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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2025'03.11.Tue
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2007'02.22.Thu

ノバルティス、過剰な鉄を除去する経口鉄キレート剤「デフェラシロックス」がEUで承認取得

ノバルティス(スイス)が発表しましたリリースの日本語要約をお届けします。

輸血による鉄過剰症患者にとって画期的な新薬、ノバルティスのデフェラシロックス EUで承認を取得

●デフェラシロックスは、1日1回投与で持続的な鉄キレート作用により、全身に蓄積された過剰な鉄を除去する唯一の経口鉄キレート剤※1である。

●定期的に輸血を受けている小児および成人患者にとって、負担の重かったデスフェラールによる治療の代替として1日1回経口で服用するだけの簡便な治療法となる。

●サラセミア、鎌状赤血球貧血、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血ならびにその他の貧血症で定期的に輸血を受けている患者において、鉄過剰症による致命的な症状の出現を防ぐためには鉄キレート療法が必要である。


2006年8月30日 バーゼル―ノバルティスは、欧州委員会(EC)が欧州連合(EU)の全25加盟国において、輸血に起因する鉄過剰症の治療薬としてデフェラシロックス(海外での販売名:Exjade(R))を承認したと発表しました。この承認によりデフェラシロックスは、輸血を必要とする種々の貧血症の小児および成人患者にとって、輸血による鉄過剰症を治療するための、EUで承認された初めてかつ唯一の経口鉄キレート剤となります。
 EUでは、6歳以上の重症β-サラセミア患者で頻回の輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として承認されました。また、β-サラセミア以外の貧血患者、2歳から5歳の小児患者、および頻回ではない輸血による鉄過剰症を呈する重症βサラセミア患者において、デフェロキサミンによる治療が適切でない、あるいは十分でないと考えられる場合の慢性鉄過剰症の治療も適応となっています※1。
 サラセミア、鎌状赤血球貧血、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血ならびにその他の貧血症により定期的に輸血を受けている患者において、過剰な鉄による致命的な合併症を防ぐために、鉄キレート療法が必要となります※3。世界中で何万人もの小児および成人患者がこのような疾患に苦しんでおり、※5,※6,※8その多くは、生涯にわたって輸血と鉄キレート療法を必要とします。体内の鉄濃度が過剰になると、たんぱく質と結合しない不安定な鉄が血漿中に増え、高い毒性を示します。デフェラシロックスは、1日1回の投与で1日中効果を持続し、肝臓や心臓などの主要臓器中の過剰な鉄を体外に排泄させます。

 世界における鉄キレートの標準療法は注射用メシル酸デフェロキサミンです。しかしながら、輸血により摂取した鉄を排泄するための十分な鉄キレート効果を得るには連日の注射を要するため、βサラセミア患者さんの治療には、ポンプなどを用いて1晩当たり8~12時間、1週間当たり5~7日のデフェロキサミン連日投与を行うことが標準治療とされてきました。一方、骨髄異形成症候群や再生不良性貧血の患者さんにとってデフェロキサミン注射のための連日の通院は困難であり、また、これらの患者さんの多くは同時に血小板減少や白血球減少も抱えていることから,連日のデフェロキサミン注射による副作用(注射部位の炎症,皮下出血)のリスクが想定されます。これらの治療状況から、適切な鉄過剰治療を可能にするためのより簡便な治療薬の開発が強く望まれており、デフェラシロックスが開発されました。

 「定期的な輸血が必要な私のような患者にとって、デフェラシロックスの承認は素晴らしいニュースです。以前は、ポンプと注射針を使ったキレート療法を続けることがつらいと常々思っており、夜の持続注射のことが大きな負担になっていました。でも今は、朝にコップ1杯の水でデフェラシロックスを飲むだけでよく、その後は翌日まで治療のことを忘れていられます」と英国・ロンドン在住のAnand Ghattauraさんは語っています。

 このようにデフェロキサミンの投与は患者さんにとって負担が大きいため、キレート療法のコンプライアンスは不良です※2。サラセミア患者に関するこれまでの研究から、デフェロキサミンのコンプライアンスが向上すれば、生存率やQOLも向上することが明らかになっています※3。
ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ血液内科のJohn B.Porter教授(MA,MD,FRCP,FRCPath)は、次のように述べています。「輸血に起因する鉄過剰症の新たな治療薬として、EUがデフェラシロックスを承認したことは非常に喜ばしいことです。この承認によって、輸血による鉄過剰症に対する1日1回経口投与で有効な単独療法が初めて実現することになります。しかも、鉄バランスに対するデフェラシロックスの用量相関性については、これまで鉄キレート療法で実施されたことのない規模の臨床試験で検討されています。これは輸血による鉄過剰症の経口治療薬では初めてのことです」


