STマイクロ、イタリアにMEMSデバイス専用の200mm半導体ウェハ製造ラインを建設
STマイクロエレクトロニクスはイタリアに新しい最先端の200mm MEMS製造ラインを建設
世界最大の半導体サプライヤの1つであり、MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイス分野のリーダーでもあるSTマイクロエレクトロニクスは、イタリアのミラノに近いSTのアグラテ工場にMEMSデバイス専用の新しい200mm(8インチ)半導体ウェハ製造ラインを落成したことを発表しました。STは主要MEMSメーカーとして世界で初めて200mmウェハを使用してデバイスを生産します。これによってデバイスコストを抑えることができ、現行のMEMSビジネスの拡大と新規市場開拓の両方を加速させることが可能になります。
シリコンが持つ電気特性と機械特性を同時に活かすMEMSテクノロジーは、コンピュータ、コンスーマ、自動車、および産業分野における幅広いアプリケーションで急速に採用されています。これらの分野では、エネルギーの節約、機器の操作性向上、およびゲーム・システムでのさらなるリアリティの追求と対話型操作という面で、物理的な動きや傾きを測定または検出する機能が重要になると考えられます。
STイタリアのジェネラル・マネージャであるPietro Palellaは、次のように述べています。「200mm製造ラインに対する多額の投資は、イタリアにおける競争力のある製造拠点を維持するためのSTの取組みを示すものです。STは、グローバルな製造体制をさらに強化するために、確立された製造技術を東アジアに移管する一方で、ヨーロッパにおいては最先端技術への投資を継続的に行っています。この新しいMEMS製造設備の完成により、新たな最先端分野におけるSTの地位が強化されることになります。STのMEMSテクノロジーは、ミラノ近郊にあるカステレット設計センターで開発されたものであり、同センターはMEMSの技術革新の中核となっています。そして今回アグラテ工場が、世界で最も進んだMEMS製造ラインを擁するようになりました。」
落成式典では、イタリアの学会、出版界、実業界の主要関係者による「ハイテク産業におけるイタリアの役割」についての討論会、STのMEMS事業部ジェネラル・マネージャであるBenedetto Vignaによる「MEMS市場の概要とビジネス・チャンス」に関する講演、さらに東芝PC開発センターのグループ・マネージャであるTsukazawa Hisao氏によって、「ノートPCにおけるMEMSの採用事例」についての講演が行われました。
STのMEMS事業部ジェネラル・マネージャであるBenedetto Vignaは講演の中で、次のように述べています。「2005年から2010年の5年間で約100%の成長が見込まれるMEMS市場は、半導体業界で最もエキサイティングな分野の1つであり、アグラテ工場で新たに操業を開始した最先端の製造ラインによって、この分野のSTのリーダーシップをさらに強化することができます。」
現在までに、STは約4000万ドルを投資して、従来の150mm(6インチ)製造エリアを最新鋭の200mm(8インチ) MEMS製造ラインに転換しました。現時点でおよそ1,300平方メートルのMEMSデバイス専用の新ラインでは100人以上が製造作業を行っており、カステレットを拠点とするMEMS研究開発活動のサポートも行います。このMEMS専用エリアは、市場の需要増に合わせて2,500平方メートルへとさらに拡張する予定です。
全世界のMEMS市場は2010年までに100億ドル規模に到達すると予測される中で(*)、STは拡大する市場ニーズに応えるべく革新的な加速度センサ、ジャイロスコープ、超小型マイク、圧力センサなど数億個にのぼるさまざまなMEMS製品部品を製造します。
* 米国市場調査会社インスタット社によるマーケット・リサーチ「Nexus and Yole Development」のデータをもとにSTが予測
【 STマイクロエレクトロニクスについて 】
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2005年の売上は88.8億ドルで、純利益は2億6600万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6018 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟18階
STマイクロエレクトロニクス(株)
MPAグループ
TEL:03-5783-8250 FAX:03-5783-8218