丸紅、中国の曹妃甸工業区と経済・貿易に関する包括協力協議書を締結
河北省唐山市・曹妃甸工業区との間で経済・貿易に関する包括協力協議書を締結
丸紅株式会社(以下「丸紅」)は4月3日、河北省唐山市の曹妃甸(そうひでん)工業区管理委員会との間で、経済・貿易に関する包括協力協議書を締結しました。
中国政府は第十一次五ヵ年計画(2006~2010年)において、環境・省エネルギー対策に重点をおいていますが、その一環で河北省唐山市の南にある浅瀬を埋め立て建設する310km2の新しい工業区、曹妃甸工業区を中国初の国家循環経済モデル区と位置付けています。また、中国北方のエネルギー基地、原材料取扱のハブ港としても位置付けています。
中国経済は改革開放以降、80年代後半からの広州周辺の珠江デルタ経済圏、90年代後半からの上海周辺の長江デルタ経済圏を中心に目覚しい発展を遂げてきましたが、中国政府は新たな経済圏として河北省唐山市、天津市等の環渤海経済圏の発展に注力していく方針で、かかる意味においても曹妃甸工業区は今後大きな発展の可能性を秘めている地域です。
曹妃甸工業区には、大型港湾・物流基地が建設されるほか、製鉄、石油・化学、発電、設備製造などの各種大型プロジェクトが計画されており、一大総合工業地帯が出現することになります。製鉄分野では、北京の首都鋼鉄が唐山鋼鉄と合併して、北京オリンピック前に同工業区に移転することが決まっています。港湾関連では2005年12月に稼動した鉄鉱石輸入バースに次いで、石炭バースを現在建設中です。その他、海水淡水化、LNGや石油受入ターミナル、石油精製、エチレン製造など様々なプロジェクトが計画されており、中国石油メジャーのCNPC(中国石油天然気集団)やSINOPEC(中国石油化工集団)などが参画予定です。
曹妃甸工業区のコンセプトは循環型工業地帯であり、企業内で廃熱を有効利用する循環もあれば、製鉄所から出るスラグを原料にセメントを製造するといった工業区内での循環もあり、また汚水等を外部に排出せず再利用するなど、様々な技術を利用した循環型工業区を目指しています。このようなコンセプトの実現や工業区の発展のため、曹妃甸工業区は同区への日本企業の誘致、各種プロジェクトの推進、さらに循環型経済に関わるコンサルティングなどに協力可能な企業を必要としておりましたが、総合商社としての当社の機能に期待して、このたびの包括協力協議書締結に至ったものです。
当社は曹妃甸工業区へ移転が決まっている首鋼京唐鋼鉄向けに三井造船株式会社と共同で炉頂圧発電設備を受注しておりますが、今回の協議書締結を契機に、曹妃甸工業区での環境・省エネルギーを含めたLNG、製鉄、海水淡水化、港湾、石油化学、食料など各種プロジェクトへの取組みの可能性を積極的に追求していきます。
<参考>曹妃甸工業区完成予想図
(※ 関連資料を参照してください。)