アジレント、PCI Express 2.0向けアナライザとエクササイザ・ソリューションを発表
製品名: Agilent E2960Bシリーズ
アジレント・テクノロジーが、業界初のPCI Express 2.0向けに完全なアナライザおよびエクササイザ ソリューションを発表
P2Lゲートウェイにより、プロトコルアナライザとロジックアナライザを統合
アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、業界で初めて、PCI Express 2.0向けに、完全かつ統合されたx1からx16までのプロトコルアナライザおよびエクササイザ ソリューションを発表します。「Agilent E2960Bシリーズ」は、1台のプロトコルテスト・スイートにより、PCI Express信号に影響を与えない測定、Link Training and Status State Machine (LTSSM)テスティング、システム全体にわたる測定という業界からのニーズに対応しています。
高速シリアル技術のトレンドは、PCI Express 2.0の登場により従来の2.5Gb/s(ギガビット/秒)から、2倍の5Gb/sへと、さらなる高速化が求められています。これにより、グラフィックスなどの高性能アプリケーションの増加し続ける高速化への要求を満たしているほか、既存のアプリケーションでは速度を維持しながらピン数を減らすことも可能となります。これにより、システムコストの低減にもつながります。
5Gb/sまで高速化することにより、コンピュータや通信システムの設計者には新たな課題が生まれています。次世代の高速システムへの移行には、強力で信頼性の高いツールが不可欠となっています。「Agilent E2960Bシリーズ」は、PCI Express 1.0およびPCI Express 2.0に対応したアナライザおよびエクササイズから構成されています。マルチプル・プローブ・オプションおよび新たに開発したプロトコル・ロジック(P2L)ゲートウェイも含め、完全なポートフォリオとして提供します。
アナライザの特長は以下のとおりです。
- PCI Express 1.0およびPCI Express 2.0 x1~x16に対応し、信号に影響を与えることなく真のシステム特性を表示します。これは、アジレント独自のミッドバス2.0シリーズ プローブによって実現しています。これは、ソフトタッチ技術を採用した既存のミッドバス・プローブ・ソリューションを改良したものです。0.15pF以下の容量性負荷、60mVの電圧感度を実現しています。
- インターポーザー・プロービングを利用可能
- 先端的なトリガセットアップなど、アジレントのソリューションで好評の機能をそのまま継承
- イージー・フロー表示機能により、ポイント間のデータ・フローを容易に把握可能
- コンテクスト・カラム表示機能により、データ表示項目・形式をユーザが任意に設定可能
●ロジックとプロトコルを統合
「Agilent E2960Bシリーズ」登場以前は、ロジックアナライザとプロトコルアナライザは異なるコンセプトで、異なる製品として提供されていました。今回、アジレントは両社の主な機能を単一の製品に統合し、ユーザが物理層のデータからトランザクション層のデータまでを把握できるようにしました。この製品は、チャネルが統合される前の8b/10bデータを示すレーンごとの表示や、マルチレーン使用時には任意のレーン上のオーダセットへのトリガ設定までサポートしています。またレーンの状態については、レーンごとに搭載されたLEDで表示します。
さらに、アジレントはロジックアナライザとプロトコルアナライザをP2Lゲートウェイで接続します。これにより、両アナライザ間でトリガをかけたり、マーカの相関をとったりすることが可能となります。複数の測定器を接続し、それらを一つの機器から操作することで、プロトコルアナライザ・ソリューションのみを必要としているお客様でもロジックアナライザを用意することなく、FSB(フロントサイトバス)やPCI Expressなど、システム内のさまざまな箇所を幅広く見ることが可能となります。
●エクササイザの特長
PCI Expressシステムやデバイスを立ち上げ動作させる必要があることから、アナライザ単体では問題をデバッグして取り除くには不十分です。PCI Expressデバイスのリンク・トレーニング動作についての高速かつ効果的なフィードバックを可能とし、デバイスを高負荷で動作させる負荷生成ソリューションが必要となります。アジレントのPCI Expressエクササイザは、複数のレベルの負荷を提供することでこの問題を解決します。
LTSSMエクササイザは、トレーニング・シーケンスを最大x16まで全レーンで高速で生成することができます。これにより、あらかじめ定義されたテストを使って、効果的なリンク・ネゴシエーション・テストを行なうことができます。リンク動作のテストは制御された環境内で行なうことができるので、被測定デバイスの最大能力の評価や不合格時の分離なども、非常に簡単に行なうことができます。
LTSSMテストに加えて、エクササイザは、最大x4のリンク幅で、高機能で自由にプログラムが可能な負荷生成ソリューションを提供します。これにより、所望のリンク幅でのルート・コンプレックスのエミュレーション、エンド・ポイントのエミュレーションとアドイン・カード・テストが可能となります。新たに開発したGUIによるトラフィック設定は、仕事の効率を飛躍的に高めることが可能となります。
投資保護を最大化するため、「Agilent E2960Bシリーズ」は、既存の「Agilent N2Xシリーズ」プラットフォームをベースとしています。また、「Agilent E2960Bシリーズ」は、アジレントのPCI Express 1.0用のプローブソリューションすべてに対応しています。既存のGUIやAPIを継承しており、互換性を保ちながら機能強化しているため、これまでの知識やソフトウェア資産などを有効活用することができます。
アジレントのデジタル・ベリフィケーション・ソリューション・ディビジョンのバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャであるジーグフリート・グロスは次のように語っています。「『Agilent E2960シリーズ』は、PCI Expressに対する最高かつ完全なテストおよびデバッグ・ソリューションを提供することで、業界全体が次世代のPCI Express技術の開発を可能にしていくという当社の公約を強化するものです。このプロトコルテスト製品群により、5Gb/sのPCI Expressをすぐには必要としないお客様であっても、必要となったときにはすぐに測定環境を手に入れることができるようになります。」
●販売方針
*目標市場:PCI Express 1.1およびPCI Express 2.0対応機器の開発者向け
*販売価格(発表日時点での参考価格です):約660万円
*販売・出荷開始日:本日
●お客様からのお問い合わせ先:
計測お客様窓口 電話:0120-421-345
●アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。20000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2005年度、51億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp