アナログ・デバイセズ、携帯型医用超音波診断装置向けアナログ・フロントエンドを発売
アナログ・デバイセズ、携帯型医用超音波診断装置向け
アナログ・フロントエンド「ＡＤ９２７１」を発表
高品質の画像処理と、部品点数と消費電力の低減を実現
する最新の超音波ソリューション
アナログ・デバイセズ社（ニューヨーク証券取引所：ＡＤＩ）は、携帯型医用超音波診断装置向けに、高品質の画像処理をサポートし、部品点数と消費電力を低減するアナログ・フロントエンド（ＡＦＥ）「ＡＤ９２７１」を本日発表します。
超音波診断は、診療所や、救急車、そして遠隔地などでも広く使われるようになってきました。しかし、携帯型の超音波診断装置では、画質を犠牲にせざるをえず、その結果、画像診断にも限界が生じていました。このたび、ＡＤＩが開発した新しいイメージング・ＡＦＥ・チップ「ＡＤ９２７１」は、装置の携帯性を維持しつつ、従来のような画質とのトレードオフを大幅に低減します。データ・コンバージョン技術のリーディング・プロバイダであるＡＤＩは、医用画像機器メーカーからも、先進的で戦略的な製品のサプライヤとして高く評価されています。
ＡＤ９２７１は、ＡＤＩのリーダーシップをさらに拡大する最新ソリューションです。
ＡＤ９２７１は、超音波信号受信回路系の８ｃｈ（オクタル）の回路をシングル・チップに集積し、従来のマルチチップ・ディスクリート・ソリューションに代わるアナログ・フロントエンド（ＡＦＥ）です。すなわち、受信系の回路に必要なローノイズアンプ（ＬＮＡ）、可変ゲインアンプ（ＶＧＡ）、アンチエイリアシング（折り返し誤差防止）・フィルタ（ＡＡＦ）、そして１２ビットＡ／Ｄコンバータ（ＡＤＣ）を組み合わせシングル・チップに置き換えます。また、それにより面倒な各回路間の配線の検討を省くと同時にパッケージに必要となるスペースを大幅に節約できます。
また、これまで実現できなかった高集積化により、医用機器設計者は、医用現場で求められるノイズ・レベルをはじめとする厳しい性能仕様を満たすと同時に、携帯型超音波診断装置におけるシグナル・パスのサイズを５０％も縮小し、消費電力を２５％低減できます。
ＡＤ９２７１について
新しいＡＤ９２７１は、医用イメージング市場を主要ターゲットに、低消費電力、小型、および利便性を重視して開発されました。アナログ・フロントエンドの付いたＡＤＣである ＡＤ９２７１は、１０ＭＳＰＳから５０ＭＳＰＳで動作します。バッテリと電源容量を増大することなく、チャンネル数を増やすことができ、チャンネル当たりの消費電力も、競合ソリューションに比べ２５％も少ないわずか１１５ｍＷから１７５ｍＷです。ＡＤ９２７１は、最新のＣＭＯＳプロセスで製造され、内蔵のクロスポイント・スイッチにより、連続波（ＣＷ）ドップラー・モードで、複数のマルチチャンネル設定オプションができます。個々の設定ごとにパワー・ダウン・モードにできるので、バッテリの寿命を延ばすことが可能です。ＡＤ９２７１の特長は各チャンネルに、３０ｄＢの可変ゲイン範囲と７０ｄＢのＳ／Ｎ比のＡＤＣを内蔵し、従来はディスクリート・ソリューションでしか実現されなかった性能を持っていることです。
ＡＤ９２７１には、プログラマブル・クロック、データ・アライメントやデジタル・テスト・パターン発生機能などを内蔵しているので、設計における柔軟性を最大化し、システム・コストを最小化するのに非常に役に立ちます。
ＡＤ９２７１は、連続波 （ＣＷ）ドップラー超音波システム向けに最適な位相シフター付きクワッド・プログラマブルＩ＆Ｑ復調器「ＡＤ８３３９」と、インターフェースできるように設計されています。ＡＤ９２７１は、ＡＤＩの「ＡＤ７９８０」、「ＡＤ９７０４」、「ＡＤＶ２１２」、そして「ＡＤＲ５１０」等と一緒に、現在、多くのＩＣメーカーが提供しているソリューションの中でも、最も広範囲な医用イメージングや超音波市場向け製品をサポ－トします。
供給と価格について
集積ＡＦＥ付きＡＤＣ 「ＡＤ９２７１」は、現在サンプル出荷中で、量産出荷は２００７年５月の予定です。単価は、１，０００個受注時で、スピードのグレードに応じて、４０ドルから７２ドルです。（価格は米国における参考価格です）Ｐｂ（鉛）フリーの１４ｍｍ × １４ｍｍ、１００ピンＴＱＦＰ（薄型クワド・フラット・パック）パッケージで供給しています。サンプル・ユニットを現在供給中です。
詳細情報については、ウェブサイト http://www.analog.com/pr/AD9271 をご覧下さい。
アナログ・デバイセズ社高速信号処理担当ヴァイス・プレジデント、ジョン・ハッシー （Ｊｏｈｎ Ｈｕｓｓｅｙ） は、次のように述べています。「ＡＤＩの信号処理技術は、医用イメージングの進歩を支えてきました。当社の技術者は、マルチスライスＣＴからデジタルＸ線まで様々なシステムレベルでの理解により、医用電子機器設計者が直面する課題の解決を支援しています。今回発表する新しいイメージング・チップ『ＡＤ９２７１』は、当社が携帯型医用電子機器アプリケーション向け製品の開発に注力していることを示す最新の製品です」
アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ（ＡＤＩ）は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。
ＡＤＩは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国６０，０００社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、４０年以上の歴史を誇るＡＤＩは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約８，９００人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており（ティッカ－：ＡＤＩ）、ＡＤＩはＳ＆Ｐ ５００インデックスに挙げられています。
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