カネカ、ポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂の工業化に成功
世界初。ポリアクリレート系反応硬化型
テレケリック液状樹脂の工業化に成功
― 建築用、自動車用分野などへ新たな展開 ―
◎ 株式会社カネカ(本社:大阪市。社長:大西正躬)は、耐熱性、耐候性、耐油性などの優れた特長を持つポリアクリレート系反応硬化型テレケリック(両末端反応型ポリアクリレート)液状樹脂の工業化に、世界で初めて成功した。
すでに、高耐候性建築用シーラント、電気・電子用部材、自動車向け耐油性ガスケット、接着・粘着剤用途などへの展開を開始しており、一部のユーザーでは採用も決定している。
◎ 今般工業化に成功した液状樹脂は、従来のアクリル、シリコーン、ウレタン、エポキシ系反応硬化型液状樹脂と比較すると、
・ 高い耐熱性、耐油性、耐薬品性を有し、良好なゴム弾性を発現する。
・ 硬化収縮が非常に小さく寸法安定性に優れている。
・ 電気接点障害や周辺汚染を引き起こすと言われている、シロキサン成分を含有していない。
・ 分子量分布が非常に狭いため、高分子量ながら低粘度である。
などの特長を有しており、シーラント・接着剤・コーティング材・ポッティング材等のベースポリマーとして、金属、プラスチック、ガラスとの良好な接着性を活かし、建築用、工業用、自動車用など幅広い分野での展開が期待される。
◎ これまでにも、ポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂の工業化は試みられていた。しかし従来のポリアクリレートの工業的製造法では、分子鎖の両末端に精度良く官能基を導入することは困難であった。また、粘度や硬化後の機械物性に大きな影響を与える分子量及び分子量分布の精密制御も既存の製造技術では困難であった。
当社は、カーネギーメロン大学で開発され基本技術のライセンスを供与されている原子移動ラジカル重合法を応用し、高度に構造が制御されたポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂の工業化に成功した。
以上
