米ブロードコム、モバイル・デバイスに最適化された超低消費電力型Wi-Fiチップを発表
ブロードコム、モバイル・デバイスに最適化された超低消費電力型Wi-Fi(R)チップを発表
~携帯端末、携帯ゲーム機、およびその他のエンベデッド・アプリケーションに最適となる、
小型で業界をリードする低消費電力を実現する超低消費電力型シングルチップ・ソリューション~
米国カリフォルニア州アーバイン - 2006年10月23日発表
有線および無線通信向け半導体ソリューションの世界的なリーダー企業であるブロードコム・コーポレーション(Nasdaq: BRCM)は、広範なモバイル・デバイスおよび携帯型コンシューマ・エレクトロニクス機器で高性能なWi-Fi(R)接続性を実現する新しい超低消費電力型54g(R)ワイヤレスLAN(WLAN)ソリューション・ファミリを発表しました。
業界をリードする低消費電力と一層拡大された受信可能範囲を実現するブロードコムの新しいWi-Fiソリューションは、需要が高まるWi-Fi機能搭載携帯電話、携帯型メディア・プレイヤー、携帯ゲーム機、およびデジタル・カメラに最適なソリューションです。これらの新しいチップは、現在までに出荷された1億個以上の54gチップで実証済みの極めて安定したソフトウェア基盤を生かしており、革新的な新しい性能機能と業界で最も確立されたWi-Fi技術ブランドを兼ね備えています。
ABI Researchのシニア・アナリストのフィリップ・ソリス(Philip Solis)氏は、「当社では、エンベデッドWi-Fi市場は2010年末までに、累計で10億台以上が出荷されることになると予測しています。多くのコンシューマ・エレクトロニクス・メーカーが高速ワイヤレス・データ通信性能のニーズに対応していくにつれ、Wi-Fiチップメーカーはサイズ、コスト、および消費電力の新しい枠組みに対応するソリューションを提供することが要求されることになるでしょう」と述べています。
●エンベデッド・アプリケーション向けの自給型Wi-Fiシステム
本日発表されたブロードコムの業界先進の最新世代54gソリューションは、802.11b/gアプリケーション向けのBCM4326と802.11a/b/g ソリューション向けのBCM4328です。この新しいチップの独自のアーキテクチャは、コンシューマ・エレクトロニクス・デザインへの統合を簡素化する自給型Wi-Fiシステムを内蔵し、新世代電子デバイスにWi-Fi機能を組み込む際に求められる厳しい要件を満たします。これらの製品で導入される多くの主要な技術革新は、以下の通りです。
・ 卓越した消費電力性能
・ Bluetooth(R)ワイヤレス無線との共存性能を高める独自のアルゴリズム
・ 機能強化されたブロードコムの実証済みWi-Fiソフトウェア・スタック
・ 拡張回路により実現する、無線感度を著しく向上させる卓越したRF性能
BCM4326とBCM4328の両WLANソリューションは、高集積化されたシングルチップ802.11Wi-Fiトランシーバ/無線と、Wi-Fiサブシステムの全体消費電力を大幅に削減する革新的なソフトウェア・アーキテクチャを組み合わせています。他のWi-Fiソリューションでは小型モバイル・デバイスのバッテリを短期間で消耗するのに対して、ブロードコムの低消費電力チップは、データ・パケットの送信と受信をインテリジェントに管理し、高性能なワイヤレス性能を提供しながら、バッテリ寿命を延ばすことができます。これらの技法は、54Mbps完全レート・アクティブ受信の消費電力を業界最小の270mW以下に抑え、携帯電話などのバッテリ搭載デバイスの開発者に魅力的なソリューションを提供する卓越した消費電力性能の実現に貢献しています。
