「ランダ注」悪性胸膜中皮腫の承認申請について
日本化薬株式会社は、「ランダ注」について「ペメトレキセド」との併用療法として以下のとおり効能・効果の追加承認申請をしました。
ランダ注(一般名:シスプラチン): 承認申請日 2006年6月28日
●悪性胸膜中皮腫
悪性胸膜中皮腫は胸膜表面を覆う中皮やその下の結合組織の未分化な間葉細胞に由来する腫瘍であり、全般的に予後不良な疾患です。悪性胸膜中皮腫の病変はその大半が広範囲に分布することから、外科手術療法、放射線療法の適用は難しく、有用な全身化学療法が求められていましたが、日本では悪性胸膜中皮腫に対する効能・効果を有する薬剤がないのが現状です。日本での死亡者数は近年増加傾向にあり、2004年には833人(厚生労働省人口動態統計)を数えました。
また悪性胸膜中皮腫は石綿曝露との関連が指摘され、今年「石綿による健康被害の救済に関する法律」及び「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律」が公布されるなど、悪性胸膜中皮腫は社会的に注目を浴びています。
2005年1月24日に開催された「第1回未承認薬使用問題検討会」において、シスプラチンとペメトレキセドの併用療法が検討され、早期の保険適応の必要性が確認されました。これを受け当社は、患者様並びに医療関係者の皆様のニーズにお応えすべく今回の承認申請を行いました。
なお、当社は、海外ではすでに広く使用されているにも関わらず日本では未承認のため使用が制限されている抗悪性腫瘍剤について、以下の通り、積極的に新たな効能・効果等の承認を取得しております。
2004年 3療法
・M-VAC療法「尿路上皮癌」
・BEP療法「胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)」
・VeIP療法「再発又は難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)」)
2005年 6療法
・「ランダ注」単剤または塩酸ドキソルビシンとの併用療法「悪性骨腫瘍」
・AP療法「子宮体癌(術後化学療法、転移・再発時化学療法)」
・VAD療法「多発性骨髄腫」
・PAV療法「悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫」
・「ランダ注」と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法「再発・難治性悪性リンパ腫」
・「ランダ注」と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法「小児悪性固形腫瘍」