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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.26.Tue
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2007'05.27.Sun

NTTファシリティーズ、直流給電方式を全面採用した新オペレーションシステムを運用

世界初、直流給電方式を全面採用した新オペレーションシステムの運用を開始
~情報通信のBCPを強力にサポートする高信頼・高効率で地球環境にやさしいシステムを開発~


 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長:森 勇)は、情報通信サービスの安心・安全・信頼を更に強化するため、情報通信システム用の電源・空調装置を24時間365日絶え間なく監視・制御するとともに、設備管理・保守作業管理等、幅広い業務を横断的にサポートできる新たなオペレーションシステム(以下、本システム)を開発し、12月から運用を開始しました。
 本システムは、大規模な災害発生時でも平常時と同様の監視・制御を継続可能な性能と機能を有しており、今日、企業にとって生命線とも言える情報通信システムが停止するリスクを低減し、事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)をサポートします。弊社においては、高信頼・高効率の直流給電方式を推奨しており、この規模のオペレーションシステムとしては世界で初めて *直流給電方式を全面採用した、地球環境にもやさしいシステムです。
 本システムを始めとする各種オペレーションシステムにより、全国約8000ビル、20万装置におよぶ電源・空調装置に対して、お客様のニーズに合わせた監視・保守サービスを提供します。
*:当社調査による。


1.背景
 近年の情報化の急速な進展にともない、企業などにおける情報通信システムの役割は極めて重要であり、事業経営に欠かせないものになっています。一方、地震・水害といった自然災害などへの対応として注目されているBCP策定などの観点から、情報通信システムのリスクマネジメントを徹底することが急務となっています。
しかしながら、”生命線”ともいえる情報通信システムを支える環境については、電源の供給停止やサーバが高発熱化されたことによる空調能力の低下・停止などさまざまなリスクが潜んでいるにも関わらず軽視される傾向にありました。情報通信システムの信頼性を確保するには、情報通信システムを支える電源・空調システムの役割は非常に大きなものになっています。
 これらの社会的動向に対応するため、情報通信システムを支える電源・空調システムを監視する、より高信頼なオペレーションシステムを新たに開発し、導入することとしました。


2.概要
 弊社では、これまで、情報通信システム用の電源・空調装置の監視・保守において、監視システム(通称:ALICE *)と設備マネジメントシステム(通称:SOPHIA *)の2つのシステムを併用し、運用してきました。
 今回、老朽化したALICEのハードウェアとソフトウェアを全面的に更改するとともに、SOPHIAのソフトウェアにも大幅な改造を施し、2つのシステムを統合する新たなオペレーションシステム(設備運用統合管理システム:通称MaRIA*)を開発しました。
 これにより監視情報と設備情報が高度に連携し、情報の把握が容易になりました。また、気象情報や交通情報などの市中情報、IP電話、Web技術など最新技術も取り入れて、オペレータ支援のための機能拡充を図り、更なる情報通信サービスの高信頼化、高品質化に寄与します。
*:ALICE、SOPHIA、MaRIAは、全てNTTファシリティーズの社内呼称です。


3.主な特徴
(1)オール直流化による高信頼・高効率・省スペースを実現
 本システムでは、データベースサーバ、ストレージ及びルータ等のすべてに直流給電方式を採用しています。直流給電方式の特徴は次のとおりです。
1)高い信頼性(交流給電方式の10倍)
 直流給電方式は電源装置の出力電圧を制御するだけで運転が可能になるため、複雑な回路構成の交流給電方式に比べ回路構成が非常にシンプルです。さらに、停電・故障時などには蓄電池から直接電力が供給されることから、交流給電方式に比べ約10倍の信頼性を得ることができます。
2)高効率で地球環境にやさしい(交流給電方式より20%高効率)
 バックアップ用蓄電池は直流動作のため、交流給電方式ではAC→DC→ACと交流を一度蓄電池に充電するための直流に換え、再び交流に戻すので2回の変換を必要としますが、直流給電方式はAC→DCの1回の変換で済むため変換ロスと発熱が小さく、一般的に交流給電方式に比べてトータルの変換効率が高く、最大20%程度向上します。本システムではオール直流化により、年間約220万円の電気料金と二酸化炭素排出量77t-CO2/年の削減が可能で、地球環境に優しいシステムです。
3)設置面積の省スペース化(交流給電方式の1/2)
 前に述べたように回路構成がシンプルなことから、同じ電力容量の交流給電方式に比べると約1/2の電源設備スペースで済みます。

(2)サーバ等の冗長化とネットワークの二重化による高信頼化
 データベースサーバ、ストレージ及びルータ等を冗長化し、どの装置で故障が発生しても異常を検出して自動的に切り替える構成にしています。
また、警報情報を収集するネットワークについても二重化しており、回線故障発生時には、自動的にもう一方のネットワークへ切り替わり監視業務の継続が可能です。