また、BCM4326とBCM4328はいずれも、ブロードコムの実証済みBluetooth、VoIP、マルチメディア・プロセッサ、FM無線、および携帯電話ソリューションに容易に組み合わせることができ、メーカーに最高水準の機能と簡潔な統合手法を提供します。ブロードコムのWi-FiおよびBluetoothソリューションは、先進のInConcert(TM)共存技術を利用することで、相互干渉を低減し、様々なアプリケーション向けのデュアル・モード・デバイスにおける性能最適化を確実に行います。この技術は、Bluetoothヘッドフォンで明瞭で途切れない音声通話を楽しみながらWi-Fi接続を介してコンテンツをストリーミングするなどの新しい使用モデルを促進します。複数のエンベデッド・モジュールの主力デベロッパは現在、これらの新しいWi-Fiチップとその他のブロードコム技術を組み合わせて、次世代モバイル・デバイスの迅速な市場投入を可能にする独自のソリューションを開発しています。
ブロードコムの新しいBCM4326とBCM4328 Wi-Fiチップは、ブロードコムの高い支持を得ているコンフィギュレーション・セットアップを容易にするSecureEasySetup(TM)アプリケーションなどの、製造現場で実証済みの54g技術を基盤とするソフトウェア・スタックを備えます。この業界先進のソフトウェア・スタックは、今日のエンベデッド・デザインに不可欠な実証済みWLAN性能を備える様々な製品基盤全般にわたる広範なオペレーティング・システムに移植されています。この成熟したソフトウェアを基に開発されたこの新しいチップ・アーキテクチャは、Wi-Fiタスクを完全に独立化する完全なオンチップ・デバイス・ドライバ実装を特長とします。その結果、この独自のドライバは、モバイル・デバイス内のホスト・プロセッサへの負担をなくし、多くの場合ワイヤレス・ネットワーキングをサポートするために必要な処理性能を欠くコンシューマ・デバイスに対しても容易にWLAN機能を追加することができます。完全なオンチップ・ドライバ・コントロールとその他の卓越したソフトウェア性能の組み合わせは、システムのバッテリ寿命をより一層延長します。
●モバイル・デバイスへの最適化
ブロードコムのシングルチップ・アーキテクチャは、今日のモバイル・デバイスに求められる厳しいサイズおよびコスト要件を満たします。そのチップ・サイズのパッケージングは、50mm2以下の占有面積を提供し、最小規模のWi-Fiデバイスに直接組み込むことができ、多くのコンシューマ・エレクトロニクス・デザイナが好んで使用する標準モジュールの一部として使用することができます。この高度に統合されたアーキテクチャは、ブロードコムの第3世代802.11g無線、MAC、およびベースバンドを先進の消費電力管理回路とともにシングルチップ上に統合しています。これにより、総部品数と総システム・コストが削減され、このチップを特に量産アプリケーションにとって魅力的なものにしています。
ブロードコムのワイヤレスLAN製品事業部担当バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャのマイケル・ハールストン(Michael Hurlston)は、「Wi-Fiは、インターネットの接続方法を完全に変容させ、その結果、広範なデバイスのデベロッパがワイヤレス接続性により実現する製品の付加価値について考えるようになってきました。この新しい超低消費電力チップ・ファミリは今後、当社のWi-Fiにおける優位性を生かしながら、この新世代コネクティッド・デバイスに最適な相互運用性を確実に提供していき、携帯型コンシューマ・デバイスにおけるワイヤレス接続性の普及を促進していくことでしょう」と述べています。
●以前と同じ優れた機能に加えて、ワイヤレス受信可能範囲を拡大
ブロードコムは、今回の新しい低消費電力チップの出荷で、主力ブランドのネットワーキング機器、PC、ブロードバンド・モデム、プリンタ、ゲーム機、セットトップ・ボックスなどで採用されている同社の市場をリードする54g Wi-Fiソリューション・ファミリの全製品の出荷を完了します。また、BCM4326とBCM4328は、ワイヤレス・デバイスの受信可能範囲を、電力損失を増やすことなく、最大25%拡大する独自の受信範囲拡張技術を備えています。ブロードコムのこの新しい先進的なWi-Fi技術は、わずかなWi-Fi信号でさえ検知するように無線性能を大幅に改善し、Wi-Fi受信可能範囲の信頼性を向上しながらモバイル・デバイス・ユーザーのデッドスポット(無線が届かない地点)を確実に削減するよう開発された最新世代MIMO(Multiple Input, Multiple Output)無線デバイス向け技術を直接活用しています。
