日本郵船、8600TEU型コンテナ船「NYK VEGA」を竣工
8600TEU型コンテナ船"NYK VEGA"竣工
当社はこのほど、韓国の現代重工業(株) 蔚山(ウルサン)造船所にて当社最大のコンテナ船"NYK VEGA"の引渡しを受け、共同運航組織「グランドアライアンス」の欧州航路"EU4"(注)に投入しました。"NYK VEGA"は、当社が現代重工業(株)と(株)アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドに4隻ずつ合計8隻発注した当社最大の8600TEU型コンテナ船の第一船です。
当社はこの度の大型コンテナ船の投入により、中国を中心として拡大する輸送需要に対応すると共に、新鋭船によるスケジュールの安定化、船体の大型化によるコスト競争力の強化を図ります。今後8隻のシリーズ船は2008年前半までに順次竣工し、グランドアライアンスの欧州航路に投入される予定です。
尚、"NYK VEGA"を含め新造するコンテナ船8隻は、以下の通り電子制御エンジンや燃料油の流出を防止する船体構造の採用など、最新の環境対策を施しました。当社は今後とも新造船の建造にあたり、地球環境に優しい最新技術の開発導入を積極的に進めていきます。
1)電子制御エンジンの採用
エンジンの燃料噴射と排気弁開閉のタイミングを電子制御システムでコントロールし、あらゆる回転域でのエンジンの燃焼効率を最適化します。特に、低回転域でも高い燃料噴射圧を維持できる為、燃焼効率が改善し燃料消費量を減らすと共に、NOx、煤煙の排出を従来の同型船に比べて13%程度削減します。また、従来のエンジンより安定した燃焼状態が保たれ、エンジンの負荷が軽減される事でエンジンそのものの信頼性が向上しています。
2)燃料油流出を防ぐ船体構造の採用
海難事故において船体側面に損傷を負った場合の燃料油流出の危険性を減らす為、燃料タンクを船体の側面から船倉と船倉を仕切る隔壁部に移した船体構造を採用しています。
3)陸上給電設備(AMP: Alternative Maritime Power)に対応
船の停泊中に必要な電力の供給を陸上の給電設備から受ける為の装置で、船上での発電による排気ガス(NOx, SOx)等の発生を減らす事ができます。当社では既に6200TEU型 コンテナ船"NYK ATLAS"に本装置を搭載しており、それに準じた装備を行う第2船となります。
【"NYK VEGA"概要】
全長 :338.17メートル
型幅 :45.60メートル
計画満載喫水 :14.50メートル
総トン数 :97,825トン
載貨重量トン数:約94,000トン
主機関 :B&W 12K98MC (出力 約87,060馬力)
造船所 :現代重工業(株)
(注)EU4:
当社が所属する共同運航組織「グランドアライアンス」によるアジアと欧州を結ぶ5つの航路(EU1~EU4、及びEUM)の内の一つで、北アジア・シンガポール・マレーシア・サウジアラビアと欧州を結ぶ航路。
投入船 :7,500-7,900TEU型コンテナ船9隻による週一便定曜日サービス
寄港地 :大連(中国)-新港(中国)-青島(中国)-釜山(韓国)-上海(中国)-寧波(中国)-シンガポール-ポートケラン(マレーシア)-ジェダ(サウジアラビア)-ロッテルダム(オランダ)-ハンブルグ(ドイツ)-サザンプトン(イギリス)-シンガポール-高雄(台湾)-釜山(韓国)-大連(中国)-
以上