日本光電、心カテデータ統合管理システムと連携した臨床用ポリグラフシステムを発売
日本光電 臨床用ポリグラフシステム
Cardio Masterを新発売
医用電子機器メーカの日本光電(荻野和郎社長 新宿区西落合1-31-4)は、この度、臨床用ポリグラフシステムCardio Master(型名RMC-4000)の販売を開始しました。
臨床用ポリグラフシステムは心臓カテーテル術(*1)を行う際の精密検査に使用されます。
従来、虚血性心疾患の検査、治療が大部分を占めていた心臓カテーテル術は不整脈疾患の検査、治療にも幅を広げており、その検査、診断に使用される臨床用ポリグラフシステムの活用範囲は一層広がりかつ重要性を増すようになりました。
新Cardio Masterは心カテデータ統合管理システム Cath-Pro(型名QP-440G)との連携により、波形解析やデータ入力をリアルタイムかつスピーディーに実行できる等、病院のIT化に本格的に対応できる他、使い勝手を格段に向上させ、医療スタッフの業務の効率化に大きく貢献します。
新Cardio Masterの主な特長は下記のとおりです。
1.心カテデータ統合管理システムCath-Proとの連携
Cardio MasterとCath-Proとは患者属性、血行動態データ等の連携をリアルタイムで行います。
また、実施手技や使用材料、薬剤のリアルタイム入力により、レポート作成の他、物流や請求業務を効率化することが可能となり、心臓カテーテル術のワークフローの改善に貢献します。
これらにより、現在急速に進んでいる病院のIT化へも幅広い対応が可能となりました。
2.波形・データ表示レイアウトの一新
精細な波形描画を目指し、従来機種に比べて表示エリアを83%向上させました。
また、従来固定であった波形表示ウインドウは、簡単なマウス操作により拡大、縮小、表示位置の変更が可能となり、スタッフの視認性を高め、疾患部位の確認、特定をより容易に行うことも可能となりました。
3.操作性の向上
Cardio Masterのより高度化した機能を十分発揮できるよう、データ入力用キーボードには、使い勝手に優れ、医療用としての信頼性・安全性に優れる当社独自のフルキーボードを採用しました。これにより、重要性を増したコメント入力も容易に行うことができるようになりました。
また、測定部位の登録がワンボタンで可能な専用キーボードには、操作感のあるタクトタイプのキー(*2)を採用し、操作性の向上を実現しました。
4.EP標準の操作性と波形描画を実現
Cardio Master は永年培ってきた虚血性心疾患検査システムの機能に加え、EPシステム(*3)としての機能強化により、EPSやカテーテルアブレーション療法の実施を強力に支援します。
Cardio Masterは構成品の選択により、使用目的や運用に適合した仕様を構成することが可能です。国内の心臓カテーテル術実施施設を対象に、今後3年間で400台以上(推定シェア約70%以上)の販売を見込んでいます。
以 上
○用語説明
(*1)心臓カテーテル術
心臓疾患のあるまたは疑いのある患者様に対し、カテーテルと呼ばれる非常に細い管を足または手などの血管から心臓内に挿入して、検査または治療を行う手技の総称です。
対象となる疾患には心臓の筋肉に動力源となる血液を供給する血管の詰まりを主な原因とする「虚血性心疾患」の他、心臓の拍動が異常となる「不整脈」、「先天性心疾患」等があり、急速な技術の進歩により症例数は急速に増加しています。
(*2)タクトキー
タクトキーはキーを押した時に適度なストロークと抵抗があり、使い手に「押した感触をしっかりと伝える」ことが出来ることから、良好な操作感を持つために、操作性を重視する装置に採用が広がっています。
(*3)EPシステム
不整脈のうちの特に頻脈の検査および治療に必要となる装置で、最初からその使用目的で設計されたシステムを呼びます。
従来の虚血性心疾患を対象とした心臓カテーテル検査で使用されるポリグラフとは測定チャネル数や機能、操作性が異なるため「EPシステム」と呼んでいます。
EP=Electro Physiological (Study)=電気生理学的検査