アンリツ、シグナリングテスタ「MD8470A」用制御ソフトの試験機能を強化
シグナリングテスタMD8470Aアプリケーション試験機能を拡充
W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRSシステム間ハンドオーバ試験を実現
アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、シグナリングテスタMD8470A用制御ソフトウェアであるW-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010Aの機能を強化。新たにW-CDMA方式携帯電話端末とGSM/GPRS/EGPRS方式携帯電話端末のシステム間ハンドオーバ※1(InterRAT※2)試験を可能としました。
W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS試験構成のMD8470AにMX847010A及びセカンドRFオプションMD8470A-01を搭載することで、W-CDMA基地局とGSM/GPRS/EGPRS基地局機能を任意に切り替えられる試験環境の構築が可能。両方式に対応したデュアルモード携帯電話端末のシステム間ハンドオーバ試験が行えます。
また、MX847010Aに含まれるWireless Network Simulator(WNS)の機能も併せて強化。緊急呼発信や発信規制、SMS※3連続送信などのシミュレーションを可能としました。
携帯電話アプリケーションの開発規模の増大により検証作業の負担が増加する中、今回の機能拡充により、実網環境での最終動作確認前に、より広範なアプリケーションの検証が可能。W-CDMA/GSM/GPRS/EGPRSデュアルモード携帯電話端末の開発を効率良く行えます。
[ 開発の背景 ]
世界各国で、第2.5世代移動通信システムGSM/GPRS/EGPRS方式から、第3世代携帯電話システムW-CDMA方式への移行が本格化しています。現状ではW-CDMA方式のサービスエリアが限られているため、欧米諸国などでは、W-CDMAとGSM/GPRS/EGPRSに対応したデュアルモード携帯電話の商用化が主流となっています。
デュアルモード携帯電話端末の開発では、サービスエリアが切り替わった際に、音声通話やパケット通信サービスが途切れないことを検証するためのシステム間ハンドオーバ試験が必須ですが、実網環境では、サービスエリアが切り替わる電波状況を任意に作り出すことが非常に困難でした。
そこでアンリツは、基地局シミュレータであるシグナリングテスタMD8470A用制御ソフトウェアW-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010Aの機能を強化。新たにW-CDMA方式携帯電話端末とGSM/GPRS/EGPRS方式携帯電話端末のシステム間ハンドオーバ試験を可能としました。W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS試験構成のMD8470AにMX847010A及びMD8470A-01を搭載することで、両方式の基地局機能を任意に切り替えられる試験環境の構築が可能。W-CDM/GSM/GPRS/EGPRS方式デュアルモード携帯電話端末のシステム間ハンドオーバ試験が行えます。
[ 製品概要 ]
W-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010AはシグナリングテスタMD8470A用制御ソフトウェアです。携帯電話端末と基地局の双方向動作を模擬するWireless Network Simulator(WNS)や2台の携帯電話間の対向試験を1台のMD8470Aで可能とするCouple-UE Network Simulator(CNS)を含むとともに、今回新たにデュアルモード携帯電話端末のシステム間ハンドオーバ試験機能を搭載しました。
また、実網環境では検証が困難な試験機能として、システム間ハンドオーバ試験機能に加え、緊急呼発信、発信規制、SMS連続送信のシミュレーション機能やGSM/GPRS/EGPRS方式の付加機能であるMultiple PDP Context※4、DTM※5にも対応いたしました。
W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS試験構成のMD8470AにMX847010A及びセカンドRFオプション MD8470A-01を搭載することで、実網環境での最終動作確認前にWCDMA/GSM/GPRS/EGPRS方式デュアルモード携帯電話端末のより広範なアプリケーションの検証が行えます。
●シグナリングテスタ MD8470A
MD8470Aは、携帯電話端末機能試験を1台で実現する基地局シミュレータです。W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRSに加え、CDMA2000(R) 1X/1xEVDO、TD-SCDMAに対応しており、各種アプリケーションのWebブラウジング/ダウンロード試験やマルチシステム通信モジュールの評価・検証が可能。コンパクトサイズであり、かつユーザインタフェース用のプロセッサにWindows(R) operating systemを採用していることから、外部サーバや制御用PCが不要。エンジニア一人ひとりがパーソナルな開発環境で、効率良く携帯電話端末の機能試験を行えます。
(注)Windowsは、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
CDMA2000は、Telecommunications Industry Association(TIU-USA)の登録商標です。
[ 対象市場・用途 ]
□W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS方式携帯電話端末のアプリケーションソフトウェア開発
□W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS方式携帯電話端末向けコンテンツ開発
□W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS方式を利用した新しいモバイルサービスの開発
[ 営業情報 ]
□予定販売台数:国内/海外計 500セット(初年度1年間)
[ 用語解説 ]
※1 ハンドオーバ
セル(1つの基地局がカバーするエリア)を超えて携帯電話が移動した際、会話をとぎらせることなく新たなセルの基地局へのつなぎ替えをスムーズに行うこと。
※2 InterRAT(Radio Access Technology)
海外で使用されている携帯電話の機能で、W-CDMA方式とGSM/GPRS/EGPRS方式間のハンドオーバ。W-CDMAのカバー領域が狭小の場合、GSMの基地局にハンドオーバすることで通信の継続を維持する。
※3 SMS:Short Message Service
携帯電話同士で短い文字メッセージを交換できるサービス。
※4 Multiple PDP Context
ビデオストリーミング中のWebブラウジングなど同時に複数のパケット通信によるサービスを実現する。
※5 DTM(Dual Transfer Mode)
GSM/GPRS/EGPRSシステムにおいて、音声通話(GSM)とパケット通信(GPRS/EGPRS)を同時に実行する機能。