米ファイザー、トルセトラピブ/アトルバスタチンの悪玉(LDL)コレステロール値低下効果を確認
ファイザー社、トルセトラピブ/アトルバスタチン
臨床試験の最新暫定結果を発表
~米国心臓協会による第III相臨床試験のアブストラクト公表に対応~
米ニューヨーク、10月31日 - ファイザー社は、本日、トルセトラピブ/アトルバスタチン臨床試験の最新暫定結果を発表しました。この発表は、米国心臓協会(AHA: American Heart Association)にて公表された、ヘテロ接合体性家族性高コレステロール血症(HeFH: heterozygous familial hypercholesterolemia)(*注1)の患者さんを対象にして行われた第III相臨床試験の要約に関連して公表されたものです。同要約によると、トルセトラピブ/アトルバスタチンにより、アトルバスタチン単剤を服用した患者さんに比べ、善玉(HDL)コレステロール値が有意に(56%)上昇させるとともに、悪玉(LDL)コレステロール値が(27%)低下させました。
また、このHeFH試験では、トルセトラピブ/アトルバスタチン群の患者さんの収縮期血圧が、アトルバスタチン単剤を服用した患者さんに比べ、平均でおよそ2 mmHg上昇しました。HeFH試験は心疾患リスクが高い患者さんを対象に行なわれたものであり、米国心臓協会の年次学術大会で11月15日に発表される予定です。
ファイザー社の最高医学責任者であるジョセフ・フェツコ博士(Dr. Joseph Feczko, Chief Medical Officer)は次のように述べています。「私たちはHeFH試験の結果に満足しており、完了したすべての試験における脂質関連の結果は非常にいい結果を示しています。ここまでの試験結果では、トルセトラピブ/アトルバスタチンは、アトルバスタチン単剤を服用した患者さんに比べ、善玉コレステロール値を55%から60%上昇させ、さらに悪玉コレステロールを10%から15%減少させました。(LDLコレステロールの低下は合計で50%から60%減少に増強)。このことは、『トルセトラピブ/アトルバスタチンという革新的な医薬品が総合的にHDLコレステロール、LDLコレステロールを治療でき、総コレステロール値を適切に管理することができる』という私たちの根本的な仮説を裏付けています」。
「私たちがこれまでに得た第III相試験の結果は全面的な解析結果ではないので、すべての脂質試験と画像試験が終了した後に厳密に解析する必要はありますが、第II相試験で観察された2-3mmHgの収縮期血圧上昇よりも平均で約1mmHg上昇したということが示されています。しかし、この結果はトルセトラピブ/アトルバスタチンが心血管系疾患における優れた臨床プロファイルを変えるものではないと信じています。
ここで私たちが強調しておきたいことは、トルセトラピブ/アトルバスタチンに関する臨床試験がすべて完了しておらず、本試験の結果が臨床プログラムに参加しているすべての患者さんの25%以下の患者さんの結果であるということです。新しいトルセトラピブ/アトルバスタチンに関する臨床試験の要約が本日公表されますが、私たちはこの結果が適切に評価されることを望んでいます。トルセトラピブ/アトルバスタチンの有効性と安全性についての最終的な結論を出せるのは、私たちが脂質試験と画像試験を終え、それに伴う統計的解析を済ませてからになります。現在までに完了したトルセトラピブ/アトルバスタチンに関する臨床試験は継続期間も規模も異なっています。そして現時点でのデータは暫定的なものであって、第III相試験完了時に得られることになる最終結果と異なるかもしれません」。
臨床試験結果が次回発表されるのは、3月に開催される米国心臓病学会(ACC: American College of Cardiology)の席上となりますが、その際には3つの画像試験の結果も公表をされます。
ヘテロ接合体性家族性高コレステロール血症の患者さんにおけるトルセトラピブ/アトルバスタチン臨床試験に関する要約は、本日、米国心臓協会のウェブサイトで公表されます。アドレスは以下の通りです。
http://scientificsessions.americanheart.org/portal/scientificsessions/ss.
以上
*注1 ヘテロ接合体性家族性高コレステロール血症(HeFH;Heterogynous Familial hypercholesterolemia): LDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールが高くなる遺伝子を両親のどちらか一方のみから受け継いで高コレステロール血症になる病気です。日本においてヘテロ型FHの患者さんは500人に一人の割合といわれております。