出光興産、千葉県市原市に水素ステーションを建設
千葉県市原市に水素ステーションを建設します
~日本初、ガソリンスタンドに水素ステーションを併設~
当社(本社:東京都千代田区、社長:天坊 昭彦)は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構※1(以下、NEDO)の「水素社会構築共通基盤整備事業」※2のうち、財団法人石油産業活性化センター※3他が受託している「水素インフラに関する安全技術研究」の一環として、千葉県市原市に水素ステーションを建設します。
市原水素ステーションは、日本初のガソリンスタンド併設型水素ステーションです。来るべき水素社会のモデル水素ステーションとして、燃料電池車・水素インフラの普及に努めます。
当社は2004年4月に神奈川県秦野市に水素ステーションを建設し、2年間運用しましたが、このたび千葉県市原市に移設します。「市原水素ステーション」では、NEDOの「水素社会構築共通基盤整備事業」の一環で、給油所併設型水素ステーションの安全検証、安全対策の妥当性の検証を目的にデータの取得・提供を行います。
水素ステーションは高圧ガス保安法等により、これまで工業用地に建設することしか認められていませんでしたが、2005年度に制定された新法令により、準工業用地、商業地、準住宅地にまで建設することが認められました。市原水素ステーションの建設用地は、準工業用地にあたります。
この水素ステーションの特徴は、水素製造設備の長時間運転が行えることにあります。現在、水素は燃料電池車に供給することでしか消費できないため、設備を長時間運転させることが難しい状況にあります。市原水素ステーションでは、長時間連続運転した設備のデータを取得するために、製造した水素を改質器の燃料として消費できるように工夫しました。これにより、水素の消費量が増えるため、設備の長時間連続運転が可能となります。当社では、設備の耐久性や更なる安全性の向上に向けた検討を積極的に実施します。
なお、10月11日(水)~13日(金)に開催される第1回新エネルギー世界展示会(幕張メッセ)には、当社からも燃料電池や水素ステーションに関して出展いたします。当社ブースではこの市原水素ステーションのジオラマなども展示する予定です。
市原水素ステーション模型(※参考画像あり)
「市原水素ステーション」概要
※1 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
新エネルギー及び省エネルギー技術などの開発をおこなう経済産業省所管独立行政法人
※2 水素社会構築共通基盤整備事業
水素及び燃料電池を広くかつ円滑に一般社会へ普及させるために、産業界との密接な連携のもとで、グローバル・マーケットを視野に入れ、燃料電池自動車や定置用燃料電池システムの普及、水素社会構築のためのインフラに係る法令等の再点検に関連するデータを取得するとともに、高度な技術基準、標準化案を国内及び国際標準に提案するためのデータ取得に必要となる試験・評価手法を開発することを目的としています。
※3 財団法人石油産業活性化センター(PEC)
クリーンな石油燃料の製造・利用技術、水素・バイオ燃料等の新しい燃料に関する安全技術等、石油を中心とする様々な分野での先進的な技術研究開発を推進するとともに、内外の先端技術の開発動向に関する情報収集・分析、エネルギー政策等に関する調査、提言等を実施している。
(1)設置場所:千葉県市原市姉崎海岸25-6
(2)面積:約726m2(220坪)
(3)完成予定:12月初旬予定
(4)水素製造方式:水蒸気改質
(5)水素製造能力:50Nm3/時間
(6)水素純度:99.99%以上
(7)水素充填能力:高圧充填(25MPa及び35MPa)
(8)連続充填能力:乗用車5台またはバス1台
(9)運用時間:9:00~17:00
(10)従業員数:2名(常駐・高圧ガス保安法有資格者)
(11)検証項目:実水素ステーションを用いた安全対策の妥当性検証を中心とした安全技術研究
・一般則第7条の3等で規定された安全対策の妥当性検証
・機器、部品などの交換頻度や検査期間などを設定するためのデータ収集
・実用的安全対策の立案(蓄圧器の輻射熱対策の立案など)
・無人暖機運転時の安全対策の検証
(12)実施期間:2006年12月~2009年3月(予定)