東芝松下ディスプレイテクノロジー、薄型TVなど向け21型有機ELディスプレーを開発
21型有機ELディスプレイの開発
-低温ポリシリコンを用いた高分子タイプ有機ELとしては世界最大画面を実現-
東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社(社長:藤田勝治)は、次世代薄型TV、モニターの実現に向けた21型低温ポリシリコン有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイを開発しました。
本開発品は、有機EL材料の均一な塗布技術の開発や、電極や有機材料の組合わせの最適化などによって、低温ポリシリコンを用いた高分子タイプ有機ELとしては世界最大画面を実現したものです。
当社では、かねてより低温ポリシリコン技術と有機EL技術の開発に注力し、2002年4月当時有機ELディスプレイでは最大となる17型ディスプレイを始め、携帯電話、小型モバイル機器に最適な2型~3.5型有機ELディスプレイを開発、3.5型については量産を行ってまいりました。
有機ELディスプレイは、ガラス基板上に形成した微細な有機EL層を自発光させて画像を表示するため、画面上の早い動きでも映像が流れない、高コントラストで鮮明な画像を実現するものです。また、広視野角であるとともに、バックライト等の周辺部材が不要なため薄型、省資源が可能で環境に優しいという特長を有しています。
今回開発した21型有機ELディスプレイは、当社が従来から培った低温ポリシリコンの技術とともに、大型化に有利な塗布型プロセスを用いて作成しました。そしてRGB3色発光層には高分子の有機EL材料を用い、インクジェット方式による塗り分けプロセスを採用しました。これにより、21型という大画面が実現でき、従来、小型が中心である有機ELディスプレイの製品応用範囲の拡大を可能にするものです。
また、上面発光構造採用と合わせて、新規にナノテクレベルでの光取り出し構造を各画素内に付加し、発光層からの光を外部に取り出す効率を改善しました。これにより、高輝度化、低消費電力化を実現しています。
本開発品は、4月11日から13日まで、東京ビックサイトで開催される第3回ディスプレイ2007の東芝松下ディスプレイテクノロジー ブースにて展示を予定しています。
項 目:開発品の仕様
画面サイズ:対角 52.8cm/20.8型
画素数:1280(横) × RGB × 768(縦)/WXGA
表示色:1678万色
その他:上面発光構造
※本開発研究の一部は(財)光産業技術振興協会が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託したプロジェクト「高効率有機デバイスの開発事業」に関するものです。