三菱ガス化学、電子デバイス向け高耐熱性無色透明フィルム「ネオプリム」の本格展開を開始
電子デバイス向け高耐熱性無色透明フィルム「ネオプリム」の本格展開について
三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小高英紀)は、電子デバイス向け高耐熱性無色透明ポリイミドフィルム「ネオプリム」を開発し、サンプル出荷を進めておりましたが、ユーザーの高い評価を得たことから、当社平塚研究所(神奈川県平塚市)内にセミコマーシャル規模のロールフィルム製造設備(生産能力:月産5,000m2)を導入し、本格的に市場展開することを決定いたしました。同設備の完工は、2007年6月を予定しております。
現在、ディスプレイ、センサー、太陽電池などの光入出力電子デバイスについては、基板材料を従来のガラス板に代えて無色透明のプラスチックフィルムを用いることで、薄型軽量化やフレキシブル化を図ることが広く検討されておりますが、使用するプラスチックフィルムには、透明性に加えて耐熱性、表面平滑性、寸法安定性や低熱膨張性などの機能が強く求められておりました。
このような要求に対応するため、当社では無色透明ポリイミドフィルム「ネオプリム」を開発いたしました。代表的なグレードである「ネオプリムL-3530」は、全光線透過率90%を維持しつつガラス転移温度315℃を実現するなど、極めて高い耐熱性を有しており、デバイス製造工程において従来のプラスチックフィルムでは不可能であった高温のプロセスを採用することができます。
これまで当社は、平塚研究所において「ネオプリム」の技術開発と小規模試作を行いつつ、主に電子デバイスメーカーを対象としてサンプルワークを行ってきましたが、「ネオプリム」の透明性、耐熱性等の特性に対する評価は非常に高く、長尺ロールフィルム形状での供給に対する要望も出てきたことから、今回、ロールフィルム設備の導入を決定したものです。
設備完成後は市場へのフィルム供給能力が増加するとともに、デバイス製造工程においてロールto ロール技術での効率的な生産が可能となりますので、幅広い分野で同フィルムを用いたプラスチックデバイスが実用化されていくものと期待されます。
当社では今回の設備導入による市場展開を経た上で、2011年度を目処に本格的な事業化を行う予定です。