J.D.パワー、「2006年インド自動車エスケープト・ショッパー調査」の結果発表
インドにおける新車購入では、男性よりも女性の方が複数モデルを比較検討
2006年インド自動車エスケープト・ショッパー調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワーアジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D.パワー)は、2006年インド自動車エスケープト・ショッパー(Escaped Shopper) 調査の結果を発表した。
当調査は、消費者が当初検討した車の購入を止めて別の車を購入した理由を分析するもので、48の理由を明らかにしている。
2回目となる今年の調査は2005年9月から2006年3月の間に新車市場において乗用車および多目的車を購入した消費者を対象としている。2006年3月から5月にかけてインドの主要15都市で面接調査を実施し2,150人以上から回答を得た。調査に含んだのは9メーカーの23 車種である。
◆購入を止めた理由は、男性は価格・ローン、女性はスタイリングが多い◆
インドでは新車購入の際、購入決定前に複数のモデルを検討する人の数は、昨年までと比較して男性はほとんど変わっていないが、女性はより多くのモデルを検討する人が増えていることが明らかになった。新車を購入した女性の50%が購入を決めるまでに他のモデルをひとつ以上検討している。複数のモデルを検討する女性が増えた一因としては、小型車部門で低価格の新型車の投入が続いたことが考えられる。新車市場全体での複数のモデルを検討した人の数は昨年比1%増だった。
また、検討したモデルの購入を見合わせた理由として、男性からは価格やローンに関する問題が最も多く挙げられたのに対して、女性は車両のスタイリングを挙げた人が圧倒的に多かった。一般的には、新車の購入を考えている消費者が複数のモデルを検討した場合、通常は低価格のモデルが選ばれている。
自社のモデルを顧客に購入させることに最も成功していたのはマルチ・スズキで、同社のモデルを検討した人のうち約45%が実際に購入している。また、インド新車市場のメーカーの中で、ヒュンダイ、タタ、トヨタの顧客の多くが購入前に他社のモデルを検討したのに比べ、シュコダ、マヒンドラ、シボレーの顧客はその割合が少なかった。
これは、シュコダ、マヒンドラ、シボレーの3社が、消費者に他社のモデルを検討する気をなくさせるような特徴のある製品を提供していることを反映しているためと考えられる。メーカーにとって、消費者が自社のモデルだけを検討し購入を決めてくれることが理想だ。しかし、新車市場には非常に多くのモデルが投入されていることを考慮すると、メーカーにとって、少なくとも自社のモデルを検討してくれるよう顧客に働きかけること、同時に販売店での販売プロセスを改善することが課題となる。これらのことがより多くの商談をまとめることにつながり、投資利益率を最大限に高めることになる。
<株式会社J.D.パワーアジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
<J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D.パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界38カ国に290カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。