2007'05.09.Wed
母になるのに最も適した国はスウェーデン
日本は『母親指標』で29位、『子ども指標』で5位に
世界的な人道支援組織セーブ・ザ・チルドレンは、母親、子どもとして最も快適に暮らしやすい国のランキングである「母親指標(Mothers’ Index)*1」を毎年発表しています。8回目となる今年は、先進18カ国を含む過去最多の140カ国の、母親と子どもの置かれている状況を調査いたしました。
今回の「母親指標」の上位3ヶ国はスウェーデン、アイスランド、ノルウェーと、相変わらず北欧が独占しています。上位にランキングされる国は、母親と子どもの健康面や教育状態、経済状態に関して、とても高い指標を達成しています。その反面、ワースト10の国(9カ国はアフリカのサハラ砂漠以南)は、全てにおいて非常に低い指標を示しています。「母親指標」下位の国における、母親と子どもの健康状態は非常に劣悪で、平均して13人の母親のうち1人は妊娠に関連した要因で死亡しています。ほぼ5人に1人の子どもは5歳の誕生日を迎えることができず、3人に1人の子どもは栄養失調に苦しみ、人口の約50%は生活していく上で必要不可欠である安全な水ですら、まともに手に入れることができないという困難な状況に置かれています。
一方、日本のランキングは、140カ国中「母親指標(総合)」で29位、「女性指標(Women’s Index)*2」で33位、「子ども指標(Children’s Index)*3」で5位となっています。衛生面や母子手帳の充実などをはじめ、5歳以下の子どもの死亡率の低さにより「子ども指標」では上位にランキングされる反面、国政レベルでの女性議員数の少なさなど「女性指標」は33位と他の欧米諸国に比べ低いランキングになっています。この二つの指標を元に評価される「母親指標」では29位と、日本にとって考えさせられる調査となっています。
<上位にランキングされる国と日本比較(2007年度)>
母親指標(総合)
1位 スウェーデン
2位 アイスランド
3位 ノルウェー
4位 ニュージーランド
5位 オーストラリア
29位 日本
女性指標
1位 スウェーデン
2位 アイスランド
3位 ニュージーランド
4位 オーストラリア
5位 ノルウェー
33位 日本
子ども指標
1位 イタリア
2位 アイスランド
3位 ドイツ
4位 スウェーデン
5位 日本
5位 マルタ
<2007年度「母親指標」概要>
「母親指標」のトップであるスウェーデンと最下位であるニジェールを比べると、妊婦と子どもの健康に関する公共サービスの利用できる度合いには非常に差があります。スウェーデンでは、すべての出生児1名につき1名の熟練した医療従事者がいる割合になる一方で、ニジェールでは出生児全体の
16%しか出生時に適切な措置が取られていない状況です。また、一般的なスウェーデンの女性は、
17年間の公教育を受け、平均寿命は83歳、72%は近代的な避妊法を用い、子どもは5歳を迎えるまでに、250人に1人しか死亡しません。一方、ニジェールでは、一般的な女性は3年以下しか教育を受けられず、平均寿命は45歳、4%の女性しか近代的な避妊法を用いず、子どもは5歳を迎えるまでに4人に1人は死亡します。この死亡率では、1人の母親が2人の子どもの死に苦しむことになります。
「子ども指標」における健康な子どもの割合はイタリアがトップであり、アフガニスタンとニジェールが最下位です。ほぼ全てのイタリアの子どもは男女の区別なく良い健康状態にあり、適切な教育をうけている一方で、アフガニスタンの子どもの4人に1人は5歳になるまでに、貧困や非衛生的な環境、適切な医療措置がとられないために志望する危険性が高いのが現状です。また、アフガニスタンとニジェールでは40%の子どもが栄養失調状態にあり、ニジェールでは小学校に通える子どもは50%以下です。アフガニスタンでは、2人の男の子に対して1人の女の子しか学校に通っていません。この2つの国では半分以上の子どもが安全な水を手に入れることができません。
