三菱重工、民間旅客機用エンジン部品増産の新工場建設に約50億円投資
民間旅客機用エンジン部品の増産体制整備
専用新工場を建設
三菱重工業は、名古屋誘導推進システム製作所(愛知県小牧市)において民間航空機用エンジン部品の増産体制を整備する。需要が好調なPW4000、V2500用部品の増産、および開発中の新型エンジンTRENT1000用部品の生産開始に向け、約50億円を投資してエンジン部品専用の工場を新たに建設する。新工場は2007年9月竣工の予定で、2008年1月からの操業を目指す。
今回の増産体制の整備は、当初想定以上の需要増に対応するもの。ボーイング社やエアバス社の主要旅客機に搭載されているPW4000やV2500は、2004年度以降の航空需要の回復を受けて生産量が急増、また、英国ロールス・ロイス社との初の協業であるボーイング社次期主力旅客機787向け TRENT1000は、787の好調な受注を背景に大幅な増産要求が寄せられており、体制整備後は月産約8台の生産を目指している。
新工場はこれらに応えるべく、民間機用エンジン部品専用工場として、延床面積約11,000m2の2階建てで既存の工場に隣接して建設される。
PW4000とV2500はともに国際共同開発のエンジンで、PW4000は、米国のプラット・アンド・ホイットニー社を中心に、日本やドイツなどのメーカーが参画した推力25~45トン級の大型民間航空機用エンジン。当社はコンプレッサーやタービンの部品、燃焼器などの重要部品の製造を担当している。一方のV2500は、日本、米国、英国、ドイツの4ヵ国6メーカーが参画している推力11~14トン級エンジンで、当社は低圧コンプレッサーや高圧タービンのケーシングなどの製作を手掛けている。
また、現在開発中の新規機種であるTRENT1000は、ボーイング787に搭載するエンジンの一つで、推力は24~32トン級。当社はその中核部分である燃焼器および低圧タービンブレードの開発・製作を担当している。
当社は、今回の体制整備により、需要増に対応しつつ、品質と納期の両面で顧客のニーズに的確に応えていく。
以 上