アンリツネットワークス、CATV事業者向け帯域制御装置を販売
業界初
CATV事業者向け帯域制御装置の販売を開始
フェアシェア PureFlow(R)FS10 CATV
アンリツネットワークス株式会社(社長 吉田 勝也、アンリツ株式会社の100%子会社)は、トラフィックシェーパーPureFlow(R)シリーズのラインアップを拡充。新たにCATV事業者のインターネット回線設備における帯域占有問題、輻輳問題を解決するフェアシェア PureFlow(R)FS10 CATVを開発。平成18年11月15日から販売を開始いたします。
フェアシェア PureFlow(R)FS10 CATVは、使用帯域を各ユーザに対して均等に割り当てる独自開発の公平制御機能を有するフェアシェア PureFlow(R)FS10の機能を拡充。加入者グループ帯域管理機能やアップリンク※1帯域管理機能、次世代CMTS(Cable Modem Termination System)※2対応プラットフォームを実現するソフトウェアを開発したことで、音楽や映像などのストリーミング配信やP2P(Peer to Peer)※3アプリケーションの増加により大きな問題となっているCATV事業者のインターネット回線設備における帯域占有問題や輻輳問題を解決できます。CATVインターネット環境における最適な帯域制御を実現でき、CATV事業者によるインターネット事業の経営効率向上に貢献いたします。
本新製品は、幕張メッセ(千葉)で開催されるInterBEE 2006(2006年11月15日~17日)およびアジア太平洋トレードセンター(大阪)で開催されるケーブルテレビショー in KANSAI 2006(2006年11月22日~23日)に出展いたします。
[開発の背景]
ブロードバンドインターネット接続サービスの進展に伴い、P2Pアプリケーションやコンテンツ配信サービス(音楽/映像のファイルダウンロードサービス、ストリーミング配信サービス)等の大容量・広帯域通信が拡大しており、加入者増とともに加入者あたりの伝送トラフィック量が急増しています。
電気通信事業者は、こうした状況に対応すべく通信設備の継続的な増強が必要とされていますが、特にCATV事業者においては、サービスエリアが限定されていることから、効率的な事業経営のため、現行設備における帯域占有問題や回線輻輳問題の解決と効率的な加入者収容、さらには次世代CMTSへの円滑な対応が大きな課題となっています。
アンリツは、従来、大規模インターネットサービスプロバイダー向けに、ユーザトラフィックをリアルタイムで把握し、使用帯域を各ユーザに対して均等に割り当てる独自開発の公平制御機能をもったフェアシェア PureFlow(R)FS10を提供してまいりました。今回、新たにインターネット事業を展開するCATV事業者向けに、フェアシェア PureFlow(R)FS10 CATVを開発。
フェアシェア PureFlow(R)FS10のCATVインターネット環境への親和性・適合性を高め、回線輻輳問題を解決する加入者グループ帯域管理機能や加入者収入に見合った上位回線費用を実現するアップリンク帯域管理機能、さらに次世代CMTSに対応したソフトウェアを追加したことで、CATV事業者のインターネット回線設備における帯域占有問題や輻輳問題を解決でき、CATV事業者のインターネット事業の経営効率向上に貢献いたします。
[製品概要]
フェアシェア PureFlow(R)FS10 CATVは、CATV事業者のインターネット用設備内に設置する帯域制御装置です。従来機種の特長である公平制御機能を有することに加え、回線輻輳問題を解決する加入者グループ帯域管理機能や加入者収入に見合った上位回線費用を実現するアップリンク帯域管理機能、さらに次世代CMTS対応のしたプラットフォームを実現したソフトウェアを開発。これらの機能により、回線占有問題や輻輳問題の解消、効率的な回線収容、新たなサービスメニューの追加、保守費用の低減を実現いたします。
[主な機能]
□加入者グループ帯域管理機能
輻輳ポイントとなっているCMTS RFポート※4の加入者グループ単位に加入者帯域をサービス品目比率で公平制御し、回線占有問題・輻輳問題の解消を実現。保守費用の軽減が可能となるとともに、加入者全体の利便性を向上させることができます。
□アップリンク帯域管理機能
CATV事業者が他のISP(Internet Services Provider)から借りる上位インターネット回線帯域を管理でき、加入者収入に見合った収支を実現できます。
□最低保証帯域※5割り当て機能
ユーザ向けインターネット接続サービスには無い最低保証帯域サービスの提供が可能。ビジネスユーザなど大口顧客に対して一定帯域の保証を行えることから、ARPU※6増を実現できます。
□オートコンフィグ機能
大規模な加入者回線に対する帯域制御を自動設定することが可能です。安価な保守体制を構築できます。
□株分け※7通知機能
輻輳しているCMTSのRFポートおよびヘビーユーザを検出してCM(Cable Modem)の株分け先を通知することが可能です。現有設備の収容限界を見極め今後の設備増強タイミングを適切に判断することができます。
□冗長機能(オプション)
電源二重化、回線冗長(外付けバイパス装置、帯域管理のマルチポート対応)が可能です。
機器故障時のサービス停止を最小限に抑えることができます。
[対象市場・用途]
CATV事業者
インターネット設備におけるネットワーク帯域の制御
[営業情報]
□販売開始:平成18年11月15日
□予定販売台数:国内計 100台(初年度1年間)
□価 格:トラフィックシェーパーシリーズ
フェアシェア PureFlow(R)FS10 CATV 710万円(本体のみ、1回線対応)
[用語解説]
※1 アップリンク
CATV事業者インターネット設備と上位ISPを接続する通信回線。CATV事業者は加入者のインターネットトラフィックをIX(Internet eXchange:インターネット回線相互接続点)に接続するために他のISPの中継回線を使用している。
※2 CMTS:Cable Modem Termination System
ケーブルモデム終端システム。CATV事業者向けの終端装置で、CATVユーザ宅に設置されているケーブルモデム(CM)との信号をやりとりし、イーサネットフレームに変換する。これにより、CATVでインターネットサービスを実現する。
※3 P2P:Peer to Peer
不特定多数の個人間で直接情報のやり取りを行うインターネットの利用形態。また、それを可能にする「Napster」などのアプリケーションソフト。多数のコンピュータを相互につないで、ファイルや演算能力などの情報資源を共有するシステムである。
※4 RFポート
CMTSのモデムカードに実装された、加入者宅CM側ケーブルの物理ポート。複数の加入者が収容されている。
※5 最低保証帯域
複数ユーザの存在する回線上で、全体トラフィック量が増えても、個々のユーザに提供できる最低限の帯域を保証するもの。
※6 ARPU:Average Revenue Per User
月間電気通信事業収入。通信事業でのユーザ一人あたりの売上高を示し、通信事業者業界での事業者間の収益比較に用いられる。
※7 株分け
トラフィック量の多いRFポートからトラフィック量の少ないPFポートへCATVユーザのケーブルモデムを収容換えすること。1つのRFポートには複数のユーザが収容されており、ユーザ数やユーザの利用量によって、各PFポートでトラフィック量に差が生じる。それらの管理を適切に行い、サービス品質向上のため、CATV事業者は適宜株分けを実施している。
[アンリツネットワークス株式会社について]
アンリツネットワークス株式会社は、アンリツ株式会社の経営構造改革の一環として、同社の情報通信機器事業を会社分割によって、同社より承継。2006年7月1日に発足いたしました。