世界各国どの国であっても、母親の健康状態を保つために様々な投資をすることはただ正しいというだけでなく、非常に賢明なことだといえます。母親たちに対して、自分自身や子どもの生活の質を改善するために必要な、基本的な知識や道具を持つことを支援することは、次の世代の未来を改善していくことにつながります。母親たちが健康になれば、子どもたちも健康になり、最終的に社会が恩恵を受けるのです。
■貧困にあえぐ国々の現状■
□アンゴラ・マラウィ・ニジェールでは妊娠期や出産時に7人に1人の女性が死にます。この数値は、ア
フガニスタンやシエラレオネでは6人に1人になります。
□アンゴラ・中央アフリカ・チャド・赤道ギニア共和国・リベリア・マラウィ・モザンビーク・ナイジェリア・シ
エラレオネ・ザンビア・ジンバブエでは一般的な女性の平均寿命は45歳、レソトではわずか35歳で
あり、ボツワナでは33歳です。スワジランドでは通常、女性は30歳の誕生日を迎えることはありま
せん。
□アフガニスタン・アンゴラ・ニジェール・シエラレオネでは、4人に1人の子どもが5歳の誕生日を迎え
ることができません。
□アフガニスタン・バングラデシュ・チャド・エチオピア・ネパールでは、15%以下しか出生時に熟練した
医療従事者に付き添われていません。
□ニジェールでは女性は平均3年以下しか学校に通っておらず、学校に行ける子どもは約半数です。
□アフガニスタンとパプアニューギニアでは、60%以上の人々が、安全な水の入手できません。エチオ
ピアやソマリアでは、その数は70%以上になります。
母親指標は2007年度から見直され、より精度の上がった指標で各国の開発レベルの現実に沿ったランク付けになっています。この変更により、以前はランク付けされていなかった先進国18カ国(イタリア、フランス、スペインを含む)がランキングされるようになりました。
<参考>
*1 「母親指標(Mothers’ Index)」は、以下の女性および子どもの健康の指標を下に比較されて
います。
1.妊産婦死亡のリスク
2.現代的な避妊手法の使用
3.訓練を受けた医療従事者の立会いの元での出産
4.女性の平均寿命
5.女性の公教育期間
6.男女間の給与所得の比率
7.産休・育休制度
8.女性の国家レベルでの政治への参加
9.5歳以下の子どもの死亡率
10.5歳以下の子どもの栄養不良児率
11.就学率
12.初等教育就学の男女比
13.安全な水の利用率
*2 「女性指標(Women’s Index)」は、主に上記指標の1~8を中心に比較しています。
*3 「子ども指標(Children’s Index)」は、主に上記指標の9~13を中心に比較しています。
<参考>
Media Advisory: Sate of the World Mothers 2007: Saving the Lives of Children Under 5
The State of the World’s Mothers 2007年レポートは5月8日に全世界一斉にリリースされます。今年のレポートは、簡単に予防もしくは治療できる病気などで、毎日死んでいく子どもが28,000人いること、基本的な人命救助薬がいまだに必要とする何百万人もの母親や子どもに届いていないという悲劇的な現状にフォーカスを置いています。
今回、第8回「母親指標」による母親になるのにベストな国・ワーストな国ランクに、初めて途上国60ヶ国のChild Survival Progress Rankingsが含まれています。ランキングは、5歳以下の子どもの生命を守るのに成功した国、失敗した国を指摘しています。
また、子どもの命を救うことができる低コストの解決策にも注目し、この問題の取り組みに成功した国を参考にし、効果的な解決方法を用いることにより、世界で最も貧しい国であっても不可能なものではないことを示しています。
■セーブ・ザ・チルドレンとは?
