アンリツ、携帯電話端末のRF送信特性試験や呼接続試験などが可能な測定器を開発
世界最高速で携帯電話端末のRF送信特性試験を実現
ラジオコミュニケーションアナライザ MT8820B/MT8815B
アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、ラジオコミュニケーションアナライザMT8820Aの後継機種としてラジオコミュニケーションアナライザMT8820B/MT8815Bを開発。
MT8820B/MT8815Bは、世界最高速での携帯電話端末のRF送信特性試験に加え、RF受信特性、呼接続試験を可能とする測定器です。
MT8820Bは2台の携帯電話端末を同時に試験できるパラレルフォン(R)測定機能を搭載することができます。これにより、W-CDMA/HSDPA、CDMA2000(R)1X/1xEV-DO、GSM/GPRS/EGPRSなど主要な携帯電話端末の製造効率向上に貢献いたします。
MT8815Bはシングルフォン測定に限定したことから、コンパクトサイズを実現。携帯電話端末の開発や少量生産、保守など作業スペースが限られた場所での使用に最適です。
アンリツは、今回開発したMT8820B/MT8815Bを製造用測定器のプラットフォームとして、HSPAなど新たな通信方式への対応を図り、携帯電話サービスの円滑な普及に貢献してまいります。
(注)CDMA2000(R)は、Telecommunications Industry Association(TIA-USA)の登録商標です。
パラレルフォン(R)はアンリツ株式会社の登録商標です。
[開発の背景]
欧州をはじめ、アジアおよびアフリカなどでは、第2世代通信方式であるGSMが主流でしたが、W-CDMA/GSMデュアルモード携帯電話端末への移行が急激に進み、端末製造市場における第3世代携帯電話端末の製造数が急激に増加しています。また、国内においては、10月24日に開始されたMNP(Mobile Number Portability)を契機に、携帯電話事業者が、加入者拡大に向けて第3世代携帯電話端末の新機種を次々と市場に投入しています。このため、製造を短期間で行え、かつ端末単価のさらなる低減を可能とする製造用測定器へのニーズが高まっていました。
アンリツはこれまで各種携帯電話端末の製造用測定器として、ラジオコミュニケーションアナライザMT8820Aを提供してまいりましたが、今回測定速度のさらなる高速化に取り組み、ラジオコミュニケーションアナライザMT8820B/MT8815Bを開発。世界最高速での携帯電話端末のRF送信特性試験を実現するとともに、RF受信特性、呼接続試験も行え、製造ラインで必要とされる主要な測定を1台のMT8820B/MT8815Bで可能としました。
[製品概要]
ラジオコミュニケーションアナライザ MT8820B/MT8815Bは、W-CDMA/HSDPA、CDMA2000 1X/1xEV-DO GSM/GPRS/EGPRS通信方式など世界各国で運用されている携帯電話端末の製造用測定器です。各通信方式専用ハードウェアとソフトウェアをインストールすることで、各通信方式に対応した携帯端末のRF送受信特性と呼接続試験など製造ラインで必要とされる主要な試験が1台で行えます。
先進のDSP技術※1、並列測定技術※2により、世界最高速でRF送信特性試験が行えるとともに、消費電力の低減(従来機種の約30%削減)も実現。携帯電話端末の製造コスト削減が可能です。
また、一括して処理したい複数の測定項目を自由に選択できることに加え、各測定の繰り返し回数が個別に設定でき、主要な試験項目の合否判定を簡単かつ高速に行えます。
MT8820Bは、パラレルフォン測定機能の搭載が可能。1台のMT8820Bで2台の携帯電話端末を同時に測定できます。MT8815Bは、シングルフォン測定に限定していることから、コンパクトサイズを実現。省スペースで設置可能です。
[対象市場・用途]
□W-CDMA/HSDPA、CDMA2000 1X/1xEV-DO、GSM/GPRS/EGPRS携帯電話端末の開発・製造および保守
□W-CDMA/GSM携帯電話端末のオーディオ性能評価
[営業情報]
□予定販売台数 :国内/海外計 600台(初年度1年間)
□価 格:
・MT8820Bデュアルモード端末(W-CDMA/GSM/GPRS)パラレルフォン測定構成 1200万円
・MT8815Bデュアルモード端末(W-CDMA/GSM/GPRS)シングルフォン測定構成 650万円
※価格は測定用途によって異なります。
[用語解説]
※1 DSP技術:
デジタル信号処理(Digital Signal Processing)を駆使した信号解析技術
※2 並列測定技術:
端末の送信電力や変調精度といった複数の測定項目を一括で測定する技術