大日本印刷、ICチップと受動部品を内蔵した携帯電話用プリント基板を開発
大日本印刷 携帯電話の小型化・高機能化に対応したICチップと受動部品を内蔵したプリント基板を開発
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円、以下:DNP)は、ICチップとコンデンサーや抵抗器などの受動部品※1を内蔵したプリント基板を開発しました。
DNPは、今回開発した部品内蔵プリント基板を、薄型・高密度化が必要な携帯電話に搭載されている、モジュール向けに1月から試作品の供給を開始します。また、実装適正や接続信頼性などの検証を進め、2008年より量産を開始する予定です。
DNPは、独自のビルドアップ基板※2製造技術であるB2it(ビー・スクエア・イット)※3を使用し、層間の接続位置を自由に構成することができます。今回、この技術を応用し、絶縁層と配線層を積層する際に、基板内部にICチップと受動部品を組み込むことで、プリント基板のさらなる小型化を実現しました。
【背景】
近年、携帯電話は、カメラの高画素化やワンセグ放送への対応、電子マネーへの対応などの高機能化を進めながら、より小型化の要望があり、機器を構成するモジュールなどの部品に対しても、小型化・高機能化の要求が強まっています。
DNPは、2006年4月より、コンデンサーや抵抗器などの受動部品を内蔵したプリント基板の量産化を開始し、既に月産100万個以上の受注実績を持っています。今回、より小型化・高機能化の要望に応えるために、受動部品に加え、ICチップも同時に内蔵したプリント基板を開発しました。
【特長】
LSIなどのICチップと受動部品を、基板の内部と表面に両方に実装することで、小型化、高密度化が実現できます。
層間の接続位置を自由に配置できるため、基板内部のICチップや受動部品と、基板上に配置した部品を、最短で接続することができ、ICチップの動作の安定し、モジュールとしての信頼性が向上します。
プリント基板上にICチップを実装した場合、他の部品との干渉を防ぐアルミ製のシールドキャップが必要な場合がありますが、ICチップを内蔵した場合、基板自体がシールド効果を持つためシールドキャップが不要になり、より薄型化が実現できます。
なお、DNPは、1月17日(水)から東京ビックサイトで開催される「インターネプコンワールドJAPAN 2007(第8回プリント配線板EXPO)」のDNPブースに、本製品を展示します。
※1 受動部品
コンデンサーや抵抗器など、供給された電力を消費・蓄積・放出する受動素子を形成した電子部品。
※2 ビルドアップ基板
薄膜を下層から順に積層していく手法を用いて、絶縁層と配線層を積み上げて作成したプリント基板。
※3 B2it(ビー・スクエア・イット)技術
ビルドアップ基板において、スクリーン印刷により形成したバンプ(層間を電気的に接続するための伝導性を持ったペースト)で層間接続(ビア接続)を行うDNPの独自技術。基板にあけた穴に、銅めっきを施し、層間を電気的に接続するスルーホールがないため、部品を実装できる領域が広く、全層にわたって自由に接続位置を配置ができることから設計の自由度が高いなどの特長を持っている。