1919年設立の、国連公認のNGOです。現在、世界で28カ国のそれぞれ独立した組織が、パートナーを組み、世界最大のネットワークを活かして、110カ国以上で活動を展開しています。80年以上の活動は、世界のNGOの代表格として各国政府からもその重要性を認められています。
http://www.savechildren.or.jp/
日本は『母親指標』で29位、『子ども指標』で5位に
世界的な人道支援組織セーブ・ザ・チルドレンは、母親、子どもとして最も快適に暮らしやすい国のランキングである「母親指標(Mothers’ Index)*1」を毎年発表しています。8回目となる今年は、先進18カ国を含む過去最多の140カ国の、母親と子どもの置かれている状況を調査いたしました。
今回の「母親指標」の上位3ヶ国はスウェーデン、アイスランド、ノルウェーと、相変わらず北欧が独占しています。上位にランキングされる国は、母親と子どもの健康面や教育状態、経済状態に関して、とても高い指標を達成しています。その反面、ワースト10の国(9カ国はアフリカのサハラ砂漠以南)は、全てにおいて非常に低い指標を示しています。「母親指標」下位の国における、母親と子どもの健康状態は非常に劣悪で、平均して13人の母親のうち1人は妊娠に関連した要因で死亡しています。ほぼ5人に1人の子どもは5歳の誕生日を迎えることができず、3人に1人の子どもは栄養失調に苦しみ、人口の約50%は生活していく上で必要不可欠である安全な水ですら、まともに手に入れることができないという困難な状況に置かれています。
一方、日本のランキングは、140カ国中「母親指標(総合)」で29位、「女性指標(Women’s Index)*2」で33位、「子ども指標(Children’s Index)*3」で5位となっています。衛生面や母子手帳の充実などをはじめ、5歳以下の子どもの死亡率の低さにより「子ども指標」では上位にランキングされる反面、国政レベルでの女性議員数の少なさなど「女性指標」は33位と他の欧米諸国に比べ低いランキングになっています。この二つの指標を元に評価される「母親指標」では29位と、日本にとって考えさせられる調査となっています。
<上位にランキングされる国と日本比較(2007年度)>
母親指標(総合)
1位 スウェーデン
2位 アイスランド
3位 ノルウェー
4位 ニュージーランド
5位 オーストラリア
29位 日本
女性指標
1位 スウェーデン
2位 アイスランド
3位 ニュージーランド
4位 オーストラリア
5位 ノルウェー
33位 日本
子ども指標
1位 イタリア
2位 アイスランド
3位 ドイツ
4位 スウェーデン
5位 日本
5位 マルタ
<2007年度「母親指標」概要>
「母親指標」のトップであるスウェーデンと最下位であるニジェールを比べると、妊婦と子どもの健康に関する公共サービスの利用できる度合いには非常に差があります。スウェーデンでは、すべての出生児1名につき1名の熟練した医療従事者がいる割合になる一方で、ニジェールでは出生児全体の
16%しか出生時に適切な措置が取られていない状況です。また、一般的なスウェーデンの女性は、
17年間の公教育を受け、平均寿命は83歳、72%は近代的な避妊法を用い、子どもは5歳を迎えるまでに、250人に1人しか死亡しません。一方、ニジェールでは、一般的な女性は3年以下しか教育を受けられず、平均寿命は45歳、4%の女性しか近代的な避妊法を用いず、子どもは5歳を迎えるまでに4人に1人は死亡します。この死亡率では、1人の母親が2人の子どもの死に苦しむことになります。
「子ども指標」における健康な子どもの割合はイタリアがトップであり、アフガニスタンとニジェールが最下位です。ほぼ全てのイタリアの子どもは男女の区別なく良い健康状態にあり、適切な教育をうけている一方で、アフガニスタンの子どもの4人に1人は5歳になるまでに、貧困や非衛生的な環境、適切な医療措置がとられないために志望する危険性が高いのが現状です。また、アフガニスタンとニジェールでは40%の子どもが栄養失調状態にあり、ニジェールでは小学校に通える子どもは50%以下です。アフガニスタンでは、2人の男の子に対して1人の女の子しか学校に通っていません。この2つの国では半分以上の子どもが安全な水を手に入れることができません。
世界各国どの国であっても、母親の健康状態を保つために様々な投資をすることはただ正しいというだけでなく、非常に賢明なことだといえます。母親たちに対して、自分自身や子どもの生活の質を改善するために必要な、基本的な知識や道具を持つことを支援することは、次の世代の未来を改善していくことにつながります。母親たちが健康になれば、子どもたちも健康になり、最終的に社会が恩恵を受けるのです。
