WIDEプロジェクトと日商エレが
次世代データセンターの構築と共同実証実験を開始
WIDEプロジェクト(代表:学校法人慶應義塾常任理事 兼 慶應義塾大学環境情報学部教授 村井純、以下WIDE)と、ユーティリティ・コンピューティング技術を提供する日商エレクトロニクス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:辻孝夫、東証一部9865、以下日商エレ)は、Azul Systems, Inc. (本社:米国カリフォルニア州、CEO: Stephen W. DeWitt、以下Azul社)の共有型コンピュートリソースプール「Azulコンピュートアプライアンス」(以下コンピュートアプライアンス)をITインフラとして活用し、WIDEのさまざまな研究で合同実験を実施していくことを発表いたします。
日商エレは、コンピュートアプライアンスを慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスに2006年3月に設置いたしました。コンピュートアプライアンスは、巨大なCPU・メモリ資源をネットワーク経由でオンデマンド供給する画期的なユーティリティ・コンピューティングソリューションです。この導入により、今後WIDEと日商エレは共同で、インターネット自動車ワーキンググループにおけるプローブ情報システム(インターネットで収集した交通情報や気象情報等の作成システム)の構築・運用に関する研究を行なってまいります。また、気象センサ情報のデジタルアーカイビング(デジタル百葉箱)等、WIDEの研究に代表されるJava(TM)ベースのアプリケーションをコンピュートアプライアンスに集約し、省電力・省スペースでの大規模環境を構築しています。さらにこのコンピュート資源を利用し、大規模な環境下におけるシステムの規模性や実現性に関する研究を展開していきます。
インターネットを利用したアプリケーションサービスの急速な浸透に伴い、システムの効率的・安定的な運用が求められるなかで、それぞれのアプリケーションがピーク時に耐えられるシステムを構築する必要があることから、結果的にピーク時以外には余剰のリソースを抱えることが大きな問題となっています。コンピュートアプライアンスに代表されるユーティリティ・コンピューティングでは、今後のインターネットサービスにおいてこのような問題を解決することが重要な要素となっています。今回、WIDEで取り組んでいるネットワーク技術の先進性と日商エレが提供するコンピュートアプライアンスを繋ぎ合わせることにより、最先端のインターネットサービス環境を構築いたしました。
今後、この環境下を最先端のテストベッドとして活用し、さまざまな実験を行ってまいります。
WIDEと日商エレは、インターネットコミュニティや社会のニーズに応えるべく、インターネット全体のさらなる発展と効率的安定運用に努めてまいります
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【WIDEプロジェクトについて】 http://www.wide.ad.jp/
WIDE(Widely Integrated Distributed Environment) プロジェクトは、大学や企業など100を超える団体が協力して、オペレーティングシステム技術と通信技術を基盤とした新しいコンピュータ環境の確立を目的に活動している研究プロジェクトです。基本理念は「地球上のすべてのコンピュータに接続し、人や社会の役に立つ分散システムを構築する。そのために必要な課題と問題点を追求する」こと。この理念に基づいて、常に近い将来を見据えた次世代技術の研究を行っています。
【日商エレクトロニクスについて】 http://www.nissho-ele.co.jp/
日商エレは、エンタープライズ・データセンタにおけるコンピューティングの経済性を追求するインフィニティ・コンピューティングのビジョンを掲げ、その具現化に取り組んでいます。インフィニティ・コンピューティングとは、企業内におけるユーティリティ・コンピューティングを、特定ベンダーの技術に縛られることなくコモディティ製品の組合せにより実現する次世代コンピューティング環境のコンセプトです。これにより、コンピュートリソースの処理量に応じたサーバ環境の動的変更の仕組みや、極めて処理能力の高い高性能クラスタ機能を提供します。
以上