●出荷時期
BCM4326とBCM4328は現在、早期にお問い合わせいただいた顧客向けにサンプル出荷されています。製品価格は、ブロードコムにお問い合わせください。ブロードコムは複数のパッケージ・オプションを持つ多数のレファレンス・デザインを提供しており、既存および将来のデザイン・アーキテクチャに対応するためにUSB、SDIO、およびSPIのインタフェースをサポートしています。
●ブロードコムのワイヤレスLAN製品ファミリ
ブロードコムの高性能AirForce(TM)ワイヤレスLAN製品群には、世界で最も普及しているWi-Fi技術である54gと業界初のドラフト802.11nチップセットであるIntensi-fi(TM)が含まれます。ブロードコムは、シングルおよびデュアルバンド・ワイヤレス接続性を提供するトランシーバ・ソリューションに加えて、ワイヤレス・ネットワーク・プロセッサ、通信技術、および同社のOneDriver(TM)ソフトウェア・ソリューションを迅速な市場投入を可能にするレファレンス・デザインに統合しています。業界の主力メーカーは、ブロードコムの技術によって接続されるコンピュータ、ルーター、周辺機器、電話、ブロードバンド・モデム、および多様なコンシューマ・エレクトロニクス・デバイスを開発しています。
●ブロードコムのブロードバンド事業グループ
ブロードコムは、家庭用有線/無線ネットワークを介して音声、ビデオ、データ・サービスの利用を可能にする広範なブロードバンド通信およびコンシューマ・エレクトロニクス向けsystem-on-a-chip(SoC)をメーカーに提供しています。これらの高集積半導体ソリューションは引き続き、デジタル・ケーブル、衛星ならびにIPセットボックス、メディア・サーバー、ブロードバンド・モデム、家庭用ゲートウェイ、高解像度ならびにデジタルテレビ、HD DVDならびにBlu-rayディスク・プレイヤー、DVDレコーダー、およびパーソナル・ビデオレコーダーなどの市場で最先端のシステム・ソリューションの開発を可能にしています。
●ブロードコムについて
Broadcom Corporation(ブロードコム・コーポレーション)は、有線および無線通信向け半導体の世界的なリーダー企業です。当社の製品により、音声、ビデオ、データ、およびマルチデータを、およびオーディオを家庭、会社、およびモバイル環境にすべてに配信することを可能にします。ブロードコムは、コンピュータ、ネットワーク機器、デジタル・エンターテイメントならびにブロードバンド・アクセス製品、およびモバイル・デバイスのメーカーに、業界で最も広範な最先端system-on-a-chipおよびソフトウェア・ソリューションを提供しています。これらのソリューションは、ブロードコムの重要なミッションである“Connecting everything(R)”を支えています。
ブロードコムは、世界最大のファブレス半導体企業で、年間売上は26.7億ドルを上回っています。ブロードコムは、本社を米国カリフォルニア州アーバインに構え、北米、アジア、および欧州に拠点および研究施設を擁しています。詳細情報は、 www.broadcom.com に掲載されています。
*Broadcom(R)、パルスのロゴ、Connecting everything(R) 、Connecting everythingのロゴ、54g(R) 、AirForce(TM)、InConcert(TM)、Intensi-fi(TM)、およびOneDriver(TM)は、米国、EU、およびその他の国におけるBroadcom Corporationおよび(または)同社の関連組織の商標です。Wi-Fi(R)は、Wi-Fi Allianceの商標です。Bluetooth(R)は、Bluetooth SIGの商標です。記載されているその他のすべての商標は、各所有企業に帰属します。
以上