伊藤忠商事、石川県と「石川県と伊藤忠商事株式会社の連携と協力に関する協定書」を締結
石川県・伊藤忠商事株式会社の協定締結について（２００６年９月１日）
１．主旨
石川県（以下 石川県）と伊藤忠商事株式会社（以下 伊藤忠）とは、石川県における産業の経済成長を促進し、もって地域全体の活性化を図るため、「石川県と伊藤忠商事株式会社の連携と協力に関する協定書」を締結しました。協定の分野を３つに分けると、「高度産業人材育成支援」分野、「県内の中小・ベンチャー企業の発掘と育成・拡大支援」分野、及び、「地域振興」分野です。これらの分野で伊藤忠の持つビジネス経験を活用することが、石川県の産業振興施策に合致することから合意に至ったものです。今後は、両者の有する情報の交換等を通じて、共同取組が可能な案件の発掘及び具体的検討を行なうこととしています。
２．提携の目的と意義
この度の協定は、石川県と伊藤忠商事株式会社が、相互に協力・連携が可能な分野での共同取組を進めることにより、地域における様々な産業の経済成長を促進し、もって地域全体の活性化を図ることを目的としています。個別の事案についての単発的な取組を行うのではなく、相互の提案を検討するための組織的な仕組みを作って取り組んでいくという点で、意義があり、今後の発展性も期待できます。
石川県は、『新長期構想』に基づく「産業革新戦略」や「国際化戦略プラン」を軸に、広く海外にも目を向け、地場企業の国際競争力の強化を図るための施策や、環日本海地域の中心に位置するという地理的特性も活かし、金沢港の大規模整備や企業誘致に積極的に取り組んでいます。人材育成分野では、先端技術の研究や技術者の育成に力をいれており、従来の繊維関連産業に加え、新たな産業、企業が育っています。国内シェアトップ企業は現在４０社を越えており、今後１０年間で、これを倍増化させることを目指しています。更に、石川県は豊富な地域資源を活かし、能登地区の活性化にも力を入れております。
一方、伊藤忠は、２００４年４月に岐阜県、２００４年１０月に福井県、２００５年２月に島根県、２００５年９月に宮城県、２００６年３月に三重県と、各県との提携を通じ、様々な企業育成プロジェクト、地域振興プロジェクト、先端技術分野における共同ビジネス開発を行ってきております。これらの取組で培ったノウハウをもとに、本提携を活用して、石川県とも新たな共同取組を行ってまいります。
３．主な共同取組案件
（１）道の駅を活用した地域活性化事業に係る共同取組分野
石川県の強みである豊かな地域資源を全国に発信する「場」として、県内に１７ある「道の駅」を活用した地域活性化事業を行ないます。具体的には、第一弾として、能登地域の「道の駅」の連携を推進し、地域に隠れた資源を掘り起こす事で、新たな地域振興につながるモデルを石川県と伊藤忠の共同で作りたいと考えています。伊藤忠は、アクティブシニアへの取組として昨年、社内に「未知倶楽部室」を立ち上げ、全国の道の駅との関係構築を軸に地域資源の発掘を行ない始めています。
（２）県内中小・ベンチャー企業の発掘と育成・拡大支援分野
１） 繊維産業における異業種とのマッチング事業支援にかかる共同取組
石川県内繊維産地は、定番衣料品が中国等の影響により厳しい状況のため、付加価値の高い産業資材等非衣料分野への進出を目指しております。その課題を解決する為、伊藤忠と繊維リソースいしかわ、県工業試験場による連絡会議を設置し、石川県内繊維関連企業のシーズと伊藤忠グループの持つ情報とのマッチングを図ってゆく考えです。
２） トライアル発注事業にかかる共同取組
トライアル発注事業とは県内ベンチャー企業等が開発した新製品や新技術の販路開拓を支援するため、県及び民間企業が試験的にその製品を購入し、その評価を開発者にフィードバックするものです。今後、伊藤忠の国内外ネットワークを活用し、主に県外、海外の企業に対し、トライアル発注の実施を予定しています。
３） 国際ビジネスサポートデスクを通じた県内企業の海外支援にかかる共同取組
石川県が平成１６年度に設置した「国際ビジネスサポートデスク」は県内企業の国際ビジネスの円滑化を応援しています。伊藤忠は、自社の強みである海外ネットワークを活用し県内企業の海外進出に対して可能な限り応援していくこととしております。
（３）高度産業人材の確保事業にかかる共同取組分野
石川県内の企業では、電気・機械の技術者等が不足しており、こうした高度人材を県内ですべて確保することが困難となっております。このため、県「産業人材サポートデスク」では、高度産業人材の紹介相談に対し、伊藤忠グループの人材会社（キャプラン株式会社）と石川県内の人材紹介会社が共同で面談、紹介といった手厚い支援を行い、首都圏からの人材誘致（Ｕターン、Ｉターン）を実施します。
以 上