日本TI、通信・画像処理アプリケーションなど向けDSP「C6454」を発表
日本TI、DSP新製品『TMS320C6454』を発表、即日量産開始
低価格で、メモリ・I/O帯域幅を現行品の2倍に
~高性能『TMS320C64x(TM)』DSPプラットフォームの新製品、ハイエンドモデルへの移行を安価に、確実に実現~
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、DSP新製品、『TMS320C6454』(以下『C6454』)を発表しました。対象アプリケーションは通信、映像および画像処理アプリケーションなどです。
新製品『C6454』DSPは、『TMS320C64x+(TM)』DSPコアとTIの最高性能DSPアーキテクチャをベースに、1GHz(ギガヘルツ)動作の高性能ながら、優れたコスト効率を実現しました。現行製品である『TMS320C6414/C6415/C6416』(以下『C641x』)DSPと比較して、メモリおよびI/Oの帯域幅をそれぞれ2倍とし、高い処理性能と十分なメモリ容量を要求する次世代のシステムに向けて、多くの機能を手頃な価格で提供します。
詳細については、TIのホームページ( http://www.ti.com/c6454pr 英文)をご参照ください。
■新製品『C6454』DSPの主な特長
・現行製品『TMS320C6415』DSPと同等の価格帯でありながら、現行製品『C641x』の2倍のメモリおよびI/O帯域幅、さらに、ギガビット・イーサネット、66MHz PCIに対応
・上位品種『C6455』DSPと同等の高性能で、価格は25パーセント減
・『C64x+』DSPコアを採用:サイクル効率は20パーセント向上、コード長は20-30パーセント削減、『TMS320C64x+(TM)』DSP製品群と100パーセントのコード互換性を確保
・『C641x』と同様の1Mバイトの内部L2メモリを搭載
【 現行製品からの乗り換え用途に最適の新製品 】
新製品『C6454』DSPの対象アプリケーションは、マシン・ビジョン、医療用画像診断システム、各種通信・放送インフラ関連機器、およびデジタル・ビデオ製品です。また、TIの現行製品を使っている場合、設計ニーズに応じて容易に乗り換えができる利点があります。
『C6454』DSPは、現行製品『C641x』DSPとの完全なコード互換性を確保し、より性能を強化しています。設計者が現在『C641x』DSPを使用している場合、ソフトウェア・エンジニアリングへの追加投資をせずに、『C6454』DSPに移行できます。
また、『C6454』DSPは最新の『C64x+』コアを採用しているため、8,000 MMACs(100万積和演算/秒)の演算性能と、『C64+』コアの4倍のEDMA (エンハンスト・ダイレクト・メモリ・アクセス) スループットを達成しています。さらに『C641x』DSPと同程度の価格でありながら、ギガビット・イーサネット、拡張DDR2外部メモリ、および『C641x』DSP の2倍の1次プログラム/データ・キャッシュを搭載しています。
【 ハイエンド製品をさらに拡充 】
TIの高性能『TMS320C64x(TM)』ファミリの最新製品となる新製品『C6454』は、これまで『C641x』DSPを用いながら、価格を上げずにさまざまなペリフェラルを使いたい、さらに性能を向上させたい、という設計者にとって、最適の選択肢となります。TIの最新のDSPコアである『C64x+(TM)』コアを採用しながら普及品なみの価格に抑え、システムコストを上げないよう、コード長を20-30パーセント程度削減しています。また、頻繁に行なわれるFFT、FIR、DCTのための専用命令を備えることで、サイクル効率を20パーセント向上しました。高速ペリフェラルにはギガビット・イーサネットMACと66MHz PCIを採用し、ビデオ・インフラストラクチャ、通信、ビデオ映像処理など、通信事業者のブロードバンド・インターネット接続ニーズに対応します。
【 ピーク・パフォーマンス重視の手頃な代替品 】
『C6454』DSPは、現在量産中の『C6455』DSPと並ぶ高い処理性能を備えつつ、各種ペリフェラル(SRIOバス、UTOPIA、コ・プロセッサなど)やオンチップL2メモリ容量を削減することにより、コスト効率を高めた製品です。『C64x』 DSPプラットフォームの高い性能を求めつつ、SRIOバスによるマルチプロセッサ構成の必要が無い設計であれば、『C6454』DSPは価格性能比に優れた選択肢となります。
両製品は完全なピン互換性を確保しており、『C6455』DSPから『C6454』DSPへの移行にあたっては、ハードウェアの再設計作業が最低限で済むという利点もあります。
【 開発を容易にするハードウェア/ソフトウェア・ツール 】
『C6454』DSPを使用したシステム開発向けには、今年度初頭に発表され既に量産を開始している『C6455』評価モジュール(EVM)と『C6455』スタータ・キット(DSK)を使用できます。これらのパワフルなツールは、ソフトウェア、ハードウェアの双方をカバーする包括的な開発プラットフォームであり、オンボードのJTAGエミュレーション機能によってすぐにコード開発に着手することが可能です。『C6455』評価モジュール(EVM)とスタータ・キット(DSK)は、『Code Composer Studio(TM) Platinum』統合開発環境(IDE)と、『DSP/BIOS(TM)』カーネル・サポートを提供するため、顧客はより高次の抽象レベルで開発に着手できます。開発者はまた、業界最大のサードパーティのネットワークによるアルゴリズムと追加ツールを活用することで、より優れたアプリケーション開発への迅速な着手が可能です。
【 価格と供給について 】
新製品『C6454』DSP(720MHz動作)の参考価格は、10,000個受注時の単価が94ドルです。日本TIおよび販売特約店から販売します。パッケージは24 × 24mm、697リードBGA(ボールグリッドアレイ)で供給されます。
『C6455』評価モジュール(EVM)とスタータ・キット(DSK)は、日本TIおよび販売特約店から、それぞれ226,170円、62,790円(いずれも参考価格、税込み)で販売しています。詳細については、TIのホームページ(http://www.ti.com 英文)をご参照ください。
※『TMS320C6000』、『TMS320C64x』、『TMS320C641x』、『C64x』、『C641x』、『Code Composer Studio』および『DSP/BIOS』はテキサス・インスツルメンツの商標です。その他すべての商標および登録商標は、それぞれの権利者に帰属します。
※本文中の価格表記はいずれも参考価格です。
【 テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて 】
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、CEO:リッチ・テンプルトン、略称: TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、E&PS(教育関連)事業を展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。
TIに関する情報はインターネットでも発信しています。(http://www.tij.co.jp)
以 上