凸版印刷、ICタグ用マルチアンテナR/Wシステムを開発
ICタグ用マルチアンテナR/Wシステムを開発
~最大16台の多様なアンテナ接続でフレキシブルにシステムを構築可能~
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、以下凸版印刷)は、最大16台のアンテナを1つの制御部で切り替え制御できるICタグ用マルチアンテナR/W(リーダライタ)システムを開発しました。
今回開発したマルチアンテナR/WシステムはISO15693に対応しており、アンテナと回路からなるアンテナ部と制御部を多様な形態で接続できます。異なる種類のアンテナを最大16台同時に使用可能で、多くの読み取りポイント設置が必要な生産管理や物品管理に適したシステムを柔軟に構成できます。
従来アナログ方式を利用していた制御部―アンテナ部間のデータ伝送方式にデジタル方式を採用しましたことで、これまでにない多様でフレキシブルなシステム構成が初めて可能になりました。アナログ方式からデジタル方式への変更は、株式会社リコー製のRFID用チップセットを採用することで実現しました。
<背景とねらい>
製造業務や物流業務で作業ライン・作業什器に多数の読取ポイントを設置し、ICタグを利用して作業の可視化や効率化を図るニーズが急増しています。しかし、従来のISO15693対応のICタグ用リーダライタは、制御部1台に対してアンテナ1台のタイプ、または制御部/アンテナ一体型が一般的でした。また、制御部1台に対して複数のアンテナが接続可能なタイプでも、接続形態、接続ケーブルの長さ、アンテナの種類などに制約があり、用途は限られていました。更に、従来のアナログ方式によるシステムでは、多くの台数の制御部や制御用PCが必要であったり、そのためそれぞれに種類の異なるリーダライタが必要になったりなど、ユーザーの導入負担が大きいという課題がありました。
これらに対し、凸版印刷のマルチアンテナR/Wシステムを採用することで、導入負担を大幅に軽減し、手軽に低コストでIC タグを活用した工程管理、作業管理などのシステムを構築できるようになります。
<マルチアンテナR/Wの特長>
・1台の制御部に対して、最大16台のアンテナを接続可能
・制御部とアンテナ部の接続形態は、従来主流であった「スター型」に加え「デイジーチェーン型」、およびこれら2タイプを組み合わせた形もサポート
・制御部とアンテナ部をケーブルで接続した場合、最大50m離れても動作
※ 接続距離は当社環境による測定です。環境により距離が短くなる場合もあります。
・大きさや出力等の異なる複数種類のアンテナを、ひとつの制御部で安定的に駆動
・アンテナ部にLED、ブザー等の付加デバイスを組み込み、制御部からこれらのデバイスを制御することが可能
・接続部を介して制御部から電源を供給可能なため、アンテナ部は外部電源が不要
<今後の予定>
・現在サンプル版のシステムを開発済みで、アンテナ部については下記の3タイ
プを試作しています。
(すべて参考値)
・Sサイズアンテナ 最大読取可能距離 8cm程度
・Mサイズアンテナ 最大読取可能距離 15cm程度
・Lサイズアンテナ 最大読取可能距離 30cm程度
※ 読取可能距離は当社環境による測定です。環境により読取距離が短くなる場合もあります。
・ユーザー、SIベンダー等に提案し、具体的な製品化を進めます。
・「第8回自動認識総合展」(2006年9月13~15日、東京ビックサイト西ホール)凸版印刷ブースにて、参考出品展示を予定しています。
以 上