富士キメラ総研、調査資料「2006 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.1」を発表
『2006 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.1』
~LCD市場は2011年11.9兆円、ディスプレイ市場の85%を占める~
設備投資のラッシュに沸くFPD業界は、『CRT-TV市場』を代替する供給体制が構築されつつある。その一方で、生産増強によるFPDの供給は、実需を上回るペースで進行しており、供給超過・過剰供給による単価下落が急速に進展している。
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 TEL:03-3664-5839 社長:表良吉)では、『2006 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.1』(A4版全444頁)をまとめた。本調査資料は、各種ディスプレイデバイスの市場規模推移、マーケットシェア、アプリケーション(応用製品)の生産動向を世界市場より調査・分析し、ディスプレイサイズ別用途の棲み分けの状況、将来展望を明らかにすることを目的とした。
調査対象品目は、1)ディスプレイデバイス・・・TFT・STN・有機ELなど19品目34セグメント、2)ディスプレイ応用機器・・・ノートパソコン・パチンコなど主要18品目を対象とした。
ディスプレイデバイス市場規模は、2005年9.43兆円の実績となり、前年に引き続き2桁成長の114.5%増となった。主にLCDがテレビ用途、PCモニタ用途が市場を牽引し、今後もディスプレイ市場全体を牽引することになる。2006年以降もディスプレイデバイス市場は年間平均で5~9%成長すると予測しており、2006年のディスプレイデバイス全体の市場規模は10兆円の大台を超え、10.18兆円を見込む。その後も市場は堅調な推移を辿り、2007年には11.11兆円、2008年11.69兆円、2011年には14兆円を超える規模を予測している。
LCDの全体市場は近年、設備投資が進展している。TFTはシャープ亀山第2工場(G8)、サムスンはG7の増強、G8の新設、LPLがG7.5の増強など40in以上の生産効率の高いラインが、設備投資の対象となっており、主にテレビ用途、PCモニタ用途が市場を牽引している。テレビ用途では、2005年から2006年にかけて30in以上のLCD価格が低下したことで、予想を上回るペースで需要が拡大した。2006年、LCDの全体市場ではテレビ用途で金額ベース29.9%を占めると見込む。2007年から2009年にかけてLCDは更に価格下落が進展、需要喚起がより進み今後もLCD市場を牽引する。2010年以降は、CRTの代替需要が飽和すると予測されるが、LCD市場全体のテレビ用途の割合は37.6%を占めると予測している。またPC用途では、2005年から2006年にかけて15/17inがLCD市場を牽引しており、2005年のLCDの市場の31.2%と一番大きな割合を占めていた。2006年以降、LCD市場における割合はテレビ市場の伸長により減少するが、金額ベースでの市場規模は穏やかに上昇していく。
LCD市場規模は、2005年7.3兆円(前年度比124.8%)の実績となった。2006年は7.9兆円を見込む。2007年以降、年平均7%から10%と順調な伸びと予測している。2009年は市場規模が10兆円を超え、2011年には11.9兆円まで伸長すると予測する。
PDP市場は、2001年頃までは主に公共表示モニタなどが主流であった。2002年以降は、民生(主にテレビ)用途による需要、特にワールドカップやオリンピックなどを契機に上昇し、現在では民生用途の割合は92.1%となっている。2005年、PDP市場は6,611億円の実績となった。海外生産は市場全体で約5割となっており、今後もこの割合に変化はない。2006年には、松下電器、LG、サムスンSDIなどが1,000億円以上の投資を計画・進行しており、生産増強のラッシュが進展、PDP各社の業界勢力図が確定しつつある。今後もPDP各社は、旺盛な需要に対して前倒しで生産増強を行なっており、2008年頃までこの兆候は継続すると予測される。PDP市場の全体規模は、2006年は1.06兆円、2009年は1.33兆円、2011年には1.36兆円と予測する。
ディスプレイデバイス世界市場(※添付資料参照)