2006年第1四半期国内PC市場速報を発表
●2006年第1四半期の国内PC出荷台数は、前年同期比5.4%増の433万台
●前年同期比は2005年第4四半期の同8.3%増から下落、成長率の鈍化が続く
●デル、東芝が前年同期比20%超と好調
IT専門調査会社 IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、日本国内におけるPC市場出荷速報を発表しました。これによると、2006年第1四半期(1月から3月)の国内PC出荷台数は、前年同期比5.4%増の433万台となりました。
2006年第1四半期には、家庭市場の前年同期比は6.1%増と、旺盛な需要に支えられて予測を上回る結果となりました。ビジネス市場では前年同期比5.0%増と、前期(2005年第4四半期:同3.1%増)より若干の改善をみせましたが、前々期(2005年第3四半期:同5.9%増)よりは低く、長期的には成長の鈍化が続いています。IDC Japan パーソナル・コンピューティング&デジタル・イメージングシニアマーケットアナリストの新行内久美は「円安と競合激化によって収益確保が困難になるなか、ベンダーの戦略は損益重視型とシェア重視型に二極化しており、これが台数シェアに大きな影響を与えている」と分析しています。
■ベンダー・ハイライト
NECは前期(2005年第4四半期)に続いて1位となりました。前年同期比は、2005年12月に新モデルの出荷を前倒しした反動で、1.7%減となりました。ビジネス向け出荷の前年同期比は6.1%増と、前期(2005年第4四半期:同5.7%増)より改善しています。
富士通は、前年同期比0.0%と、前年並みの結果となりました。家庭向けはNEC同様に前倒し出荷の影響でマイナス成長となりましたが、ビジネス向けでは2.8%増と過去2四半期連続のマイナス成長から改善しています。
デルは前年同期比24.3%増となり、2005年第4四半期(同21.7%増)から2四半期連続で同20%以上と高い成長率で推移しています。得に家庭向けで前年同期比64.3%増の高成長となっています。
東芝は前年同期比20.8%増となり、出荷台数を大きく増やしました。中でも家庭市場が好調で、同市場でのシェアでは12.7%と過去最高となりました。
日本HPは前年同期比4.7%増と市場全体の成長率を下回り、シェアでは6.6%と前年同期から横ばいとなりました。HPは現在、世界的に利益重視のオペレーションを行う戦略をとっており、結果的に台数の伸びが抑制されました。
■2006年第2四半期の見通し
2006年第2四半期の国内PC市場について、ビジネス市場の好調が持続していることから、予測の上方修正を行う予定です。ビジネス市場では、政府官公庁において、個人保有PCの業務利用を廃止するために新たにPCを購入するなど、セキュリティ対策としての導入件数増加が見込まれます。家庭市場については堅調に推移するとみています。
マイクロソフトの次世代OS「Windows Vista」のコンシューマー向け版について、発売の2007年への延期が2006年3月22日に発表されましたが、IDCでは同OS搭載機への需要は2007年第1四半期に集中すると分析していたため、2006年通年での出荷予測への影響は最小限に留まる見込みです。
今回の発表は速報値であり、将来変更となる可能性があります。IDCが発行するレポート「Japan PC 2006-2010 Forecast and Q106 Vendor Shares: Quarterly Model Analysis」(J6020302)にその詳細が報告されています。
本レポートでは、2006年第1四半期の国内PC市場実績と2006年から2010年までの市場予測が掲載されます。
(※レポートの詳細についてはIDC Japanへお問合せ下さい)
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。ここでいう国内のPC市場には、x86サーバー、デスクトップPC、ポータブルPCが含まれています。IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。
そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。
(※本リリースは http://www.idcjapan.co.jp でもご覧いただけます。)
<参考資料>
2006年第1四半期国内PC出荷台数トップ5ベンダーシェア、前年比成長率(速報値)
(※ 関連資料を参照してください。)
IDC社概要
IDCは、ITおよび通信分野に関する調査・分析、アドバイザリーサービス、イベントを提供するグローバル企業です。42年にわたり、IDCは、世界中の企業経営者、IT専門家、機関投資家に、テクノロジー導入や経営戦略策定などの意思決定を行う上で不可欠な、客観的な情報やコンサルティングを提供してきました。
現在、世界50か国850人のアナリストが、世界規模、地域別、国別での市場動向の調査・分析および市場予測を行っています。
IDCは世界をリードするテクノロジーメディア(出版)、調査会社、イベントを擁するIDG(インターナショナルデーターグループ)の系列会社です。
一般の方のお問合せ先
IDC Japan(株)
セールス
Tel:03-3556-4761 Fax:03-3556-4771
E-Mail: jp-sales@idcjapan.co.jp
