ボルボ、飲酒運転対策「マルチ・ロック・システム」を開発
ボルボの飲酒運転対策のためのコンセプト
マルチ・ロック・システムを開発
ボルボ・カー・コーポレーション(本社:スウェーデン・イエテボリ、社長兼CEO:フレドリック・アルプ)の交通安全に対する最新の取り組みは、シートベルトロックに取り付けられた酒気検知器および車のスピードを制限するイグニッションキーを搭載した実験車両です。
エンジンを始動させるためにはシートベルトに備え付けの酒気検知器に息を吹き込んだ上で、シートベルトを締めなくてはなりません。酒気検知器の値がマイナスを示し、かつシートベルトを締めなければクルマのエンジンは始動しません。さらに特別なイグニッションキーには、一定のスピード(例えば時速90キロなど)に最高速度制限を設定することができます。この3つの最新技術を組み合わせて、ボルボではマルチ・ロック・システム(*)と呼んでいます。
(*)=マルチ・ロック・システムは、あくまでも開発コンセプトであり、将来的に実際に市販車に搭載されるものとは仕様も名称も異なります。
「大怪我や死に至る自動車事故の多くは、飲酒運転によって引き起こされています。欧州委員会(EU)によれば、ヨーロッパでは毎年約1万人がアルコール関連の事故で命を落としています。また自動車事故の多くは、ドライバー、同乗者共にシートベルト未着用のため、重大な怪我につながっています。こうしたことから、ボルボは酒気検知器付のシートベルトロックの開発に取り組んでおり、マルチ・ロック技術を活用してこのような事故を防止することが目標です。」とボルボ・セーフティ・センター所長のイングリッド・スコグスモは述べています。
国際的な統計からも、自動車事故に占める若者の割合が高すぎることは明白です。EUの統計によると、18歳から25歳の若者が事故に巻き込まれる確率は26歳から50歳の2倍以上で、事故の多くはスピードの出し過ぎと未熟な運転経験という致死的な組み合わせによって発生しています。
「ボルボが開発した特別なイグニッションキーを使えば簡単に最高速度制限を設定することができます(例えば時速90キロなど)。これにより、運転の未熟な子供に自分の車を運転させる親は安心して車の鍵を渡せるようになるでしょう。また、様々な営業車両においても役立ちます。例えば、市街地でのみ走行する配送用車両が時速70キロ以上で走行しないように設定することも出来るのです。」とイングリッド・スコグスモは語っています。
この特別なイグニッションキーを使えば、いかなる速度にも最高速度制限の設定が可能です。ヨーロッパには「ユース・ライセンス」と呼ばれる若者を対象にした運転免許の区分を取り入れている国もあり、予め決められた期間は時速90キロ以上で走行することを禁じています。この場合、車両には「90」と書かれた標識が取り付けられます。この速度制限が設定できる特別なキーを導入することで、この法律の実施が容易になります。
ボルボ・カーズは交通安全に対する一般の人々及び政策決定者の関心を高めるために、マルチ・ロック・システムの開発を行ってきました。酒気検知器はシートベルトに取り付けられているため、非常に使い易いシンプルなものになっています。
「この実験車両は、ボルボのお客様全てにマルチ・ロック技術を提供する可能性を評価するための重要な一歩です。」とイングリッド・スコグスモは述べています。
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