東京電力など3社、蒸気供給会社「川崎スチームネット」を設立
「川崎スチームネット株式会社」の設立について
~現在リニューアル工事中の東京電力川崎火力発電所1号系列の蒸気を川崎市千鳥・夜光地区コンビナート内の10社に供給~
東京電力株式会社と株式会社日本触媒、旭化成ケミカルズ株式会社の3社は、現在リニューアル工事中の東京電力川崎火力発電所1号系列の蒸気を、川崎市千鳥(ちどり)・夜光(やこう)地区コンビナート内の10社(*1)に供給する「川崎スチームネット株式会社」を、本日、設立いたしました。
3社は、川崎市千鳥・夜光地区コンビナートに工場を持つ9社(*2)と共同で、最新鋭のコンバインドサイクル発電(MACC(*3))として平成21年7月に竣工予定の川崎火力1号系列から、発電に使用された後の蒸気を供給し、工場用に再利用する大規模省エネルギー事業を進めてまいりました。
本年8月には、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より、「平成18年度NEDOエネルギー使用合理化事業者支援事業(*4)」として選定いただき(平成18年8月1日お知らせ済み)、その後、3社は、川崎火力1号系列とコンビナート内の各社を連係する蒸気供給用配管の敷設・維持管理および蒸気供給を行う新会社の設立準備を進めてきたものです。
新会社は、平成21年度下期に蒸気供給を開始する予定で、以後15年以上にわたり、年間約30万トンの蒸気を供給いたします。
現在、コンビナート内の各社は、それぞれボイラにより蒸気を作り、原料の加熱などに利用しておりますが、これを川崎火力1号系列からの蒸気に切り替えることにより、年間で約1.1万キロリットル(原油換算)の燃料と、約2.5万トンのCO2排出量の削減効果が見込まれます。
これは、一般家庭約9,300世帯分の年間エネルギー消費量と、4,600世帯分の年間CO2排出量に相当いたします(別紙2参照)。
今後、川崎スチームネットは、蒸気供給用配管の敷設工事のための各種調査や詳細設計等を進めてまいります。
以 上
(*1) 10社
川崎化成工業株式会社、昭和電工株式会社、大同特殊鋼株式会社、東京油槽株式会社、日本ゼオン株式会社、日本乳化剤株式会社、日本ポリエチレン株式会社、日本油脂株式会社に、株式会社日本触媒、旭化成ケミカルズ株式会社を加えた10社。
(*2) 9社
川崎化成工業株式会社、昭和電工株式会社、大同特殊鋼株式会社、東京油槽株式会社、日本ゼオン株式会社、日本乳化剤株式会社、日本ポリエチレン株式会社、日本油脂株式会社と、蒸気供給用に既設配管の一部を提供する新日本石油化学株式会社を加えた9社。
(*3) MACC(More Advanced Combined Cycle)
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた改良型コンバインドサイクル(ACC)発電システムをベースに、ガスタービン入口温度をさらに高温化した高効率・大容量の発電方式。ガスタービンの耐熱材料の開発、ガスタービンの蒸気冷却などの技術革新により、1500℃級まで高温化することで、世界最高水準の熱効率を実現。
(*4) NEDOエネルギー使用合理化事業者支援事業
エネルギーを使用して事業を行っている事業者が、さらなる省エネルギーを推進するための設備・技術を導入する取り組みに対し、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、当該事業に必要な費用の一部を補助する制度。