ポーラ化粧品、徳島大学大学院と共同で目の下の"くま"の新しい評価法を開発
目の下の"くま"の新しい評価法
ポーラ化粧品研究所では、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部感覚運動系病態医学講座皮膚科学分野(滝脇弘嗣助教授)との共同研究で、画像解析による"くま"の新しい評価法を開発しました。
従来の接触型の機器を用いる方法では目の下部分を正確に測定することは難しく、評価法も限られたものでした。今回開発した評価法では画像解析により"くま"のメラニンや血液量を評価でき、"くま"の改善法を探索するのに有益なツールと考えています。
"くま"は、目の周りあるいはその一部が黒ずんだ状態をいい、その要因としては皮膚の血流の停滞と色素沈着によるものと考えられています。
最近の目元周辺の肌悩み調査(06年3月当社調べ、対象:20~59歳女性631名、)では、1位は「目の下のくま」が40,9%、2位が「小じわ・しわ」37.1%という結果で、目の下のくまは、女性にとっては大敵と考えられます。
この"くま"の評価法として、一般的に色彩計や分光光度計などの接触型機器を用いてメラニンや血液の程度を評価する方法がありますが、これらの方法では、眼瞼のような柔らかく、曲上の形状をなした部位では、接触圧などの影響を受け正確な結果を得にくいという欠点があります。
新しい画像による評価法では、これまでの方法と比較して、1)非接触であるため、正確な評価が期待できる 2)数字データでなく、"くま"のメラニンや血液の状態を画像として捉えることができる 3)画像による方法では、任意の大きさに測定部位を設定できるので、 "くま"のように広がった対象部位も正確に捉えることが可能 などの利点が挙げられます。実際に、肉眼的に"くま"のある人と"くま"のない人を測定したところ、従来の接触型機器では両者の間にメラニンや血液の差は認められなかったが、新しい評価法では両者間にメラニンや血液に有意な差が認められました。(図2)このことから、新しい評価法は"くま"の要因別にその程度を評価できることが期待されます。
新しい画像による評価法は、数字データはもちろんのこと、画像として"くま"のメラニンや血液量を別々に評価でき、"くま"の改善法を探索する上で有益なツールになりうるものと考えます。今後、自動化処理システムが構築できれば、店舗でのカウンセリングにも応用展開できると考えます。
1)新しい評価法の概略
デジタルカメラで得られた画像から画像処理によって、メラニンを強調するメラニン画像と血液を強調する紅斑画像を作成します。下の例は、メラニン画像のイメージです。メラニンが多いと、白さが強く表れます。この白さの"強さ"を計算すれば、メラニンの程度を数字データとして得ることができます(メラニン指数)。血液に関しても、紅斑画像で同様に紅斑指数を得ることができます。
図1."くま"ある・なしの被験者のメラニン画像の例
※添付資料参照
右と左の被験者の目の下の白丸部分では、左の方が白い。すなわち、右と比較して、メラニンの程度が強くでていることがわかる。
次に、作製した画像から目の下の部位の明るさの強度(白いほど高い)を数字化することで、メラニン画像からメラニン指数、紅斑画像から紅斑指数を算出し、評価した。
図2.画像解析を用いた"くま"ある・なしの被験者のメラニン指数、紅斑指数の評価
※添付資料参照
"くま"のある被験者はメラニンや血液の程度が高いことが本方法で捉えられた。
