三菱マテリアル、車載半導体デバイス向けに高信頼性ボンディング用金線を開発
高信頼性を有した車載半導体デバイス向け
ボンディング用金線(TOUGHBONDシリーズ)を開発
―デバイスの狭ピッチ化、細線化にも対応―
三菱マテリアル株式会社(取締役社長:井手明彦、資本金:1,017億円)は、デバイス結線部のボンディング用金線とアルミ電極の接合信頼性を向上させる車載用高信頼性ボンディング用金線(TOUGHBONDシリーズ)を開発しました。
過酷な高温環境で耐久性等の高い信頼性が要求される車載用半導体デバイスにおいては、金線とアルミ電極の接合部の劣化による電気抵抗の上昇が問題となることから、より高い接合信頼性を有するボンディング用金線に対し強いニーズがありました。
従来は、接合信頼性向上のために、パラジウム(Pd)などを添加したボンディング用金線が使用されていますが、車載用半導体デバイスの需要が年々高まる中、ユーザーからは、より高い信頼性が求められています。このため、当社は長年にわたる貴金属精製・合金化技術を応用し、従来とは大きく異なる独自開発の合金組成を採用することにより、接合信頼性の大幅な改善を図ることに成功しました。特徴は以下の3点です。
(1)接合部の劣化を遅らせることにより、電気抵抗の上昇を抑えることが可能。
(2)ボンディング時のボール(金線端部の球状部)を従来に比べ柔らかくすることにより、脆い低誘電率層間絶縁膜(Low-k膜)品にも適用可能。
(3)(2)と同様の理由により、汎用の4N(99.99%Au)金線と同等のボンディング条件で使用可能。
当社がこのたび開発した製品の用途は、車載用半導体デバイスの他、最先端の狭ピッチデバイスや従来半導体デバイスのワイヤ細線化にも有効となります。なお、線径は15ミクロン以上、金純度は3N(99.9%Au)、2N5(99.5%Au)、2N(99%Au)を取り揃えております。
現在、国内外の半導体デバイスメーカー、アセンブリメーカーに開発品の供給を開始しており、2年後を目途に年間20億円の売上高増を見込んでいます。
以 上