◆承認申請データ1
 デフェラシロックスの臨床試験は、鉄キレート療法に関する過去最大規模の前向き国際的臨床治験プログラムの一環として実施されました。幅広い基礎疾患を有する1,000名以上の患者を対象とした臨床試験のデータから、デフェラシロックスは、特に中等度から重度の鉄過剰症患者において、肝臓の鉄濃度(LIC)を指標とした体内の鉄量を減少させることが明らかとなりました。LICは肝臓内に蓄積された鉄量の測定値ですが、輸血を受けている患者さんの体内鉄量の指標となります。一方、主要な第3相試験では、適切に投与された場合、デフェラシロックスの鉄量を減少させる効果は、デフェロキサミン(販売名:デスフェラール(R))と同等であることが示されました。また、別のサブスタディの結果から、デフェラシロックスは、核磁気共鳴画像法(MRI T2*)による測定値を指標とした心臓の鉄量を減少させることが明らかになりました。

 ノバルティス オンコロジー部門のCEO兼最高責任者であるデビッド・エプスタインは、「デフェラシロックスの承認は、患者さんにとって使いやすく、有効で持続的なキレート作用を示す治療法を提供することによって、鉄過剰症治療の新たな時代の幕開けとなります。この革新的な製品の登場は、ノバルティスがこれまで数十年にわたり鉄キレート療法にもたらしてきた支援とリーダーシップをさらに拡大させるでしょう」 と述べています。

 安全性については、最長2.5年間にわたる追跡調査を実施しました。臨床試験において、デフェラシロックスの忍容性は概ね良好でしたが、最も頻繁に報告された有害事象は、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、発疹、血清クレアチニンの上昇でした。下痢を発症した場合、特に血清クレアチニン上昇も伴っている場合には、十分な水分補給を行う必要があります。また、デフェロキサミンと同様、希ではありますが視覚および聴覚障害も報告されました。

 デフェラシロックスによる治療を受けた患者の約3分の1で、軽度で非進行性の血清クレアチニンの上昇が認められましたが、その大部分は正常範囲内に収まっています。このような血清クレアチニンの上昇は用量依存的であり、多くは自然に消失しますが、投与量を減量することによって軽減できます。血清クレアチニン、クレアチニンクリアランス、血漿シスタチンCの各値については、まず治療開始前に2回以上測定し、その後は、用量変更や治療中断の必要性を見極めることを目的として、1カ月目は週1回、以降は月1回のモニタリングを行う必要があります。クレアチニンクリアランスが60mL/minを下回る患者では、デフェラシロックスの使用は禁忌となっています。肝機能のモニタリングについては、治療開始前およびその後月1回実施し、原因不明または持続的、もしくは進行性の血清トランスアミナーゼの上昇が認められた場合、デフェラシロックスによる治療を中断または中止する必要があります。また、聴覚および視覚の検査を年1回実施することが求められています1。

 デフェラシロックスはすでに29カ国で承認を得ており、欧州医薬品審査庁(EMEA)の医薬品委員会(CHMP)が承認を支持する勧告の結果、承認されました。EU、米国、スイス、オーストラリアにおいてオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定されており、その他世界各国で承認申請が行われています。


◆輸血による鉄過剰症および鉄キレート療法について
 人の体内には、過剰な鉄を排泄する機能が備わっていないため、20回程度の輸血を行っただけで※3鉄が体内に蓄積され始めます※4。輸血による鉄過剰症とは、頻繁に輸血を行った場合に発症し、時として生命を脅かす危険性のある疾患です。鉄キレート療法は、輸血に起因する鉄過剰症に対する唯一の有効な薬物治療法で、体内や組織内の鉄と結合する薬剤を用いて、尿中や糞便中への鉄の排泄を促進させます。

 本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm 20-Fをご参照下さい。

◆ノバルティスについて
 ノバルティスは、医薬品とコンシューマーヘルスにおける世界的リーダーです。ノバルティス グループ全体の2005年の売上高は322億米ドル(約3兆5,433億円)、当期純利益は61億米ドル(約6,755億円)、研究開発費は48億米ドル(約5,330億円)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約97,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さhttp://www.novartis.com 
*2005年の会計基準ベース


以 上


※1.Exjade Summary of Product Characteristics  (DATE)
※2.Nisbet-Brown E.Effectiveness and safety of ICL670 in iron loaded patients with thalassemia: a randiomised,doubl-blind,placebo-controlled,dose-escalation trial.The Lancet.2003.361.
※3.Gabutti V,Piga A.Results of Long-Term Iron-Chelating Therapy.Acta Haematologica.1996.95:26-36.
※4.Centers for Disease Control and Prevention.Hemochromatosis for Health Care Professionals: Pathophysiology: Iron Overload.Available at: http://www.cdc.gov/hemochromatosis/training/pathophysiology/iron_overload.htm..
※5.Siddiqui AK,et al.Pulmonary manifestations of sickle cell disease.Postgraduate Medical Journal.2003.79:384-390.
※6.National Human Genome Research Institute at the National Institutes of Health.Learning about thalassemia.Available at: www.genome.gov/10001221
※7.Porter JP.A risk-benefit assessment of iron-chelation therapy.Drug Saf.1997 Dec; 17(6):407-21
※8.Novartis data on file.E-mail correspondence from Alice Berringer,dated May 1,2006

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