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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2025'12.07.Sun
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2007'04.05.Thu

古河電工、次世代光源として超短パルス光源の実用化技術を開発

計測、加工、バイオメディカル分野向け超短パルス光源の実用化技術を開発
~ 高安定性、高信頼性、繰り返し周波数可変性を実現~


 古河電気工業は、光通信分野で培った優れた技術を生かして、光ファイバ型フェムト秒(注1)パルス光源の研究開発を行ってきました。2005年1月から2年間、NEDO 産業技術実用化助成事業の助成を受け、従来に無い、繰り返し周波数可変機能を搭載したフェムト秒パルス光源の実用化技術を開発しました。光パルスの持つ高いピークパワーや広帯域性を活かし、計測、加工用途、テラヘルツ波研究(注2)、及びバイオメディカル分野向けの次世代光源として商品化を進めていきます。

■開発の背景
 ピコ秒(注1)やフェムト秒の超短パルス光は、非線型光学応答を利用した非破壊、非侵襲の物質測定の他、近年薬物の特定や、X線に変わる検査用として注目されているテラヘルツ波の発生などへの基礎研究用途から、熱による損傷の無い、ガラスや金属、半導体のナノメートル、マイクロメートル精度の超精細加工、細胞の切削や操作などのバイオ応用、OCT(注3)や多光子顕微鏡用光源などにも用いられています。これらは、産業や医療技術などへの応用が期待されています。
 これまで、利用されてきたチタンサファイアレーザ(注4)等の固体レーザは、振動や埃に弱いため、室温を一定にしたクリーンな設置環境が必要でした。当社は、これらの実用化課題に対し、光通信分野で培った優れた技術を生かし、操作性、安定性、耐環境性能において優れた性能を有し、信頼性の高い、1.55μm 帯の光ファイバ型フェムト秒パルス光源の実用化技術開発に成功しました。

■フェムト秒パルス光源の構成と技術開発の成果
 当社のフェムト秒パルス光源は、光通信で利用されている半導体レーザを電気信号で直接変調駆動することで生成するピコ秒の光パルスを、当社が独自に開発した光ファイバ型の光パルス圧縮技術を用いて数百~百フェムト秒まで圧縮できます。これにより、環境変化に対して不安定要素のあるモード同期(注5)機構を必要としない、シンプルな構成のフェムト秒パルス光源を実現しました。
 また、直接変調方式によって、繰り返し周波数の任意設定が可能で、かつ、外部からの電気信号との同期も正確にできます。さらに、光パルス圧縮器の特性を調整することで、出力する光パルス幅を任意に設定することも可能です。全ての構成部品は、光通信分野で実績のあるものを用い、特に能動部品は、電気制御を行っているため、従来の固体レーザやモード同期レーザに無い、高い信頼性と共に、高い安定性と簡便な操作性を実現しています。
 光源は、電源や制御回路を含めて、簡単に持ち運べる小型デスクトップパソコンほどの大きさに収めることができ、100VAC 電源さえあれば設置場所を選ばない構成となっています。また、光ファイバ出力端での性能を保証し、かつ、取り回しの自由度が大幅に向上しています。さらに、USB 接続を利用したコンピュータ制御による、ユーザーフレンドリーな操作インターフェースを準備し、実用性の高い技術を開発しました。

■特性概要
 * 関連資料 参照

■今後の展開
 本開発技術を基に、出力波長領域の拡大と高出力化を進め、既に製造販売開始を発表したファイバレーザ光源と併せて、特長のある加工・分析用光源の幅広いラインナップの一つとして、あらゆる用途に対応する光ファイバ型超短パルス光源の商品化を進めていきます。


■用語解説

(注1)フェムト秒、ピコ秒
 フェムト秒:1000 兆分の1 秒という極めて短い時間のことです。
 ピコ秒:1 兆分の1秒という極めて短い時間のことです。

(注2)テラヘルツ波
 光と電波の中間領域にあたる,波長にして30μm~3mmの電磁波です。

(注3)OCT(Optical Coherence Tomography)
 光の干渉性(コヒーレンス)を利用して、物体内部の様子を撮像する技術のことです。

(注4)モード同期チタンサファイアレーザ
 チタンサファイア結晶を用いた、モード同期発振により10 フェムト秒から数ピコ秒の超短パルス発生させるレーザです。

(注5)モード同期
 位相を合わせる共振機構を用いて、ピコ秒、フェムト秒パルスを発生させる方法です。

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