記録型DVDドライブの駆動に必要となる全機能を1パッケージに搭載したLSIの発売について
~DVD-R、DVD+Rで18倍速記録も実現~
NECエレクトロニクスは、記録型DVDドライブ向けシステムLSIシリーズ「SCOMBO」(エスコンボ)の製品ラインアップ拡充として、従来は二つのLSIに分散していた機能を1パッケージに納めることで、記録型DVDドライブを経済的に構築できるようにする新製品を開発し、「MC-10041」の名称で6月1日よりサンプル出荷を開始することにいたしました。
また、新製品は、DVD-RおよびDVD+Rという2規格において業界最高レベルとなる18倍速での記録と再生を可能とするものであります。
新製品は、(1)光ピックアップの位置制御などのアナログ処理機能、エラー訂正を始めとするデータ処理機能など、記録型DVDドライブを駆動するためのLSIに必要な機能一式を1パッケージに搭載したこと、(2)省スペースなシリアル型フラッシュメモリへの対応機能を搭載した上に、抵抗やコンデンサなど従来は外付けであった部品約30点を内蔵したことにより、経済的なシステム構築を可能としたこと、(3)データ処理部の信号処理回路を高速化し、処理能力を向上させたことで、DVD-RおよびDVD+Rにおいて18倍速での記録と再生を可能としたこと、(4)DVD-RAMを16倍速で安定して記録できる機能を搭載したこと、などを主な特長としております。
この新製品を用いると最終製品(セット)メーカーは、現行機種を用いた場合に比べて、同一機能を実現する際に必要となるLSI周辺部品点数を約80点から約50点へと約30点、基板上の占有面積を約15cm2から約10cm2へと約2/3に削減しながら、DVD-R、DVD+Rで18倍速、DVD-RAMで16倍速という現行のあらゆるDVDで最高速での記録と再生ができるスーパー・マルチドライブを短期間かつ低コストで構築することが可能となります。
新製品のサンプル価格は2千円であります。当社ではサンプル出荷の開始と同時に量産ができる体制を整えており、今年度上期中には月産300万個の規模での生産体制を実現する計画であります。
なお、当社の記録型DVD駆動用システムLSIシリーズ「SCOMBO」は、本年度下期には、業界で初めて累計1億セットの出荷を達成する見込みであります(注)。
また、新システムLSIは、パイオニア株式会社およびソニーNECオプティアーク株式会社が今後開発する記録型DVDドライブに採用される予定であります。
地上デジタル放送や衛星デジタル放送の開始など、放送サービスの多様化する近年、それらを記録するためのDVDレコーダ市場にも成長が見込まれております。また、パソコンの高性能化により、扱われるデータも大容量化するため、パソコンに搭載される記録型DVDドライブの市場にも大幅な成長が見込まれております。そして、DVDレコーダ、パソコン用DVDドライブの何れにおいても、大容量のデータを扱い易くするための記録、再生速度の高速化が強く望まれております。
一方、これらのセットにおいては激しい価格競争が展開されており、セットメーカーからは高機能な記録型DVDドライブを短期間で経済的かつ容易に構築できるようにする部品を望む声が強まっております。
NECエレクトロニクスではこのような市場の要望に対応するため、業界をリードする高速記録技術のノウハウを活用して今回の製品を発売いたしました。また、当社では、DVDドライブ開発の開発期間短縮のために、評価ボードやリファレンスソフトウエアなど、ユーザーの開発する装置に最適な各種ソリューションも新製品に併せて提供していく計画であります。
NECエレクトロニクスでは、新製品が記録型DVDドライブ開発の負荷を大幅に低減するものと考えており、今後とも積極的な開発活動を行い、現在の世界シェア約30%を拡大し、ワールドワイドのマーケットにおける記録型DVD駆動用システムLSIのNo.1サプライヤーの地位を確固たるものにする計画であります(数値は当社独自調査によるもの)。
新製品の特長と主な仕様については別紙をご参照下さい。新製品の画像データについてはhttp://www.necel.com/pressroom/index_j.htmlをご参照下さい。
以 上
(備考1) 本リリースで言及した製品名やサービス名は全て、それぞれの所有者に属する商標または登録商標。
(備考2)「SCOMBO」はNECエレクトロニクス株式会社の日本、ベネルクス、韓国および台湾における登録商標
