住友商事、ベトナム国営石炭・鉱物資源会社傘下の炭鉱操業会社の株式を購入
住友商事がVINACOMIN社傘下の炭鉱操業会社の株式を購入
【 概 要 】
住友商事株式会社(本社:東京都中央区、社長:岡 素之、以下住友商事)は、ベトナムの国営石炭・鉱物資源会社であるVietnam National Coal-Mineral Industries Group(ベトナム石炭・鉱物工業グループ、本社:Hanoi、Vietnam、総裁:Doan Van Kien、以下VINACOMIN社)傘下の無煙炭炭鉱操業会社2社の株式を取得した。
【 経緯と背景 】
現在ベトナムではWTO加盟を見据えて国営企業の民営化が加速的に進められており、ベトナムで石炭事業をほぼ独占的に行っているVINACOMIN社(ヴィナコミン社)は、傘下の無煙炭炭鉱操業会社4社の一部株式(20%)の売却入札を順次行っている。住友商事は一部株式売却される4社の内の2社の入札に参加し、それぞれ売却対象株式の5%を今回落札した。2006年11月中に払い込み予定。日本企業が、ベトナムにおいて石炭事業に投資するのは今回が初めてとなる。
無煙炭は、低揮発分で一般炭に比べて熱量(カロリー)が高く、主に製鉄会社の粉鉱石焼結用及び高炉PCI用(高炉吹き込み用)、一般産業の燃料用等として使用される。世界の無煙炭資源は偏在しており、ベトナムは無煙炭の一大生産国である。VINACOMIN社の2006年年間無煙炭生産量見込みは約3,700万トンに達する。日本の製鉄業界等は、VINACOMIN社と年間300万トン強の無煙炭売買契約を締結しており、これは日本の無煙炭年間輸入量の約半分を占めている。
住友商事はVINACOMIN社と十数年に渡り良好な関係を構築しており、VINACOMIN社の生産する無煙炭の日本向け販売の半分強を製鉄業界向けやセメント業界向けに取り扱っている。住友商事は本投資を足掛かりとして、今後のベトナムの国営企業の民営化に伴いVINACOMIN社との石炭事業に関する協力関係を更に強化し、同時に石炭以外の銅・ボーキサイトなどの鉱物資源に関しても協業関係を更に拡大していきたいと考えている。
ベトナムと日本は「日越共同イニシアティブ」の推進を初めとして、両国の政府・経済界の相互協力の元、ベトナムの投資環境改善に取り組んでおり、今後、日本からの直接投資(FDI)の拡大が期待されている。住友商事はタンロンにおいて日系企業向けの工業団地インフラ事業に取組むなど、今後も積極的にベトナムとのビジネスに取り組んでいく。
【 VINACOMIN社及び出資先の会社概要 】
社 名:Vietnam National Coal-Mineral Industries Group
本社所在地:ベトナム ハノイ
代表者:Doan Van Kien
資本金:2,830,444,000,000VND(約212億円)
資本構成:政府100%
従業員:約98,000人
主な事業内容:石炭、ボーキサイト、銅等の開発/生産/販売、発電事業 等
■今回の住友商事出資先2社
Cao Son Coal Company :年間生産能力:300万トン
Deo Nai Coal Company :年間生産能力:250万トン
(2社とも日本向け輸出用無煙炭の主力炭鉱の操業会社)
以 上