JFEスチール、高潤滑性GA鋼板「JAZ」を自動車メーカー向けに供給開始
自動車用高潤滑性GA鋼板『JAZ(R)』の量産開始
― プレス成形性に優れた高潤滑性合金化溶融亜鉛めっき鋼板への需要拡大に対応 ―
当社は、このたび、プレス成形性に優れた自動車用防錆鋼板の需要拡大に対応した、高潤滑性GA鋼板 『JAZ(R)(JFE Advanced Zinc)』(注1)の量産を開始いたしました。東日本製鉄所(千葉地区)と西日本製鉄所(福山地区)での量産体制を確立し、複数の自動車メーカー向けに本格的に供給を開始しました。
自動車車体用防錆鋼板の分野では、車体の設計自由度・生産性向上のため、GA鋼板の中でも特にプレス成形性に優れた高潤滑性GA鋼板の需要が高まっています。従来は、GA鋼板の表面に電気めっき、リン酸塩、金属塩等の潤滑皮膜を付着させた鋼板などが使用されてきました。当社は、従来の高潤滑性GA鋼板のように潤滑皮膜をGA鋼板の表面に付着させるのではなく、亜鉛めっきの表面を改質してナノレベルの厚さの表面改質層を形成し、プレス金型との凝着(注2)を抑制することで、優れたプレス成形性を有する高潤滑性GA鋼板 『JAZ(R)』を開発し、量産を開始しました(図1)。
『JAZ(R)』は、従来の高潤滑性GA鋼板に含まれているリン酸塩や重金属元素を全く使用しない、環境に優しい製品です。また、溶接性、接着性、化成処理性、塗装性は従来のGA鋼板と同等です。サイドパネル、フェンダー、ドア、ホイルハウスなど、自動車車体用の成形が難しい外板および内板等に適用可能です。
当社は、『JAZ(R)』を、自動車用高潤滑性GA鋼板の主力商品と位置付け、広州JFE鋼鉄有限公司の溶融亜鉛めっきライン(CGL)、来年稼働予定の西日本製鉄所(福山地区) 第4溶融亜鉛めっきラインでも生産し、供給を拡大してまいります。
(注1)GA鋼板(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、Galvannealed Steel Sheet): 溶融亜鉛めっきを行い、再加熱して亜鉛層を鉄と合金化させたもの。表面の合金化層により、金型との摩擦抵抗が低く、プレス成形性に優れています。
(注2)凝着(ぎょうちゃく):
固体同士の接触面で、お互いの表面の原子が及ぼし合う結合力により固体同士がくっつく現象。凝着は、鋼板とプレス金型の摩擦を発生させる要因の一つ。
(図1)プレス成形性比較:(※参考図は添付資料参照)
関連情報 (製品情報> 薄板) http://www.jfe-steel.co.jp/products/usuita/index.html
関連情報 (製品情報> 自動車) http://www.jfe-steel.co.jp/products/car/index.html
以 上