(3)システム性能の大幅向上
 監視対象(約8000ビル、20万装置)が大規模なことから、広域停電などの大規模災害時には多数の警報が集中して発生します。警報多発時にもオペレータが迅速に対応できるよう、発生した警報を遅延なく表示させるため、各サーバに処理要求を均等に配分する負荷分散装置を導入し高負荷対策を実施するとともに、警報表示性能の大幅な向上を図りました。
 例えば、関東全域にわたる広域停電が発生した場合においても遅延なく警報を表示できるよう処理能力を向上させました。

(4)相互代替機能による監視業務の事業継続化-激甚災害対応機能(ディザスターリカバリ)-
 東日本と西日本の全国2拠点のオペレーションセンタで24時間365日体制が取られ、万一の大規模激甚災害により東・西のいずれかのオペレーションセンタが監視不能に陥った場合でも、他方のオペレーションセンタに機能を移し、監視業務が継続できる相互代替機能を備えており、事業継続計画(BCP)のサポートを確実なものにしています。


4.監視システム機能
 監視システムに必要なものとして、警報の発生状況の把握、設備状態の把握、対応状況の把握、設備の運転制御などがあります。
本システムでは、これらが更に品質良く効率的に行えるよう、人に頼ってきたノウハウを監視システムの中に取り込み、オペレータが迅速かつ確実に判断できるようにしました。

 各機能の概要は以下のとおりです。

(1)警報発生状況の把握
 災害時等、故障や停電の警報が多発してもオペレータが正しく判断出来る様に、優先順位の低い警報については表示を抑止し、重要な警報の見落としを防止しています。

(2)設備状態の把握
 設備の運転状態を取得し、リアルタイムで設備の運転状態が把握可能です。また、停電発生前の状態を記録し、停電前後での設備の状態変化や電圧・電流等の計測値の変化も容易に把握できます。

(3)対応状況の把握、管理
 故障発生やお客様からの問合せ等に対するオペレータや保守者の対応状況を一元的に管理します。ここで管理している情報を参照する事により、事務所等においても対応内容や進捗状況について情報共有が図れます。

(4)設備の運転制御
 設備の運転系統の切り替えや、空調装置の温度設定変更といった、設備に対する切り替え制御が行えます。


5.本システムを構成するサブシステム
 本システムは監視システム以外に、大きく分けて設備管理、保守者支援、作業管理の3つのサブシステムから構成されており、監視サービスをサポートするとともに、保守サービスに活用します。また、監視システムを含めたそれぞれのサブシステムが、共通のデータベースから必要なデータを組み合わせて処理し、表示します。

(1)設備管理システム
 現行のALICE/SOPHIAでは、各々のシステムがそれぞれ別々にデータを管理し、一部のデータ連携を除くと、基本的にシステム間でのデータのつながりはありませんでした。
 本システムでは、監視情報と設備管理情報が高度に連携することにより、オペレータは警報情報だけでなく警報発生した装置の設備データや故障履歴、関連する バックアップ電源の運転可能時間等、保守・運用に関する様々な情報を迅速かつ容易に把握でき、より正確な判断が可能になります。
 システム全体でコード体系を統一し共通データ化を図るとともに、データ作成の全ての操作が設備管理システムの機能で一元的に行えるよう高度化を図ることにより、データ各々が関連性を持ち最適化され、データのシームレス化・シングルインプットを実現しました。

(2)保守者支援システム
 保守者支援システムでは情報のユビキタス性が実現されており、迅速で的確な故障対応を可能にしています。
 オペレータは警報発生情報の内容により、お客様への連絡や、保守技術者の派遣が必要と判断した場合は保守センタへ対応を要請します。対応を要請された保守センタは、保守者支援システムから詳細な情報を収集し、保守技術者を現地へ派遣します。派遣された保守技術者も、携帯電話のWeb閲覧機能などを利用して保守者支援システムから情報把握することができ、故障対応の技術支援が必要な場合は、オペレータ、管理者などとも情報共有が可能で、適切な故障修理のサポートを受けることができます。

(3)作業管理システム
 登録した作業スケジュールに基づき、自動的に遠隔試験の実施やその結果を一元的に管理するとともに、保守技術者の作業管理も行います。また、災害時等における電源の確保として使用する移動電源車の運行状況、使用状況、手配先などを一元管理し、災害時の迅速な手配を可能にしています。


6.今後の展開
 現行システムからの移行を12月より順次実施し、平成18年度中に全て完了する予定です。本システムによる高信頼の広域遠隔監視サービスをはじめとする様々な監視・保守サービスを、全国約180ヶ所の保守拠点と連動し、お客様に提供してまいります。

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