立命館大とNTT、電子透かし入り学生証を用いた講義の電子出席管理で共同実験
電子透かし入り学生証(講義出席管理カード)を用いた
大学講義の電子出席管理共同実験について
学校法人立命館大学(以下立命館大学、本部:京都市中京区、学長:川口清史)と日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)は、電子透かし技術を用いた学生証(講義出席管理カード)を用いた大学講義の出席管理に関する共同実験を4月11日より約半年間実施致します。IT化が進む教育現場に、新たなIT最先端技術を導入することで、さらなる発展を模索します。
1.共同実験の概要(図1)
実験は立命館大学大学院理工学研究科の講義であり、STARC(株式会社半導体理工学研究センター、神奈川県横浜市、代表取締役社長兼CEO:下東勝博)の支援講座として開催されている「システムLSI設計特論1」にて、講義の出席管理の電子化検証を行います。
講義を受講する立命館大学生や社会人受講者の顔写真などに電子透かし情報を埋め込んだ学生証(講義出席管理カード)を配布し、これを講義開講時、閉講時、教室入り口に設置された電子透かしリーダにかざすことで、講義の出席管理を自動的に行います。
実験では、電子透かし技術を用いた出席管理システムの有効性検証、講義の出席管理電子化による大学教職員の業務効率性の検証、出席情報のリアルタイム可視化などについて、有効性を検証します。
2.共同実験で用いる電子透かし技術について(図2)
実験で利用する電子透かし技術は、NTTのサイバースペース研究所で研究開発を進めてきた技術です。画像の中に人の目には見えにくい形で情報を埋め込むことができる技術で、電子画像でも紙面に印刷した画像でも電子透かしを読み取ることが可能な技術です。同研究所が独自で開発した秘匿アルゴリズムのため、他人は簡単に電子透かし情報を埋め込むことも、読み取ることもできません。また、携帯電話でもリアルタイムで検出可能な高速アルゴリズムを採用しているため、従来開発されてきた電子透かし技術と比較し、高速処理可能なアルゴリズムとなっております。
本実験では、配布する学生証に添付されている本人の顔写真などの画像に、本人を特定するID情報を埋め込んでおきます。学生証を電子透かしリーダにかざすことで、埋め込まれたIDを検出し、そのID情報をもとに講義の出席情報を電子化します。作成する電子透かし入り学生証は、通常プリンタ、通常用紙で印刷可能なため、非常に安価にカード作成を行うことができ、学生証の発行コストを低く抑えることができます。
3.共同実験の役割
本実験では、立命館大学の教員、学生が実際の講義で利用します。NTTは、同実験のシステムを構築します。なお出席管理ソフトウェアの開発は、当実験の協力会社である株式会社リミックスポイントが行いました。
4.今後の展開
電子化された出席管理の業務的有効性、および電子透かし技術の実用性、有効性の検証後、出席管理電子化の本格導入、および電子透かし技術を用いたさらなる学生向けサービスの充実を、両者で検討してまいります。
