ルネサステクノロジ、ハロゲンフリー対応樹脂封止型ダイオードを新たに5製品追加
ハロゲンフリー対応樹脂封止型ダイオードの製品ラインアップを拡大
~0.6×0.3(mm)サイズのバリキャップダイオードに加え、TEFP、EFP、SFPタイプの3パッケージを追加~
株式会社ルネサス テクノロジ(本社:東京都千代田区、会長&CEO 伊藤達)は、このたび環境保全に対応するために、ハロゲンフリー対応樹脂封止型ダイオードのラインアップを拡大し、新たに5製品を製品化しました。2006年12月8日よりサンプル出荷を開始します。
本5製品は、従来、エポキシ樹脂の難燃剤に使用していたハロゲン物質の臭素(Br)(注1)に代えて、水酸化アルミニウム(注2)を使用した環境にやさしいTEFP(注3)、EFP(注3)、SFP(注3)タイプパッケージのダイオードです。
●PINダイオード(注4):
「HVL142AM-N」(TEFPパッケージ)、「HVL142-N」(EFPパッケージ)
●ショットキーダイオード(注5):
「HSL226-N」(EFPパッケージ)、「HRD0103C-N」(SFPパッケージ)、「HSD226-N」(SFPパッケージ)
ハロゲンフリー対応の樹脂封止型ダイオードの特長は以下の通りです。
(1)UL(注6)のUL94規格V-0(注7)認証を得たハロゲンフリー樹脂を採用
エポキシ樹脂の難燃剤を臭素から水酸化アルミニウムに変更し、ULのUL94規格V-0の認証を得た樹脂を使用しています。これにより、ハロゲン物質を全く使用しないため、環境保全及び向上に対応できます。
(2)従来の製品と同等の信頼性、特性を実現
エポキシ樹脂の難燃剤を水酸化アルミニウムに変更しても、従来製品と同等の信頼性、特性を実現でき、代替が可能となりました。
<製品化の背景>
当社は、欧州RoHS指令(注8)対応した鉛フリー化を進めるなど、かねてより環境の保全及び向上に取り組んでおります。半導体のモールドに使われるエポキシ樹脂の難燃剤に含まれている臭素はRoHS指令対象外ですが、環境に影響を与える可能性があるといわれています。このような背景と環境への影響を考慮し、当社では材料メーカと協力し、臭素を使用せずに従来と同等の難燃性を有する技術を水酸化アルミニウムで実現しました。当社は本技術を既にMP6パッケージ採用のバリキャップダイオード(注9)「RKV653KP」等に適用しており、今回そのシリーズ強化を目的に、TEFP、EFP、SFPパッケージへの製品展開を行います。
当社は、今後も環境保全に対応したパッケージの製品展開を図っていきます。
■注 記
(注1)臭素(Br):原子番号35の元素。ハロゲン元素の一つ。
(注2)水酸化アルミニウム(Al(OH)3):無機化合物。酸やアルカリに溶け、水、アルコールには溶けない。
(注3)TEFP:Thin Extremely small Flat lead Package(0.8×0.6mmサイズ)
EFP:Extremely small Flat lead Package(0.8×0.6mmサイズ)
SFP:Small Flat Package(1.0×0.6mmサイズ)
(注4)PINダイオード:P型半導体とN型半導体の間にI層(Intrinsic(真性半導体)層)を挿入し、PIN接合にしたダイオード。
主にデジタルセルラのアンテナスイッチやマルチメディアチューナのソース切替に使用される。
(注5)ショットキーダイオード:金属と半導体の接合面で生じる整流作用(ショットキー効果を利用したダイオード。高周波スイッチングを行うスイッチング・レギュレータ等の電流回路に使用される。
(注6)UL:Underwriters Laboratories Inc.(アメリカ保険業者安全試験所)の略称で1984年アメリカ合衆国デラウェア州法によって非営利団体として設立され、火災、盗難その他事故から、人名や財産を保護するための研究、試験、検査を行う。
(注7)UL94規格 V-0:ULが定めている燃焼性に関する安全性基準の一つ。
(注8)RoHS指令:RoHS--Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment。
EU(欧州連合)が2006年7月1日に施行した電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令。
(注9)バリキャップダイオード:正式にはバリアブルキャパシタンスダイオード(可変容量ダイオード)。
印加された逆方向電圧により容量が変化する特性を持つ。この性質を利用し、周波数調整に使用される。
*記載の製品名、会社名、ブランドはそれぞれの所有者に帰属します。
■応用機器例
PINダイオード:携帯電話、無線LANなど携帯機器の送受信切替スイッチ
ショットキーダイオード:携帯電話、無線LANなどの携帯機器の検波ミキサやスイッチング電源
■価 格
添付資料をご参照ください。
■お客様からの問い合わせ先
株式会社ルネサステクノロジ 汎用製品統括本部 汎用デバイス事業部 製品技術部
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)
電 話:03(5201)5241(ダイヤルイン)