ファーマフーズなど、GABA配合飲料に心身疲労軽減と作業量向上効果など研究成果を発表
GABA配合機能性飲料に心身疲労軽減と作業量向上効果
-共同研究で明らかに-
静岡県立大学大学院 生活健康科学研究科(教授:横越英彦)、株式会社ファーマフーズ(本社:京都府京都市)、株式会社コカ・コーラ東京研究開発センター(本社:東京都渋谷区)は三者の共同研究で、食品素材である「GABA(γ-アミノ酪酸)(*1)」を配合した機能性飲料に、心身疲労軽減と作業量向上効果があることが、ヒト試験により明らかになったと発表致しました。
この発表は、3月24日(土)~27日(火)に開催された日本農芸化学会2007年度大会において行ったもので、ストレス社会と言われる現代社会における、人々の心身疲労に因る作業量(パフォーマンス)の変化に着目し、「普段から心身共に疲労を感じているヒト」を対象に、「GABA」配合機能性飲料の心身疲労軽減と作業量向上効果を検証することを目的に2006年に実施したヒト試験の結果です。
被験者は、24歳から43歳の健常な成人男女30名(平均年齢31.7歳、男性16名・女性14名)を対象に各種調査(POMS/疲労アンケート/VAS)により「普段から心身共に疲労を感じているヒト」のスクリーニングを実施し、最終的に9名(平均年齢28.9歳、男性4名・女性5名)に絞込みました。
同ヒト試験では、「GABA」無配合機能性飲料(プラセボ)を摂取した場合、「GABA」25mg配合機能性飲料を摂取した場合、「GABA」50mg配合機能性飲料を摂取した場合のクロスオーバーデザインとしました。被験者に上記3種類の試験飲料を摂取させ、内田クレペリンテスト(*2)により精神負荷(ストレス)を与え、同テストの正解回答総数を調べると共に、試験飲料摂取前(試験前)、摂取30分後(前半終了時)、摂取50分後(後半終了時)の唾液中のクロモグラニンA(CgA*3)、およびコルチゾール量から、「GABA」配合機能性飲料の心身疲労軽減と作業量向上効果を検証しました。
その結果、プラセボ飲料摂取の場合と比べ、「GABA」50mg配合機能性飲料を摂取した場合、VASによる疲労感が有意に軽減され、摂取30分後、50分後の唾液中のCgA量、コルチゾール量が有意に抑制され、クレペリンテスト正解回答総数の有意な増加が認められました。このことから「GABA」50mg配合機能性飲料には「普段から心身共に疲労を感じているヒト」に対し、心身疲労を軽減すると共に作業量(パフォーマンス)向上効果があることが実証されました。
*1)「GABA」:
γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略で、植物や動物の体内に広く分布する天然のアミノ酸の一種。
*2)内田クレペリンテスト:
ドイツの精神医学者であるクレペリンが発見した作業曲線をもとに、日本の内田勇三郎が1920年代から1930年代にかけて開発した性格検査・職業適性検査。ひと桁の足し算を5分の休憩をはさんで前半15分、後半15分の30分間行なわせた上で、1分ごとの作業量の継時的な変化のパターンから性格や適性を診断する。
*3)CgA:
自律神経の刺激によって副腎髄質やその他の内分泌組織の分泌顆粒細胞から放出される主要なタンパク質の一種。ストレスに対する生体反応を知る上での新しい生理指標として期待されている。
■各社/各機関について
静岡県立大学大学院 生活健康科学研究科(所在地:静岡県静岡市)
総合的な健康の維持,増進および快適環境の創造をはかるための教育・研究を行い,食と環境に関する社会的な要請に適切に対応できる高度な専門技術者や研究者を育成することを目的に、平成3年に開設。研究科長 木苗 直秀。
株式会社ファーマフーズ(所在地:京都府京都市)
最先端のバイオ技術を駆使し、国内および海外の大手企業と提携し、機能性食品素材の提供・販売を行う。京都府ベンチャー企業の認定を受けて、1999年設立。
代表取締役社長 金 武祚。
株式会社コカ・コーラ東京研究開発センター(所在地:東京都渋谷区)
米国 ザ コカ・コーラ カンパニーの全額出資により1993年1月に設立。1995年1月から、アジア地域の消費者ニーズに即した新製品およびパッケージの開発や、世界標準の技術サポートなどを行うR&Dセンター。代表取締役社長 橋本 正。
■日本農芸化学会
農芸化学の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することを目的として、1924年に設立された学術団体。1957年には文部省の認可によって社団法人となり、バイオサイエンス・バイオテクノロジーを中心とする多彩な領域の研究者、技術者、学生、団体等によって構成される。今後一層の展開を図るべく、国際活動の推進、国際学術集会開催の積極的支援を実現し、実用性と応用性を基盤とする農芸化学の重要性を広く紹介している。(農芸化学会ホームページより)