STマイクロ、小型でフレキシブルな3軸加速度センサを発表
STマイクロエレクトロニクスは
小型でフレキシブルな3軸加速度センサを発表
MEMS(Micro-Electro-Mechanical-System)デバイスの主要メーカーであるSTマイクロエレクトロニクスは、小型かつ低消費電力を特徴とした低重力リニア加速度センサの新ファミリを発表しました。豊富な機能を持つLIS302センサは、携帯電話、デジタル・オーディオ・プレーヤ、ノートPCなどにおいて需要が高騰するHDD保護およびモーション・コントロール動作などの高性能機能を提供します。
STの新しい3軸加速度センサは、超小型パッケージにより最終製品の小型化に大きく貢献します。STが開発した3×5×0.92mmのプラスチック・パッケージは、携帯電話およびその他のポータブル電子機器の小型化および軽量化の要求を完全に満たしています。この新しい加速度センサは低消費電力(1mW)で高性能を発揮し、超小型で堅牢な設計により0.1msに最大10,000gの振動および衝撃に耐えられる非常に高い電磁波耐性を実現します。
LIS302シリーズは、組込み機能付きアナログ装置からデジタル・インタフェース付きスマート・センサまで、広範な低重力アプリケーションにおいて、モバイル機器のHDD保護から直感的なマンマシン・インタフェースに至るまで様々なシステムのニーズとハードウェアの特性に対応します。
STのLIS302DLは、標準的なSPI/I2Cデジタル・インタフェースと、個別にプログラム可能な2つの割り込み信号を持つ業界初のセンサです。2つの独立した信号により、端末装置の「自然落下(フリー・フォール)」状態と「急降下」状態を同時にモニタリングできます。一方、両方の信号を使うことにより、いずれかの状態を2つの異なるしきい値でモニタリングすることも可能です。たとえば落下と回転を識別できるので、メーカーはさらに自由かつ柔軟にアプリケーションの設計および設定を行うことができます。
もうひとつの新製品であるアナログ出力のLIS302ALBセンサは、多重化信号だけでなく、3軸(x、y、z)すべての加速度値を別々に検出することもできます。3つの信号から1つ信号を選ぶマルチプレクサが内蔵されているため、コストおよびボード上のスペースを削減でき、さらに、複雑なアナログ・ネットワークによくあるレイアウトによるリスクを低減できます。
STの新しいLIS302加速度センサは、モバイル機器およびゲーム機において、ハードディスクのデータ保護のための落下検出、振動のモニタリングおよび補償、盗難防止および車両ナビゲーション・システム、またはモーション・ユーザ・インタフェースなど、幅広いアプリケーションに適しています。
STのMEMS部門ジェネラル・マネージャであるBenedetto Vignaは次のように述べています。「STは、大規模コンスーマ市場に向けて、MEMS製品の製造を開始し、低価格のQFNパッケージ(サイズ:7×7×1.8mm)による加速度センサを幅広く提供してきました。また、世界で初めてMEMS用プラスチックLGAパッケージ2種(サイズ:7×5×1mmと5×5×1.5mm)を開発しました。この2種類のパッケージは、現在も量産中です。今回発表する新製品のLIS302ファミリは、わずか3×5mmの面積と0.9mmの薄さという超小型製品でありながら、この新世代LGA製品は、わずか1mWという低消費電力を実現する素晴らしい加速度センサです。アナログ/デジタル製品の両方で使用でき、使い易い割込み信号も用意しています。」
LIS302DLおよびLIS302ALBセンサは2006年第3四半期より一部の市場に限定して量産が開始されており、2006年末までには全ての市場に対して供給可能の予定です。どちらのデバイスも、STのECOPACK、RoHS準拠(EUの有害物質使用制限指令)の鉛フリー技術が使用され、さらに超小型の鉛フリーLGA(Land Grid Array)にパッケージングされ、チップサイズは5×3×0.92mmです。価格は、1万個購入時でLIS302ALBが4.5USドル、LIS302DLが5USドルです。
LIS302加速度センサおよびSTのMEMSポートフォリオについての詳細は
http://www.st-japan.co.jp/products/families/sensors/motion_sensors.htmを参照下さい。
STのMEMSポートフォリオについて
STのMEMS慣性センサは、コンピュータ周辺機器、民生品、電気通信業界および車載市場の幅広いアプリケーションをターゲットとしています。STの加速度センサにより、車の警報装置システムが配備され、エレクトロニクス家電の過剰な振動が検出されます。さらにSTのMEMSデバイスは、ゲーム機および携帯アプリケーションにおいて直感的なマンマシン対話を実現するという新しい可能性を開き、ユーザが機器を好きな方向にただ傾けるだけでシステムを操作できます。市場アナリストの予測によると、2010年までにハードディスクを持つ携帯用機器(ノートPC、オーディオ・ビデオ/プレーヤ)1台および携帯電話1台につき1つの加速度センサが搭載される見込みで、その結果全体の数量は12億以上と予測されます。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2005年の売上は88.8億ドルで、純利益は2億6600万ドルでした。
さらに詳しい情報は、STのホームページをご覧ください。
ST日本法人 http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語) http://www.st.com
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