富士経済、キッチンなどトイレタリー用品4分野30品目の調査を実施
キッチン、殺虫剤などトイレタリー用品4分野30品目の調査を実施
-軽失禁ライナー・パッド市場は2006年126億円見込み(前年比 26%増)-
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、ヒット商品や新カテゴリーの確立など領域を拡大し変貌するトイレタリー用品市場の定期調査を3~8月にかけて行い、トイレタリー用品89品目の市場動向を調査・分析した。このたび、「キッチン」、「アウトドア」、「殺虫剤」、「サニタリー」の4分野30品目について調査し、その結果を「トイレタリーグッヅマーケティング要覧2006 No.3」にまとめた。
<調査結果の概要>
対象4分野市場
分野 2005年 2006年見込み 前年比
キッチン 1,738億円 1,746億円 0.5%増
アウトドア 252億円 238億円 5.6%減
殺虫剤 693億円 689億円 0.6%減
サニタリー 4,055億円 4,081億円 0.6%増
合計 6,738億円 6,754億円 0.2%増
4分野の2005年合計市場規模は、6,738億円で、前年比1%増だった。2006年はサニタリーが微増するもののアウトドア、殺虫剤が減少することで、ほぼ横ばいの6,782億円になると見込まれる。
2006年の各分野別市場では、キッチンは、台所用洗剤や除菌剤などが減少見込みだが、食品保存コンテナや食器洗い(乾燥)機専用洗剤が10%以上増加し、トータルではほぼ横ばいの1,746億円に達すると見込まれる。殺虫剤市場は、ダニ・不快害虫用殺虫剤は2%増が見込まれるが、ハエ・蚊用殺虫剤、燻煙・燻蒸剤が微減し、690億円の見込みである。サニタリー市場は、軽失禁ライナー・パッドや大人向けおむつが好調で、市場は微増となる見込みである。
<注目市場>
軽失禁ライナー・パッド 2005年 100億円 2006年見込み 126億円(前年比 26%増)
1990年に市場が形成された軽失禁ライナー・パッド市場は、当初は商品の特性上大々的な広告展開が難しく、認知度は非常に低い状態となっていた。しかし、2000年に入ると抵抗感を和らげるパッケージデザインや広告コピーによって認知度を高めることで、これまで生理用品やパンティライナーで代用してきた層の取り込みを図ることに成功、需要が大きく広がった。特に、2003年にユニ・チャーム、花王がTVCM、雑誌広告を投入してからは、軽失禁ライナー・パッドの商品認知が一気に高まり、流通サイドも軽失禁対策商品の取り扱いに積極的な動きを見せる契機となった。現在も二桁成長が続いている。しかし依然として生理用品やパンティライナーで代用しているユーザーが多く、専用品の使用率は15%程度と見られており、ライナー・パッド参入各社は継続的な広告活動を行うことが必要となっている。また、軽失禁ライナー・パッドは店頭購入の際の抵抗感が強いため、パッケージデザインや訴求点の言い回しによってマイナスイメージを払拭する配慮が需要拡大に向けて重要な課題となっている。
食器洗い(乾燥)機専用洗剤 2005年 52億円 2006年見込み 59億円(前年比 13%増)
食器洗い(乾燥)機の普及にともなって市場は拡大が続いている。2005年は卓上型食器洗い(乾燥)機の普及率の拡大幅は鈍化しているものの、依然として成長が続いている。成長の要因としては、食器洗い(乾燥)機および専用洗剤双方の商品力の向上により、落ちにくい・汚れのひどい食器などに食器洗い(乾燥)機を使用することで、家庭における食器洗い(乾燥)機の使用回数が増加傾向にあることが挙げられる。
2006年には花王が新ブランド「食器洗い機専用ファミリーキュキュット」を投入、エステー化学やライオンも新製品を投入している。2005年以降洗浄力プラスアルファの機能(食器の仕上がり感、洗浄機内の洗浄、香など)を訴求した商品が急増しており、付加機能がどこまで消費者に受け入れられるかが注目される。
大人用紙おむつ 2005年 628億円 2006年予測 658億円(前年比 5%増)
高齢社会の進行により、家庭での介護が増加傾向にあることから、市場は単価の低下が進んだ2001年を除くと拡大傾向が続いている。商品面では、パンツタイプの台頭による単価アップや、比較的軽度の被介護者を対象とした尿取りパッドの台頭が市場拡大の要因として挙げられる。商品面の課題としては、いずれのタイプにおいても、尿漏れの防止が課題となっており、吸収力の強化や形状の改良により尿漏れ防止を図っていく方向にある。その他の課題として、店頭での商品選択の難しさ、情報不足による誤った使い方をするユーザー(介護者)が多い事から、店舗スタッフの教育などを通じ、店頭員/顧客双方に対する商品情報の提供を積極的に行う必要がある。
ダニ・不快害虫用殺虫剤 2005年 84億円 2006年見込み 86億円(前年比 2%増)
アリ・不快害虫用はおおむね堅調に推移してきた一方で、ダニ用殺虫剤の需要低迷により市場は縮小傾向が続いてきた。しかし、2003年にダニ用殺虫剤がアレルギーに対する関心の高まりを背景に注目されたことから市場は拡大に転じた。2004年は、ダニ用殺虫剤が2003年の反動により再び実績縮小に転じた影響で市場全体も縮小となった。2005年はダニ用殺虫剤が微増に転じたことに加え、アリ用殺虫剤が不快害虫用殺虫剤参入メーカーの積極的な販売展開により市場は拡大した。アリ・不快害虫用殺虫剤については、双方ともに潜在需要の高いマーケットと言えるが、広告宣伝活動を行うメーカー/ブランドが限定されており認知度が高いとはいえないことから、積極的な広告宣伝活動による認知度の向上が重要となっている。
<調査期間>
2006年6月~7月
<調査方法>
弊社専門調査員によるトイレタリー企業約120社の面接および電話取材と関係公表資料を参考に集計・分析した。マーケットスケールの算出は経済産業省「石鹸・洗剤等の生産・販売実績」「化粧品出荷実績」等をベースとした。
<調査対象>
キッチン
台所用洗剤、キッチンクリーナー、クレンザー、パイプクリーナー、家庭用排水口洗浄剤、ペーパータオル、クッキングペーパー、ラッピングフィルム、食品保存用品、レンジ・オーブンシート、家庭用手袋、食用油処理剤、水切り袋、冷蔵庫用脱臭剤、除菌剤、食器洗い(乾燥)機専用洗剤、米びつ用防虫剤
アウトドア
使い捨てカイロ
殺虫剤
ハエ・蚊用殺虫剤、ゴキブリ用殺虫剤、ダニ・不快害虫用殺虫剤、燻煙・燻蒸剤
サニタリー
生理用品、パンティライナー、軽失禁ライナー・パッド、ベビー用紙おむつ、大人用紙おむつ、綿棒、家庭用マスク、ティシュペーパー
以上
資料タイトル:「トイレタリーグッヅマーケティング要覧2006 No.3」
体 裁 :A4判 223頁
価 格 :100,000円(税込み105,000円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第二事業部
TEL:03-3664-5831 (代) FAX:03-3661-9778
発 行 所 :株式会社 富士経済
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