出光興産、LPガス型業務用燃料電池システムの実証試験で総合効率80%を達成
LPガス型業務用燃料電池システムのフィールド実証試験で総合効率80%を達成しました
当社(本社:東京都千代田区、社長:天坊 昭彦)は、石川島播磨重工業株式会社(本社:東京都江東区、社長:釡 和明)と共同開発した5kW級のLPガス型業務用燃料電池システムを千葉県市原市にある療護施設に設置、2007年2月からフィールド実証試験を開始しました。
設置後、約1ヶ月間連続運転を行っており、最大時で発電効率34.3%、総合効率80.0%(ともにLHV評価)を達成しています。実証試験は2008年2月まで実施する予定で、システムの性能評価はもとより、業務用施設での運転ノウハウを蓄積することによって、業務用分野における燃料電池システムの商業化へとつなげていきます。
当社は、2002年5月から石川島播磨重工業と灯油、LPガスそれぞれで業務用燃料電池システムの共同開発を進めており、今回のモデルは2006年8月に開発した第2世代になります。
●第2世代モデルの特徴
1. 総合効率81%(工場出荷値)
2. サイズを第1世代の60%にコンパクト化
3. 起動時間を第1世代の約半分に短縮
4. 負荷追従機能(※)を搭載
※負荷追従機能:コンピューター制御により、電気と給湯の需要に応じて効率的な運転ができる機能
業務用燃料電池システムは、「電気」と「熱」を利用する施設が設置の対象となり、飲食店、小型店舗、福祉・教育施設などでの使用が考えられています。今回、本モデルを設置した療護施設は、建物規模が約2,290m2、約30名が居住しています。
また、灯油型の業務用燃料電池システムについても、当社FCテクノプラザ(千葉県袖ヶ浦市)で性能評価を進めており、今後、フィールド実証試験へ移行する予定です。
■ 仕様
仕様定格出力 5kW級
使用燃料 LPガス
発電効率 35%(31%)
総合効率 81%(75%)
起動時間 36分(60分)
容積 1,289リットル(2,142リットル)
幅×奥行×高さ:1,290×740×1,350(mm)(1,800×700×1,700(mm))
※( )は前モデル、効率は工場出荷値(LHV評価)