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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'05.19.Sun
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2006'12.29.Fri

ロールス・ロイス、超耐熱合金を物質・材料研究機構と共同研究


 民間航空、防衛航空、船舶、エネルギー各分野の世界市場において事業展開するロールス・ロイス社(本社:英国ロンドン、CEO:サー・ジョン・ローズ、以下「ロールス・ロイス」)および独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS、茨城県つくば市、理事長:岸輝雄)は、ガスタービンエンジン向け超耐熱合金の共同研究を行う複数年契約に合意したと本日発表しました。

 この契約に基づき、ロールス・ロイス航空宇宙材料センター(以下「材料センター」)が茨城県つくば市のNIMS千現地区内に開設され、開所式に続き東京都内で記者会見およびレセプションが行われました。

 超耐熱合金の共同研究は、主にガスタービン内の最高温部で使用される素材に関するものです。この素材の耐熱性を向上させることにより燃費も向上、その結果、二酸化炭素の排出量が減少するため、性能と環境の両面において有益な結果をもたらすことになります。

 耐熱温度の僅かな向上でも非常に大きな燃費の向上につながります。向こう5年間の契約期間にロールス・ロイスが行う投資はこうした目標に向かって用いられ、航空機用エンジンの二酸化炭素排出量を目標値まで削減することで地球規模の環境問題に寄与する道への第一歩となることが期待されます。

 材料センターのコーディネーターを務めるのは、NIMSの超耐熱材料センター長の原田広史博士およびロールス・ロイス材料担当のチーフテクノロジストのマイク・ヒックス博士です。ロールス・ロイスが世界各地に設立した大学技術センター(UTC)では様々な技術分野におけるプロジェクトが進行していますが、材料センターのプロジェクトも同様に進められていく予定です。

 この共同研究は、ロールス・ロイスにとって、日本で初めて行う科学研究プログラムへの資金協力ですが、ロールス・ロイスと日本との関わりは長く緊密なものです。1963年の東京事務所開設以来、実に45年の間、製品開発や供給調整において、また、民間航空、防衛航空、船舶、エネルギーの各分野の市場において密接な関係を築いてきました。

 ロールス・ロイスは、NIMSとも過去15年に渡り意見交換を通して良好な関係を築いてきました。その間、両社は既存のUTC共同研究にも取り組んできましたが、今後も引き続いてタービン翼板合金(blade alloys)に関する物理学で高名な英国ケンブリッジ大学、材料の可鍛性研究を行う英国バーミンガム大学、コーティング材開発専門の英国クランフィールド大学などと共同研究を行う予定です。

 ロールス・ロイスの研究・技術部門ディレクターであり、本日つくば市での材料センター開所式典に列席したリチャード・パーカーは次のように述べています。「今回の世界レベルの共同研究モデルは、市場へのより迅速な技術提供を可能にします。我々は全大陸をつなぐ強力な研究ネットワークを有しています。今回の契約は超合金開発に向けた極めて重要な第一歩であり、将来の環境および市場競争面における高い地位を築き上げることに寄与することと信じています。」また、続けて「素材は極めて重要な要素であり、今回の研究はとても意義深いプログラムです。NIMSは高品質な単結晶超合金の開発において輝かしい業績をもっており、前世代の素材においても群を抜いていました。第6世代のニッケル基超合金、さらには温度の段階的変化に対応する前例のない新型合金の開発にも共同で着手していきたいと思っています。」と述べました。

 また、NIMSの岸輝雄理事長は次のように述べました。「この事業は2つの点において非常に重要な意味合いをもっています。まず、この研究の成果がガスタービン製造に効果的に生かされること。そして、これが外資企業との初の共同事業例となることです。さらに付け加えるならば、この事業は、1956年にNIMSの前身である金属材料技術研究所(NRIM)が創設されてから50年目にあたる記念すべき年であり、NIMSにとって画期的なイベントとして、非常に喜ばしいことと思っています。」

 契約の一環として、ある材料特性をターゲットとして、高温においての金属疲労の改善やクリープの向上に迫る素材の開発に既に着手しています。


[ご参考]

1. 2001年4月、金属材料技術研究所と無機材質研究所を統合し、独立行政法人物質・材料研究機構が発足。物質・材料科学技術に関する基礎研究および基盤的研究開発等の業務を総合的に行うことにより、物質・材料科学の水準の向上を図ることをミッションとしている。現在、第2期の中期計画がスタート、「ナノテクノロジーを活用した新物質・新材料の創成」および「社会ニーズに対応した材料の高度化」を重点研究開発領域とし、6つの研究分野を設定、20センターを設置し、研究を推進している。

2. ロールス・ロイスは、陸・海・空において機械の動力ソリューションを提供する世界のリーディングカンパニーである。民間航空、防衛航空、船舶、そしてエネルギーという4つの市場に進出している。各分野の革新的技術とその可能性に迫り、投資をすることによって、それぞれの事業の基盤となる高いレベルの製品を作り上げている。原動力を必要とする市場の次世代を見据え、それを実現するプログラムを重ねることにより、ガスタービンの製造・販売業界での高い地位を構築している。

3. ロールス・ロイスのお客様は、600の航空会社、4,000名の民間航空機やヘリコプターの操縦士、160の軍隊、70の海軍・沿岸警備隊を含む2,000名以上もの海洋関係顧客、そして120カ国にまたがるエネルギー産業に関わる企業など世界中に、多岐に渡る。ロールス・ロイスは36,000名もの従業員と、50カ国に構えるオフィスや製造・サービス施設で成り立っており、年間総売上額は66億英ポンド(約1兆3,500万円)*。その54%はアフターサポートサービスによる収益だ。受注数は確定ベースで25億英ポンド分(約5千億円)に相当する。
*1ポンド=205円で換算

4. ロールス・ロイスは長期事業が主体となっており、長期的な計画性を重要視している。「ビジョン」技術計画では、次世代製品にその時代の最先端技術を適用し、性能、信頼、ライフサイクル・コストの面で市場をリードできるようデザインされている。首尾一貫し製品を第一に考えている研究開発戦略は、民間・防衛航空、船舶、ならびにエネルギーの各市場において活かされている。

5. 1990年以来、ロールス・ロイスは大学技術センター(UTC)と、素材、騒音、可燃性、電気システム、製造技術など多岐にわたる最新テクノロジーに特化した世界的ネットワークを形成している。当初は英国国内のみであったが、その後、ドイツ、スウェーデン、イタリア、そして米国にまで広がり、現在その数は26箇所におよぶ。UTCとの取り組みの目的は、発明や新技術など長期的な研究成果のビジネスへの導入、学術的パートナーへの産業課題提起、そして熟練したエンジニアの育成を通して科学的創造の場をグローバルに持続させることである。

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