メルシャン、「カシス」に「抗アレルギー作用」があることを確認
「カシス」に「抗アレルギー作用」があることを確認
~日本食品免疫学会 第2回学術大会「食品免疫学の最前線」にて発表~
メルシャン株式会社(本社:東京、社長:岡部有治)は、商品開発研究所(神奈川県藤沢市)で継続的に行っている「カシスに関する健康価値」の研究において、カシス果汁に含まれる多糖類(ポリサッカライド)の関与により、「カシス」に「抗アレルギー作用」があることを動物試験によって確認しました。
この研究成果を、10月23、24日に東京都で開催された日本食品免疫学会 第2回学術大会「食品免疫学の最前線」にて発表しました。
当社は「カシス」に含まれる多糖類(ポリサッカライド)に強い免疫賦活作用があることを既に発見し、その成分を「CAPS(カシスポリサッカライド:cassis polysaccharide)」と命名。この「CAPS」に強い「抗腫瘍効果」が存在することを確認し、今春発表しました。
今回の研究では、この「CAPS」に「抗アレルギー作用」があることを確認しました。
アレルギー症状は、免疫作用に重要な働きをする抗体のうち、特にアレルギー反応に関与する「IgE抗体」が体内で過剰につくられ、その「IgE抗体」が、細胞から「炎症を引き起こす物質」を放出させる事によって起こるとされています。
今回、「CAPS」の投与で「IgE抗体」の過剰な生成が抑制されることによる「抗アレルギー作用」が期待できることが分かりました。
研究では、アレルギー物質にみたてた卵白の主成分「卵白アルブミン(OVA)」を投与し、「IgE抗体」を高めたマウス(アレルギーモデルマウス)に、「CAPS」を一週間投与し続けたところ、「CAPS」を投与しなかったマウスに比べ、「IgE抗体」の産生を抑制することを確認しました。
また同時に、マウスの脾臓を摘出し、脾臓細胞が放出する「サイトカイン*」量を測定した結果、「CAPS」を投与したマウスは、「Th2サイトカイン」量の産生量が抑制されていました。一般に、アレルギー状態では、「Th1」と「Th2」のバランスが崩れ、「Th2」に偏った状態になっているといわれていますが、「CAPS」の投与がこのバランスを調整していることが分かりました。
当社は、“自然の恵みをくらしに活かす”という企業理念のもと、お客様の「食と健康」に貢献する企業を目指し、酒類事業で培った技術力を活かした研究を今後も続けてまいります。
*サイトカイン: 特定の細胞に情報伝達する、細胞から分泌されるタンパク質。多くの種類があり、免疫に関係するものが多い。
免疫応答をつかさどるヘルパーT細胞は産生するサイトカインの違いから「Th1」と「Th2」細胞に分類される。
以 上