NECエレクトロニクス、多様な音楽データを携帯電話で再生できるオーディオプロセッサを発売
「Windows Media(R) Player」や「iTunes(R)」で符号化した音楽データを
携帯電話で再生できるようにするオーディオプロセッサの発売について
~業界最高クラスの60時間連続再生を実現~
NECエレクトロニクスは、携帯電話向けLSI事業の強化として、「Windows Media(R) Player」や「iTunes(R)」など、多様な音楽プレーヤーソフトを用いて符号化(エンコード)したデータを携帯電話で再生できるようにするオーディオプロセッサを製品化し「AP131」の名称で本日よりサンプル出荷を開始いたしました。
新製品は、音楽再生専用のCPUとデジタル・シグナル・プロセッサを内蔵し、携帯電話に搭載されて、通信を担うベースバンドLSIと接続して用いられる、音楽再生に特化されたLSIであります。
新製品の主な特長は、(1)従来から対応していた音楽プレーヤーソフト「MOOCS player」で符号化したデータに加えて、「Windows Media(R) Player」や「iTunes(R)」などの音楽プレーヤーソフトで符号化した音楽データも再生できること(注)、(2)現行機種より10時間長い、業界トップクラスとなる最大約60時間の連続再生ができること、(3)聞く人を取り囲むように臨場感あふれる音楽再生ができるサラウンド機能を搭載したこと、(4)現在用いているベースバンドLSIをそのまま用いた端末構築が可能であり、既存の資産を有効に活用できること、などであります。
このLSIを用いると携帯電話メーカーは、多様な音楽データを長時間再生できる携帯電話が少ない開発工数で容易に構築できるようになります。
新製品のサンプル価格は1,000円であります。当社では、新製品を量産できる体制を既に整えており、来年度中には月産約100万個の生産規模を実現する計画であります。
近年、携帯電話の利用方法は多様化し、その一例として、音楽コンテンツを用いて、音楽プレーヤーとしての用途が急速に普及しております。
このよう状況で、音楽データをダウンロードしたり管理したりするソフトウェアも多様化し、様々な形式のソフトウェアが存在するようになりました。
また、音楽再生に対応した従来の携帯電話では、その機能をベースバンドLSIやアプリケーションプロセッサを用いて実現している形式が多く、音楽再生のみを行う場合も消費電力が大きいこれらのLSIを稼動させてしまうことで、電池の消耗が激しくなり長時間再生が困難であるという問題がありました。
当社ではこのような問題を解決するため、従来の「SDオーディオ」に加えて、「Windows Media(R) Player」や「iTunes(R)」という急速に普及している音楽再生ソフトのデータにも対応し、業界最長クラスの再生時間を実現した新製品を発売することにいたしました。
新製品の特長は次の通りであります。
(1) 「Windows Media(R) Player」や「iTunes(R)」のデータも利用できる
現行機種で対応していた音楽データのフォーマット「SDオーディオ」に加えて、第三世代携帯電話の標準化団体が標準フォーマットとして採用している「MP4」やマイクロソフト社が開発したデータフォーマット「ASF」にも対応している。
これにより、従来から対応していた「MOOCS Player」で符号化したデータに加えて、「Windows Media(R) Player」や「iTunes(R)」などで符号化した著作権保護機能(DRM)に対応していないデータが再生できる。
(2)業界トップクラスの最大60時間連続再生を実現
動作クロックを細かく制御できる機能を搭載し、現行機種に比べて約15%の低消費電力化を実現した。
これにより、現行機種より10時間長い、業界トップクラスとなる最大約60時間の連続再生ができる。
(3)サラウンド再生機能を実現
サラウンド再生を実現するハードウェアを内蔵しているため、臨場感にあふれる音楽再生が可能となる。
(4)既存の資産を有効に活用できる
接続されたベースバンドLSIに依存せずに音楽再生ができる。
これにより、現在用いているベースバンドLSIをそのまま用いた端末構築が可能であり、既存の資産を有効に活用できること、などであります。
当社では今回の新製品が、増大の一途を辿る携帯電話メーカーの開発負担を軽減し、携帯電話ユーザーの豊かな音楽利用を実現するものと確信しているため、開発の継続と積極的な販売活動の展開を計画しております。
なお当社では、本年2月12日から15日まで、スペイン バルセロナで開催される携帯電話、ネットワーク機器の展示会「The 3GSM World Congress 2007」に新製品を出展する予定であります。
新製品の詳細と主な仕様については別紙をご参照ください。
以 上
(注) 「Windows Media(R) Player」や「iTunes(R)」などで符号化した音楽データのうち、DRMに対応していないデータのみ再生可能。DRMに対応していないデータとは、「MOOCS」、「Windows Media(R) Player」、「iTunes(R)」などのソフトを用いてユーザー自身が符号化したデータのこと。
(備考)
・言及した製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標。
・Windows Media(R)は米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標。
・iTunes(R)は、米国及びその他の国におけるApple Computer, Inc.の商標または登録商標。
・MOOCSはニフティ株式会社の日本における登録商標。