■貧困にあえぐ国々の現状■
□アンゴラ・マラウィ・ニジェールでは妊娠期や出産時に7人に1人の女性が死にます。この数値は、ア
フガニスタンやシエラレオネでは6人に1人になります。
□アンゴラ・中央アフリカ・チャド・赤道ギニア共和国・リベリア・マラウィ・モザンビーク・ナイジェリア・シ
エラレオネ・ザンビア・ジンバブエでは一般的な女性の平均寿命は45歳、レソトではわずか35歳で
あり、ボツワナでは33歳です。スワジランドでは通常、女性は30歳の誕生日を迎えることはありま
せん。
□アフガニスタン・アンゴラ・ニジェール・シエラレオネでは、4人に1人の子どもが5歳の誕生日を迎え
ることができません。
□アフガニスタン・バングラデシュ・チャド・エチオピア・ネパールでは、15%以下しか出生時に熟練した
医療従事者に付き添われていません。
□ニジェールでは女性は平均3年以下しか学校に通っておらず、学校に行ける子どもは約半数です。
□アフガニスタンとパプアニューギニアでは、60%以上の人々が、安全な水の入手できません。エチオ
ピアやソマリアでは、その数は70%以上になります。
母親指標は2007年度から見直され、より精度の上がった指標で各国の開発レベルの現実に沿ったランク付けになっています。この変更により、以前はランク付けされていなかった先進国18カ国(イタリア、フランス、スペインを含む)がランキングされるようになりました。
<参考>
*1 「母親指標(Mothers’ Index)」は、以下の女性および子どもの健康の指標を下に比較されて
います。
1.妊産婦死亡のリスク
2.現代的な避妊手法の使用
3.訓練を受けた医療従事者の立会いの元での出産
4.女性の平均寿命
5.女性の公教育期間
6.男女間の給与所得の比率
7.産休・育休制度
8.女性の国家レベルでの政治への参加
9.5歳以下の子どもの死亡率
10.5歳以下の子どもの栄養不良児率
11.就学率
12.初等教育就学の男女比
13.安全な水の利用率
*2 「女性指標(Women’s Index)」は、主に上記指標の1~8を中心に比較しています。
*3 「子ども指標(Children’s Index)」は、主に上記指標の9~13を中心に比較しています。
<参考>
Media Advisory: Sate of the World Mothers 2007: Saving the Lives of Children Under 5
The State of the World’s Mothers 2007年レポートは5月8日に全世界一斉にリリースされます。今年のレポートは、簡単に予防もしくは治療できる病気などで、毎日死んでいく子どもが28,000人いること、基本的な人命救助薬がいまだに必要とする何百万人もの母親や子どもに届いていないという悲劇的な現状にフォーカスを置いています。
今回、第8回「母親指標」による母親になるのにベストな国・ワーストな国ランクに、初めて途上国60ヶ国のChild Survival Progress Rankingsが含まれています。ランキングは、5歳以下の子どもの生命を守るのに成功した国、失敗した国を指摘しています。
また、子どもの命を救うことができる低コストの解決策にも注目し、この問題の取り組みに成功した国を参考にし、効果的な解決方法を用いることにより、世界で最も貧しい国であっても不可能なものではないことを示しています。
■セーブ・ザ・チルドレンとは?
1919年設立の、国連公認のNGOです。現在、世界で28カ国のそれぞれ独立した組織が、パートナーを組み、世界最大のネットワークを活かして、110カ国以上で活動を展開しています。80年以上の活動は、世界のNGOの代表格として各国政府からもその重要性を認められています。
http://www.savechildren.or.jp/
本件に関するお問合せ先
社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
広報・マーケティング/PR担当:葉山 久美子
TEL:03-3516-8926 FAX:03-3516-8923 Email:hayama@savechildren.or.jp
社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
広報・マーケティング/PR担当:葉山 久美子
TEL:03-3516-8926 FAX:03-3516-8923 Email:hayama@savechildren.or.jp
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