アジレント、ETCやDSRC信号解析を高速・低価格で実現するソフトを発売
製品名: Agilent E9285B オプションH03/H04 ETC/DSRC変調解析ソフトウェア
日本国内のETCやDSRCの送信試験項目の評価に対応できる
高速かつ低価格な測定ソリューションを発表
ASK変調とπ/4 DQPSK変調の両方に、一つのソフトウェアで対応
アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、既存のASK変調のETC(自動料金収受システム)を含む、ARIB STD-T75に基づいたDSRC(狭域通信)の信号解析を高速かつ低価格で行なうことができるソフトウェア「Agilent E9285B オプションH03/H04 ETC/DSRC変調解析ソフトウェア」を発表、本日より販売・出荷を開始します。
今回発表の「Agilent E9285B オプションH03/H04 ETC/DSRC変調解析ソフトウェア」は、「Agilent MXAシリーズ シグナルアナライザ」をはじめとする当社の掃引スペクトラムアナライザとの組み合わせで、社団法人電波産業会が定めるARIB STD-T75に基づいたDSRC信号の変調(既存のETCで採用しているASK変調、および新たに採用されたπ/4 DQPSK)解析を低価格で実現するものです。
ARIB-T75で定められたほとんどの送信試験項目に1台で対応可能です。
当社では、「Agilent E9285B オプションH03/H04 ETC/DSRC変調解析ソフトウェア」を含むETC/DSRC解析ソリューションを、4月18日(水)から20日(金)にかけて幕張メッセで開催される「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2007」、ならびに5月23日(水)から25日(金)にかけてパシフィコ横浜展示ホールで開催される「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2007」に出展します。
市場状況
日本国内での高速道路におけるETCの利用率が65%を超えるなど、ETCは広く一般に普及しつつあります。これにともない、ETC機器の価格も下落し、機器メーカからは製造コスト削減の要求がますます強くなっています。
また、従来、日本国内のETC関連の規格では、ARIB STD-T55という規格が採用されていました。現在、この規格に基づく料金決済機能に加え、情報通信機能を搭載して駐車場の入退管理やインターネット接続などを行なうことができる「狭域通信(DSRC)システム標準規格」(ARIB STD-T75)の実用化が進みつつあります。このARIB STD-T75の物理層では、既にETCで採用されているASK変調に加え、高速データ通信用としてπ/4 DQPSK変調が採用されています。
しかしながら、これまでETC用として広く採用されてきた測定器では、π/4 DQPSK変調の解析に対応できないことから、両変調方式に対応し、ETC機器の開発や製造にも使える低価格の測定ソリューションが求められてきました。アジレントではこのニーズに対応するため、「Agilent E9285B オプションH03/H04 ETC/DSRC変調解析ソフトウェア」を開発しました。
主な特長
*ETCおよびDSRC信号の解析を高速かつ低価格に実現:
ARIB STD-T75規格のETCおよびDSRC信号の変調解析測定を低価格で実現しました。このソフトウェアと「Agilent MXAシリーズ」とを組み合わせることで、チャンネルパワー、ACP(隣接チャネル漏洩電力)、占有帯域幅、スプリアス試験に加えて、アイ開口率測定や、EVM(変調精度)測定、周波数偏差等の測定を1台で実現します。
これまでの測定器ではアイ開口率測定をスペクトラムアナライザのゼロスパンモードで測定し、EVM等の変調解析は別のアナライザで行なっていたため、2台の測定器が必要でした。「Agilent MXAシリーズ」の持つ優れた掃引スペクトラム解析機能と、10MHz(オプションで25MHzまで拡張可能)の変調解析機能により、これらの測定に1台で対応できます。
*従来比最大6倍の高速化で、製造スループットの改善に貢献:
従来のアナライザでは、アイ開口率測定の際にゼロスパンで測定ごとにトリガをかけ、数十シンボルの波形を重ね書きすることでアイダイアグラムの表示とアイ開口率の計算を行なっていました。この方法では、1回の測定に6秒程度の時間がかかっていました。
「Agilent E9285B オプションH03/H04」では従来の手法に加えて、1回のトリガで数十シンボルのETC波形をまとめて取り込み、演算処理をするモードを用意しています。これにより最大で6倍以上(約1秒弱)の高速化を実現します。特に製造ラインにおけるスループットの改善に大きく貢献します。
*自動トリガレベル調整:
ETCのアイダイアグラム表示では、振幅トリガレベル等を入力信号に合わせて自動調整し、常に最適なアイダイアグラム表示を行ないます。測定信号レベルが変動しても、面倒なトリガレベルやトリガ遅延量の再調整の必要はありません。
*トリガジッタ軽減機能:
従来、問題となっていたトリガジッタの影響によるアイダイアグラムの時間方向のばらつきを大幅に軽減する機能を搭載しました。これにより、従来では見えにくかったデバイス本来の性能を測定することが可能となります。
「Agilent E9285B-H03/H04 ETC/DSRC変調解析ソフトウェア」の詳細は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.agilent.co.jp/find/etc
販売方針
*目標市場:
自動車メーカ、自動車部品メーカ、ETCおよびDSRCの基地局、端末、ベースバンドチップ、RFモジュール等の研究開発、製造、設置、保守部門
*販売価格:
Agilent E9285B-H03/H04 ETC/DSRC変調解析ソフトウェア 588,900円
※「Agilent MXAシリーズ」8.4GHzモデルと組み合わせた場合の参考価格 約453万円
*販売開始後1年間での販売目標: 100システム
*販売・出荷開始日: 本日
お客様からのお問い合わせ先:
計測お客様窓口 電話:0120-421-345
アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。19,000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2006年度、50億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp