ配信ビジネス/サービスを行う事業者はこれまで、配信プラットフォームを個別SI(システムインテグレータ)で構築するケースが大半であった。SIも各種ニーズに対応できるよう汎用的な用途についてはパッケージ化したメニューを提供するなどしているが、実際には個別対応に近い形態となっている。
しかし近年ではASP型サービスとしてデジタルコンテンツ配信機能を提供する事業者も増加の傾向にあり、大規模な配信サービスへの対応も進んでいる。加えて短期間でのサービス開始や導入コストの低減、ワンストップ対応といった訴求力により、ユーザーニーズを獲得してきている。今後はデジタルコンテンツ配信事業者が、個別SIによって差別化した配信プラットフォームを構築するか、短期間かつ低コストなASP型サービスを利用するかの選択が可能であり、特にASPサービスを利用することによって迅速に市場に参入しやすくなる。そのためASP型サービスを利用する事業者が一般企業においても一層増加するものとみられる。
<調査対象>
A.コンテンツ配信関連ビジネス/サービス
BtoC(コンテンツ配信サービス)・・映像系/音楽系/書籍系/ゲーム系/その他
BtoB(コンテンツ配信プラットフォーム構築)・・・SI型/ASP型
B.デジタルコンテンツ配信ビジネス関連事業者(48社)
<調査方法>
富士キメラ総研専門調査員による調査対象先/関連企業各社への直接面接取材、および、富士キメラ総研データベースの活用、公的データの収集・活用
<調査期間>
2006年5月~2006年7月
以上
資料タイトル:「コンテンツ配信ビジネス関連企業総調査2006」
体 裁 :A4判 257頁
価 格 :97,000円(税込み 101,850円)
調査・編集 :富士キメラ総研 研究開発本部 第二研究開発部門
TEL:03-3664-5841 (代) FAX:03-3661-7696
発 行 所 :株式会社 富士キメラ総研
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この情報はホームページでもご覧いただけます。
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