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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.25.Mon
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2007'06.06.Wed

花王、高野山・熊野地方を代表する自然の香りを分析

大量濃縮法を開発し、高野山・熊野地方を代表する自然の香りを分析 

■コウヤマキ・トガサワラの爽快な香りは、ライムと同じ柑橘香成分が重要
■熊野古道の深い森の香りは、針葉樹が発する清涼な香り成分が重要 
 

 花王株式会社(社長・尾崎元規)香料開発研究所は、和歌山県環境衛生研究センターと共同で、和歌山県高野山・熊野地方(注1,2)を代表する自然の香りを分析しました。
 その結果、この地方を代表する樹木「コウヤマキ(高野槙)」「トガサワラ(栂椹)」(注3,4)が発する爽快な香りのキーとなる成分として、「ライムにも含まれる柑橘系の香り成分」が重要なことを明らかにしました。また、世界遺産に指定された「熊野古道」の深い森の香りのキーとなる成分として、「針葉樹が発する清涼な香り成分」が重要なことを初めて確認しました。
 今回の検討では、空気中に漂う希薄な香り成分を採取・分析する手法として、「大量濃縮法」を開発しました。これにより、これまで分析が困難だった大気中の微量な香り成分の解析力が大幅に向上し、この成果が得られました。
 本研究は、創立50周年記念大会 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2006年11月10~12日、横浜)で発表しています。
 本成果は、自然の香りを訴求した商品開発に応用していきます。


■研究成果 
(1)高野六木の一つ「コウヤマキ」は、非常に爽快感の高い香りがすることが知られています。この香りのキーとなる成分として、「ライムにも含まれる柑橘系の香り成分*1」、「深みのあるグリーンな香り成分*2」を見出しました。

(2)紀伊半島の希少な樹木「トガサワラ」は、爽快感と薬効感のある香りで知られています。この香りのキーとなる成分として、コウヤマキと同じ「ライムにも含まれる柑橘系の香り成分*1」、「赤ジソに含まれる薬効感のある香り成分*3」を見出しました。

(3)「熊野古道」の深い森の香りには、針葉樹の香りが森の香り形成に重要な役割を果たしていることを初めて確認しました。これまで森の香りとして成分が確認されていたのは、主に草花が発する「薬効感のあるモノテルペン類*4」だけでしたが、針葉樹が発する「清涼感の強いセスキテルペン類*5」が新たに確認されました。

■コウヤマキ・トガサワラ・熊野古道の、重要な香り成分
 (※ 関連資料を参照してください。)

■研究の背景 
 嗜好性や快適性、消臭などのさまざまな効果・効能をもつ香りを開発する中で、自然の香りを香料創作のヒントにすることは重要です。そこで花王では、これまで花や果実が発する香りの分析をはじめ、日本の自然を代表する屋久島や上高地などの環境中の香り解析などを継続しています。
 空気中にただよう香り成分の分析は、空気を吸引し吸着剤に香り成分をトラップして分析します。従来の香り分析方法では、大気中の水分の影響などから大気の採取量が数リットル~数十リットルが限界でした。しかし大気中の香り成分は非常に微量なため、この採取量では成分の正確な同定・定量は困難でした。そこで花王では、大型の吸着管により数百~数千リットルの大量の大気を採取できる大量濃縮法を開発しました。これにより、pptレベル(1ppt:1兆分の1。大きさでいうと、東京ドームの中の角砂糖1個分)の自然の香りの分析が可能となりました。

 今回の調査対象は、和歌山県高野町・熊野地方を対象としました。高野山・熊野地方は、香り風景指定地区として認定され、高野六木(ヒノキ、アカマツ、スギ、モミ、コウヤマキ、ツガ)や「トガサワラ」などを代表に多種の樹木が存在しています。また2004年には紀伊山地の霊場と参詣道として世界遺産にも指定されています。また高野町では、環境省が主催する「香り百選」の定期フォーラムが2004年9月に開催されました。
 以上より、和歌山県環境衛生研究センターと共同で、この地域を代表する香り分析を実施し、この地域に特徴的な樹木として「コウヤマキ」と「トガサワラ」、代表する環境として「熊野古道」の香りについて検討しました。なお「コウヤマキ」は、本年9月、悠仁親王のお印となりました。
注1)高野山:和歌山県北東部にある、千メートル前後の山に囲まれる真言宗の聖地。
注2)熊野:和歌山県西牟婁(むろ)郡から、三重県北牟婁郡にかけての地の総称。熊野三山、那智滝など名勝が多い。
注3)コウヤマキ(高野槙):高野山に多く産する。日本特産のスギ科の常緑高木。姿が美しく、庭園などにも植栽。
注4)トガサワラ(栂椹):日本特産で、紀伊半島と四国のみ分布。マツ科の常緑針葉樹。
 ( 広辞苑より )

■調査方法 
【 調査時期 】
 2004年9月(高野町)、2006年7月(熊野地区) 

【 調査場所 】
 和歌山県高野町、熊野地区(熊瀬川王子付近) 

【 試料入手 】
 コウヤマキやトガサワラの入手は、和歌山県高野町学習館、和歌山県農林水産総合技術センター林業試験所にご協力いただきました。 

【 香りの採取と分析 】
 (※ 関連資料を参照してください。)

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