イー・アクセスと松下電工、モバイルWiMAX活用した「子ども緊急通報装置」の実証実験
モバイルWiMAXを用いたエリアセキュリティシステム実証実験について
~ 松下電工製『子ども緊急通報装置』にモバイルWiMAXの通信路を活用 ~
イー・アクセス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼CEO 千本倖生、以下「イー・アクセス」)と松下電工株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長 畑中浩一、以下「松下電工」)は、モバイルWiMAX(*1)を用いた新たなアプリケーション検討の一環として、業界で初めて実際の商品(エリアセキュリティシステム)での実証実験を実施しましたのでお知らせいたします。
(実験期間 :2006年8月~10月)
(実験エリア:東京都汐留地区、芝地区)
今回の実証実験では、イー・アクセスのモバイルWiMAX屋外実証実験網にて松下電工製『子ども緊急通報装置』(*2)と松下電器産業製『ネットワークカメラ』(*3)を接続、音声・静止画・動画の伝送性能の評価を行い、それぞれの項目において実験エリア内において正常に伝送ができることを確認いたしました。
松下電工では、従来より屋外セキュリティニーズに応えるべく、エリアセキュリティシステムを開発、警察庁の推進する街頭犯罪の対策に貢献するほか、昨年12月に総務省にて公募された「ユビキタスネット技術を用いた子どもの安全確保システムに関する情報収集」に対し、屋外に建てられた通報装置から警察等に設置された受付装置に通報することができる『子ども緊急通報装置』を提案するなど、地域と子どもの安全対策に積極的に取り組んで参りました。
これらエリアセキュリティシステムは、警察等通報センター側への有線通信路の構築コストが課題となっておりましたが、今回、イー・アクセスのモバイルWiMAX網を通信路として利用することで構築コストを低減し、エリアセキュリティシステムの普及の可能性向上を目指すべく、共同実証実験を行うことといたしました。
【 今回の実験結果の概要 】
本実験では、『緊急通報装置』において「音声+静止画(128kbps)」、ネットワークカメラにおいて「動画(512kbps)」のWiMAX通信実験を行い、実験エリア内において、満足な結果を得ることができました。今後、通信の高速化、高容量化、カバーエリアの見極めや事業としての有効性の検討を行うため、更なる実験を継続していく予定です。
イー・アクセスと松下電工は、モバイルワイヤレスブロードバンドとしてのモバイルWiMAXの可能性の模索と新たなサービスの創造、ひいては安全・安心な街づくりにおける地域社会への貢献に向けて努力していく所存です。
【 現状工法とWiMAX工法 】
(※ 関連資料を参照してください。)
(*1)『モバイルWiMAX(IEEE 802.16e-2005)』
IEEE 802.16規格はIEEE(米国電気電子学会)で標準化されている無線通信の標準規格。固定通信向けに2004年6月標準化されたIEEE 802.16-2004(WiMAX)は1台のアンテナで半径約50km(30マイル)をカバーし、最大で70Mbpsの通信が可能。さらにモビリティをサポートした規格、IEEE802.16e-2005(モバイルWiMAX)が2005年12月に標準化されています。現在、日本では総務省の諮問機関である情報通信審議会にて2.5GHz帯におけるモバイルWiMAXの技術的条件を検討中であり、作業班での検討終了後に免許方針の策定を経て事業者選定が行われる予定です。
イー・アクセスは本年7月にモバイルWiMAXの実験用無線局免許を取得し、実用化に向けた技術開発やアプリケーション等の検討を進めているほか、米WiMAXフォーラムのプリンシパル会員として標準化活動に貢献しております。
またモバイルWiMAXは、従来の携帯電話のようにいつでもどこでも使えるという利便性と無線LANの高速データ通信の特性を併せ持つ次世代無線通信のひとつとして、多種多様なサービスの可能性を持っています。
「WiMAX」(World Interoperability for Microwave Access)は業界団体WiMAX Forumによる愛称。
(*2)『子ども緊急通報装置』
2004年4月に松下電工より発売したエリアセキュリシステム。通学路やマンション周辺などの屋外エリアで子どもが危険を感じたときに通報ボタンを押すと、警報ブザーで周囲に異常を知らせると同時に、警察へ映像と音で通報し、現場の状況を伝えます。
(*3)『ネットワークカメラ』
ネットワークに接続し、携帯電話やパソコンを使い、遠く離れた場所から自宅や事務所など、様子の見たい場所に設置することで映像や画像を見ることができ、防犯・防災用監視、子供やペットの見守り等、様々な用途に利用可能です。
以上
【 会社概要 】
(※ 関連資料を参照してください。)