サン、Webサーバの最新版「Sun Java System Web Server 7.0日本語版」を発表
Webサーバの最新版「Sun Java System Web Server 7.0日本語版」を発表
-楕円曲線暗号公開鍵方式にいち早く対応-
サン・マイクロシステムズ株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:末次 朝彦、以下サン)は、インターネットにおけるセキュリティの強化とスケーラビリティの確保、およびパフォーマンスの向上を実現するWebサーバの最新版「Sun Java(TM) System Web Server 7.0 日本語版」の販売を本日より開始します。
価格は、1利用ソケットあたり242,000円で、稼動させるシステムのコア数に関わらず、利用ソケット数に準ずるソケットライセンス方式です。対応OSは、Solaris(TM)をはじめ、Microsoft Windows、Red Hat、SuSE、HP-UXとなっています。
今日、企業の基幹アプリケーションをWebサイトで稼動させることが一般的となるにつれて、堅固なセキュリティや突然の負荷増大に対応できるスケーラビリティはもとより、負荷分散や可用性を高める機能、運用の容易性、開発生産性の高さなどが求められています。「Sun Java System Web Server」は、中規模および大規模のビジネスアプリケーションを稼動させるWebサイトに最適なHTTP/HTTPSサーバとして設計・開発されたものです。
今回の最新版で強化された最大のポイントは、従来のRSA公開鍵方式に加え、楕円曲線暗号公開鍵方式(注)をいち早くサポートするなど、多くのセキュリティ機能の強化が図られている点です。楕円曲線暗号公開鍵方式は、米政府調達の案件に関してその使用の指示が出されるなど、今後注目される方式であり、RSA公開鍵暗号に比べて短い鍵長で同等のセキュリティレベルを確保できることが特長となっています。そのため、より少ないソースでセキュリティを強化することができ、特にメモリやパワーの小さな携帯電話のようなモバイル機器でも公開鍵暗号を使ったセキュリティレベルの高いソリューションを提供することができるようになります。
【「Sun Java System Web Server 7.0 日本語版」の新機能と特長】
■セキュリティの強化とパフォーマンスの向上
「Sun Java System Web Server 7.0 日本語版」は、楕円曲線暗号公開鍵方式に加え、各種のセキュリティの強化とパフォーマンスの向上が図られています。
Solaris環境下では64bitで稼動するとともに、UltraSPARC(R) T1プロセッサへの最適化を図ることでパフォーマンスの向上も実現しています。またSolaris 10のCryptographic Frameworkの技術を利用して、例えばSun Fire(TM) T2000のハードウェア・アクセレレーションをサポートし、セキュリティの強化とパフォーマンスの向上を同時に実現することもできます。
このほか、DoS(Denial of Service:サービス妨害)攻撃からの保護の改善、IETF XMLデジタル証明書の発行、W3C XML暗号化、P3P(Platform for PrivacyPreferences)のサポート、WebDAVのアクセス・コントロールのサポート、LDAPauth-dbの改善、CRL(Certificate Revocation Lists:失効デジタル証明書リスト)の動的適用などのセキュリティ機能を提供します。
■可用性の向上
「ライトウェイト・セッション・レプリケーション」機能を新しく装備し、クラスター型の構成をベースにしたセッションのレプリケーションとフェールオーバーをサポートします。これによって、Webアプリケーションを安定的に、かつ高い可用性を保って運用することができます。特定のハードウェアやソフトウェアを必要としないため、比較的安価にユーザから見た可用性を高めるのに最適な方法といえます。
■運用/管理性の向上
「Sun Java System Web Server 7.0 日本語版」は、運用/管理性を高めるために、次のような機能強化が強化されています。
-JMX(TM)(Java Management Extension)の技術を使った管理基盤の提供:
アドミニストレーション(管理)サーバ・インターフェースの再デザインWebベースの管理サーバの改善を行い、デザインし直しました。これにより、より簡単にアクセスし、複雑な業務をより簡単に完了することができます。
-CLI(Command-Line Interface)の改善:
サーバ・インスタンスに対する操作をCLIにて実行可能です。これにより、大規模システム等において、複数のサーバ・インスタンスをローカル、リモートを問わず容易に管理・構成・運用することができます。
-Sun N1(TM) Service Provisioning System 5.2との連携:
これにより、データセンター内にあるSun Java System Web Serverを複数導入したり、SPやマイグレーションをする際、スクリプトをいちいち書かなくても自動的に更新されます。
■各種標準や最新機能をサポート
「Sun Java System Web Server 7.0 日本語版」は、以下の各種標準や最新機能をサポートしています。これにより、最新の技術を使ったWebアプリケーションを稼働させ、Web2.0への対応、開発生産性の向上が図れます。
*Java Servlet 2.4、JavaServer Pages(TM) (JSP(TM)) 2.0
*JavaServer Pages Standard Tag Library 1.1 およびJavaServer(TM) Faces 1.1
*JNDI
*Java Database ConnectivityおよびConnection Pooling
*Java SE 5.0および6.0
*統合Java Web Services Developer Pack 2.0テクノロジ
*URL RedirectionとRewriting with Regular Expressions
*拡張リアルタイムモニタリング
*統合リバースプロキシ
*FastCGIプラグイン
*NetBeans(TM) 5.0および5.5
*Sun Java Studio Enterprise
本製品の詳細情報については、以下のURLを併せてご参照ください
http://jp.sun.com/webserver/
(注)楕円曲線暗号公開鍵方式
従来のRSA公開鍵暗号は、素因数分解問題が困難であることから安全性を確保した暗号であるのに対して、楕円曲線(以下ECC)公開鍵暗号は、楕円曲線上の離散対数問題の困難さから安全性を確保しています。RSA公開鍵暗号に比べ、以下の点で優れているといえます。
・ECCの鍵長はRSAに比べて、短い長さで同等のセキュリティレベルを確保できる。したがって、RSAよりECCの方が短時間で計算できる。
・ECCは名前の通り楕円曲線を利用するが、ECCを使った暗号化をする場合は、鍵長の他にどの曲線を使うかも選択しなければならない。NIST(アメリカ合衆国の国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology))、ANSI(アメリカ合衆国の米国規格協会(American National Standards Institute))、SECG(暗号化に関する国際コンソーシアム(Standards for Efficient Cryptography Group))などが、曲線の標準化を行っている。Sun Java System Web Server 7.0は現在定義がなされているすべての曲線をサポートしている。
●Sun、Sun Microsystems、サンのロゴマーク、Java、Solaris、Sun Fire、JMX、N1、JavaServer、JavaServer Pages、JSP、NetBeansは、米国Sun Microsystems,Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
●すべてのSPARC商標は、米国SPARC International,Inc.のライセンスを受けて使用している同社の米国およびその他の国における商標または登録商標です。SPARC商標が付いた製品は米国Sun Microsystems,Inc.が開発したアーキテクチャに基づくものです。
■本件に関する一般のお客様からのお問い合わせ先:
サン・マイクロシステムズ株式会社
Sun Center(サンセンター)
TEL: 03-5717-5033
(平日 9:00-11:45、13:00-17:00)
<添付資料>
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スクリーンショット:オンラインヘルプ画面